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くらべて選んで

レンズで選ぶ高級単焦点コンパクトデジカメ

写真ニコン「COOLPIX A」は28mm相当の広角レンズを搭載したモデル。

28mmの広角レンズは広い範囲をダイナミックに切り取り風景写真には最適(COOLPIX A)。

写真スナップやポートレートでも広く背景を入れ込むことができ、遠近感も強調できる(COOLPIX A)。

写真シグマ「DP3 Merrill」は、中望遠の75mm相当のレンズを搭載したカメラ。なお電源オフでもレンズは沈洞しない。

写真高い解像力と偽色のない、暗部からハイライトにかけての見事なグラデーションを見せる(DP3 Merrill)。

写真中望遠域で切り取った風景は、金属や壁の素材のディテールも精緻に表現している(DP3 Merrill)。

 今、カメラ好きの間で単焦点の高級コンパクトデジカメの人気が広がっている。持ち歩きしやすいコンパクトなサイズながら、一眼タイプと同クラスの高画質な撮影ができるカメラだ。ふだん一眼デジカメを使っているユーザーが持ち歩き用のセカンドカメラとして、あるいは大きいカメラは持ち歩きたくないが画質にはこだわりたいというユーザーに特に注目されている。今回はレンズの画角に特徴のある2台のカメラを中心に比べてみた。

コンパクトなのに一眼並みの高画質?

 今回とりあげているモデルはいずれも、一眼デジカメと同等のAPS−Cサイズセンサーが搭載されている。これは一般のコンパクトデジタルカメラに使用されている1/1.8型のイメージセンサーと比べると面積比で約10倍の大きさ。画質を決定づけるのはイメージセンサーだけではないが、一眼タイプが高画質といわれるのはこのイメージセンサーのサイズによるところが大きい。

 また今回紹介するモデルは、レンズ交換もズームもできない単焦点モデルだ。一見デメリットのようだが、これが高画質の理由でもある。一眼レフミラーレスカメラのようにレンズ交換を前提としたシステムは、さまざまなレンズに合うように設計がなされている。だがレンズ交換のない一体型の場合は、イメージセンサーから駆動系までのシステムを徹底的に最適化して、レンズの光学性能を最大限に引き出せるように設計できる。

 さらに、ズームレンズは“全域でそれなり”に描写できるように設計しているが、単焦点は“その焦点距離だけ”に特化して設計できるので、解像力が高く描写性能に優れる。これが持ち歩きしやすいコンパクトなサイズでありながら、一眼タイプ並み、あるいはそれを超える高画質で撮影できる理由だ。

広角レンズ搭載のCOOLPIX A

 ニコンから発売された「COOLPIX A」は、35mmフィルム換算で28mm相当の広角レンズを搭載したモデル。沈胴式レンズを採用しているので、電源をオフにすると持ち運びもしやすいコンパクトな一台だ。

 28mm相当の広角レンズは汎用性が高く、いろいろな撮影が楽しめる画角だ。特に風景写真を撮るには最適で、広がりのあるダイナミックな一枚を狙えるはず。街並みやスナップの撮影でも、遠近感が強調される画角を活かしたインパクトのある画作りができる。ポートレートで使うなら、背景を広く入れた印象的な撮影が可能だ。

 メニュー構成は同社の一眼レフのデザインを採用し、ボタンやダイヤルなどの操作も近いものになっているので、特にニコンの一眼レフユーザーなら、操作系で戸惑うことは少ないだろう。

 風景写真や街並みなどのスナップ撮影を気軽に楽しめる、普段から持ち歩きたい人に最適なモデルだ。

中望遠レンズを搭載したDP3

 シグマの「DP3 Merrill」は、35mmフィルム換算で75mm相当という中望遠の単焦点レンズを搭載した珍しいカメラ。同社からは、広角レンズ(28mm相当)搭載の「DP1 Merrill」、標準レンズ(45mm相当)搭載の「DP2 Merrill」がすでに発売されており、同シリーズの新モデルとして登場した。

 「DP Merrill」シリーズは、イメージセンサーである「Foveon X3 ダイレクトイメージセンサー」に大きな特徴がある。1600万画素のデジタルカメラの場合、一般的なベイヤー配列のイメージセンサーは、1600万画素を光の3原色RGBで割り振っている。それに対し同社のイメージセンサーは、3層構造になっておりRGBそれぞれに1600万画素が割り当てられ4800万画素(有効画素数は4600万画素)相当の画素になる。また構造上、偽色や色モアレも発生しないため、色乗りがよく、彩度をあげても色破綻しにくい特徴を持つ。シグマのDPシリーズは、その高い解像感と深い色表現で、多くのファンを獲得している。

 このDP3 Merrillに搭載されている中望遠レンズは、標準レンズとされる50mmからさらにズームした画角だ。風景写真やスナップ撮影なら少しクローズアップした画になって、主題が強調されやすい。開放F2.8の絞りを生かした背景がほどよくボケた美しいポートレートも得意分野。また遠近感が強調されず物の形がきれいに描写できるので、物を中心にした撮影にも向いている。

ライバルモデルは?

 広角レンズを搭載したCOOLPIX Aの対抗モデルとしては、シグマの「DP1 Merrill」や、発表されたばかりのリコー「GR」があげられる。DP1は上で紹介したDP3のレンズが28mmになったもので、4600万画素相当の高い解像力が魅力。

 一方GRは、画質には定評のあったGRレンズに、ついにAPS−Cイメージセンサーを搭載して、新しいGRとして生まれ変わった。5月下旬の発売に期待が高まっている。

 またほかにも富士フイルムからは「FUJIFILM X100S」がリリースされている。往年のレンジファインダー機を彷彿とさせるデザインに、APS−Cセンサーと35mm相当のレンズを搭載したモデルだ。

 高級単焦点コンパクトカメラは、レンズ交換もズームもできないが、小さなボディーで単焦点ならではの鋭い切れ味と、目を見張るような画質の良さが楽しめる。写真好きならぜひ手にとって確かめてみてほしい。

文・フリーライター 栗山琢宏

シグマ DP1 Merrill

シグマ DP1 Merrill

35mmフィルム換算で28mmのレンズを備えたコンパクトデジカメ。

リコー GR

リコー GR

発売前から話題となっている「GR」シリーズの最新モデル。ついにAPS−Cセンサーを採用した。

富士フイルム FUJIFILM X100S

富士フイルム FUJIFILM X100S

35mm相当のやや広角気味なレンズを採用した、人気カメラの後継機。

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