本国フランスもうらやむほどのフランスの名画を多数所蔵するロシアの「プーシキン美術館」。17世紀古典主義の巨匠プッサンをはじめ、ルノワール、セザンヌ、マティスらの優れた作品の数々をロシアにもたらしたのは、エカテリーナ2世らロマノフ王朝の歴代皇帝や貴族のほか、19世紀の産業の発展で財をなしたモスクワの大富豪たちです。情熱的な収集の背景には、当時の先進国のフランスへの強い憧れと、自国の文化を豊かにしようという熱い思いがあったそうです。
同館所蔵のフランス絵画66点を一堂に集めた「プーシキン美術館展」は6月23日まで愛知県美術館で開催していますが、7月6日からは横浜美術館に場所を移して開かれます。待ち遠しく思っている方も多いのではないでしょうか。
私は一足お先に先日、愛知県美術館に足を運んできました。一番の楽しみは、同展のアイコンとしてポスターなどに多く登場する「ジャンヌ・サマリー」に会うこと。とてもやわらかで、見ていると癒される色合い。「ルノワールの印象主義的肖像画のなかで最も美しい」といわれる絵画です。
待望のジャンヌとの初対面。胸元が大きく開いた青色のドレスに身を包み、左手に軽く頬をのせ、まどろむような表情。背景のピンクの色調が、この夢見る表情と響き合い、軽やかな筆致が柔らかな肌や豊かな髪を形作り、女性の愛らしさに溢れています。ジャンヌは女優だったそうですが、女優として活躍する芝居の場面などの絵はありません。それはルノワールが、ジャンヌが所属する劇団「コメディー=フランセーズ」の芝居が嫌いだったからだそう。
じっくり見ようと絵に近づいていくと、2組のカップルがそれぞれ肩を並べて見つめていました。まさに、見る者をとりこにする「幸福の絵画」。割り込むのも悪い気がしたので、邪魔をしないように少し離れて見ることにしました。
私のおすすめをもう一作。「癒しの絵画」として、アングルの「聖杯の前の聖母」もぜひ鑑賞ください。上半身をやや斜めに構え、胸の前で両手を合わせて聖杯の上の聖餅へと視線を向ける聖母マリア。ロシア皇帝アレクサンドル2世が、即位前のイタリア旅行中にアングルに依頼した絵画です。聖母マリアの前にある聖餅は、神の子を懐胎する奇蹟を連想するモチーフで、伏し目がちで愛しそうに見ている姿に慈しみを感じます。
これらの絵画をテーマにしたプーシキン美術館展とのコラボグッズも見逃せません。ミュージアムショップでは「ジャンヌ・サマリーの肖像」などのフランス絵画にインスピレーションを得たバッグなど、素敵なオリジナルグッズがあります。「朝日イベント・プラス」でも取り扱っています。ご紹介した2枚の名画の複製画もありますので、ぜひサイトをチェックしてみてください。
「朝日イベント・プラス」は、話題のDVD、展覧会カタログ、ここだけの公式グッズがそろう朝日新聞社のオンラインショップです。愛知県美術館のプーシキン美術館展で見た「ジャンヌ・サマリーの肖像」にとても癒されました。その後に食べたカレーうどんにわらび餅。本当においしくて…さらに癒されました。
ここから広告です
広告終わり