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美術館や博物館から情報を集め、歴史的な陶磁器の形や図柄などを再現した「Tea Road 5000」。 |
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カップ&ソーサーを中心とした喫茶食器を、純国産で素材から製造している。 |
後世へ残したい技術
当社ではカップ&ソーサーを中心とした喫茶食器を製造しています。その中で、どうしても譲れないポイントは2点あります。
1.純国産であること
2.高級品ではなく、高品質品であること。
実は、当社には他の食器メーカーと全く違う点が存在するのです。それは、本業が食器を中心とするセラミックスの素材を作っていることです。
今日の日本のメーカーにおいては、素材から製造している会社は数えるぐらいしかありません。素材の製造トン数からすると約300社、日本の食器の約10%強が当社の素材で出来ている計算になります。
当社では、世界中の鉱山や成形メーカー、そして焼成メーカーとの交流から、“磁器”に対する技術と情報を蓄積してきました。現在、「安かろう、悪かろう」といったアジア製品が増えている中で、私共は確固たる素材メーカーとして純国産にこだわり、品質の高いものを追求しています。
昨年6月にもフランスにある世界最大の鉱物原料メーカーから、当社が世界最高の安定度と品質をもつ素材メーカーとの評価を頂き、以来、従業員一丸となった、よりクオリティを求める製造に拍車がかかったのです。
現代社会では、コストパフォーマンス性ばかりが注目され、伝統的な技術が世界中で失われつつあります。そして、国内の鉱山も埋蔵を残したまま次々と閉山を余儀なくされているのです。
だからこそ、数千年に及ぶ陶磁器の文化と歴史や技術、地球の残してくれた鉱物資源を後世に残していきたいのです。それが上記の譲れないこだわりにも繋がっています。
そこで、高品質品、純国産にこだわる物作りもさることながら、東京を中心に小売さん、問屋さんへの「陶磁器の科学」に関する講義を行なっています。陶磁器の歴史だけでなく、素材に含まれる成分など、科学的な部分にも理解をして頂けたらと思います。
王侯貴族が愛した陶磁器の再現
当社の製品に「Tea Road 5000」と言う商品がありますが、これは開発までにとても苦労致しました。
そもそも、ティーカップを使う文化、喫茶文化は、今から5000年前に中国の神農皇帝がお茶を発見したことから始まると言われます。その後、東インド会社が中国、日本から磁器を買い付け、ヨーロッパに持ち帰ることで、陶器が貴族を中心に広まりました、当時は金よりもはるかに高価格で売買されていたといいます。その希少価値性から、銘品の磁器をめぐってヨーロッパでは度々戦争が起こったとの話もあるほどです。
そして、今から約210年前、ヨーロッパ全土に渡って君臨したハプスブルク家。各国の王家と婚姻を結ぶことで勢力を拡大し、歴史に名だたる数々の人物を送り出してきた名門です。例えば、あのマリア・テレジアやマリー・アントワネットもハプスブルク家の人間です。彼らを中心に喫茶文化は花開き、名作カップが数多生み出されてきたのです。
また、約170年前には、世界中の富と美が集結し、最も繁栄したヴィクトリア朝時代の英国において喫茶は欠かせないものとなり、王侯貴族が愛した繊細で優美なカップが登場しました。
そして、それらの時代の名品カップを現代に甦らせたのが、「Tea Road 5000」シリーズなのです。このカップの開発に至るまでには、当社担当者が何度もヨーロッパに赴き、美術館や博物館を回って資料や情報を集め、文化と歴史、何よりも喫茶と深く関わりを持つ生活習慣等を洗い出し、数年かけて作り上げた食器なのです。当然、当時の生活習慣、文化、歴史、技術に照らし合わせて製作していますから、現代のカップ&ソーサーとは趣が違います。
例えば、王侯貴族といえども、貴重品である珈琲を飲むカップは小ぶりであったとか、当時はカップの中のお茶をソーサーに移して啜っていたためにお皿が深いとか、この顔料がまだなかったからこの色が出ないとか、色々と発見がありました。
それでも、それらには時代を超えた、優美さと品格があります。現代でもそれを是非とも味わって頂きたいですね。ティータイムには、庶民は目に触れることもなかった当時のカップで、ワンランク上の時間を過ごされてはいかがでしょうか?
奥深い陶磁器、愛すべき陶磁器
陶磁器というものは非常に奥が深く、解明されていることの方が少ないぐらいです。だから、一般に販売されている本も、製陶会社のカタログ的な本か学者が読むような非常に難しいものがほとんどなのです。
それで当店では、業者相手に講義をする傍ら、一般の方にも陶磁器を知ってもらおうとさまざまな努力をしています。例えば、「プロが明かす! 陶磁器の科学館」といったタイトルのメルマガなどを発行しています。これは、学者が読む内容の本を出来るだけ分かりやすく、面白く読んでいただけるように書いています。これを読むことで、陶器について興味を持って頂けたら嬉しいです。
人は食べることを止めると死んでしまいます。また、人生の中で食事をする回数も限られています。ならば、料理や嗜好品にもそれなりの衣装を着せ、豊かで幸せな食事と人生を彩りたいと考えています。そして、陶磁器は文化であり、愛するものだと思っています。是非、お気に入りの食器を可愛がってください。