新生活が始まるこの季節は、部屋の収納を見直す絶好のチャンス。引っ越しやリフォームで家具を一新する人はもちろん、ものだらけで雑多な部屋に住み続けている人も、不用品を処分して気持ちをリフレッシュさせましょう。今回紹介するのは私が実践している「使って動かす」不用品あぶり出し作戦。ちょっとした片づけルールで身の回りの不用品を洗い出せば、軽やかな新生活がスタートします。

置き場所を固定するから片づかない

 新生活でまず必要になる家具といえば、ベッドテーブルテレビ台、それにカラーボックス収納ケースなどの収納グッズです。20年近くも同じ部屋に住み続けている筆者は、3度の大規模リフォームで大型引き出し収納タイプのシステムキッチン洗面台を導入したほか、使っている家具も、中がまるまる収納庫になる跳ね上げ式収納ベッド、収納カゴをたくさんのせられる整理ラックなどに買い替えて収納量アップを楽しんできました。

 確かに新しい収納家具に囲まれると満足度は高いのですが、気を抜くと整理がおろそかになり、結局はものだらけで収拾のつかない部屋に戻ってしまいます。原因は、しまったものを同じ場所に置いたまま固定化すること。せっかくの収納家具を活かすには、「使って動かす」片づけルールがお薦めです。

 たとえば私の仕事部屋では、机の下に設置した書類ラック(カラーボックスレールボードと棚板を追加したもの)に仕事で使う書類などを保管しています。この場所は机で作業をしながらすぐに手が届くため、書類やノートパソコン、スキャナーのように毎日使う仕事道具をしまうのに最適で、A4サイズの書類が入る収納カゴに入れて必要なときだけカゴごと机の上に出しています。書類を机の上に直接置くと仕事後もそのまま放置してしまいがちですが、カゴを使えば放り込んでまとめて片づけられ、置き場所を「動かしやすい」のがメリットです。

動いたら近くに、動かないものは遠くに

 このとき私が実践しているのは、一日の仕事が終わって用が済んだカゴをラックの「稼働中スペース」(私の場合は右側の棚)に順番にしまっていくことです。この「使ったら動かす」方式を続けていくと、使用したカゴがラックの右側に集まる一方で、左側に残ったカゴ、つまり「最近、動かしていないカゴ」が一目瞭然になります。使用頻度の低いカゴを意識的に別の場所に片づけていけば、ラックには「動いているカゴ」だけが残って空きスペースが生まれるというしくみです。

 片づけたいのに置く場所がないのは、使う予定のないものを目の前の便利な場所に平気で置きっ放しにしているからです。たとえば1カ月で数回しか使わないようなものなら、机周辺の一等地ではなく、壁際の本棚収納ラックのように、少し離れた場所に「降格」させましょう。年に数回しか使わないものなら、さらに遠いクローゼットや押し入れの奥に移動してかまいません。よく使う(動く)ものは近くに、めったに使わない(動かない)ものは遠くにしまうことで、身の回りのものを減らして身軽になれます。

 私の書類ラックは安上がりなカラーボックスとカゴを使っているため、見た目にはチープ感があるかもしれません。たとえばシェルフユニットのように専用ボックスを枠内にきっちりしまえる収納家具なら、同じサイズのボックスを複数用意できて置き場所を動かしやすいうえ、収納量が多くて見た目にもおしゃれです。

期日を書いて「捨てる日」を決心

 置き場所を動かすことで必要/不必要を見分ける方法は、ほかの収納場所でも応用できます。たとえば食器棚が片づかない人は、まずは食器棚の中身を一方に寄せて(あるいは別の箱に移動させて)、ちょっとした空きスペースを作りましょう。使い終わった食器を空きスペース側にしまっていくと、数日もすれば「いつも使う食器」と「使っていない食器」に分かれます。中に何が入っていたかわからなくなっているような引き出しは、中身をすべて外に出し、実際に使ったものだけを中にもどすことで不用品があぶり出せます。使うあてのないものは思い切ってダンボールにしまい、「半年使わなかったら処分する」と決めて処分予定日をマジックで大きく書いておくと、決意は揺らぎません。

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 20回にわたって「しまう力」を連載してきましたが、いちばん苦労したのは第18回で扱った冷蔵庫です。実は家族から「恥ずかしいから家の写真を出さないで」と言われて、なかなか許可が下りず、最終回が近くなってようやく聖域を片づけることができました。片づけの秘訣は、固定化した不用品を動かすだけでなく、「抵抗勢力」を動かすことも不可欠なのかもしれません。今後も家族の顔色をうかがいながら、「収納好き」をパワーアップしていきます。
文・フリーライター 中井紀之