アサヒ・コム ショッピング ショッピング商品検索へジャンプ メインメニューをとばしてショッピングメニューへ メインメニューとショッピングメニューをとばして、本文エリアへ ここから検索メニュー
検索使い方
検索メニュー終わり

メインメニューをとばして、本文エリアへ朝日新聞社からアスパラクラブクラブA&A携帯サービスWeb朝日新聞サイトマップ文字拡大・音声

天気住まい就職・転職BOOK健康愛車教育サイエンスデジタルトラベル囲碁将棋社説コラムショッピングbe

現在位置asahi.comトップ > ショッピング > コラム > プロの語りごと記事
ここからショッピングメニュー

コラム フード・ドリンク 生活・インテリア PC・家電・AV エンタメ BOOK ペット  特集  ニュース

ここから本文エリア

プロの語りごと

顔写真
企画展示ギャラリーのオーナー

川崎淳与 〜前編〜

青山にギャラリーを開き、様々なジャンルの作家の作品を世に送り出している川崎淳与さん。作家と買い手とが直接話ができるような、そして気軽にアートを楽しめるギャラリーを目指しているとか。そんなマダムにアートの楽しみ方を教わる。
写真

「良いモノに触れると、また頑張れる」と川崎さん。

写真

野口ノエル氏による、籐皮とワイヤーやビニール等の異素材を組み合わせたバッグ。

写真

鉄と石を基調にしたシンプルな空間に、作家達の個性あふれる創作物が展示される。

青山の隠れ家

 表参道と骨董通りの間に位置する、赤煉瓦のマンションの1Fの奥に、そのギャラリーはひっそりと佇んでいる。名前は「ギャルリーワッツ」。小さいながらも週替わりに展示を行い、個性的な作家の作品を世に送り続けているギャラリーだ。

 アートは見てみたいけれど、ギャラリーには入りにくい…と思う人は、ここから始めると良いだろう。小さくても心地良い緊張感のある空間に置かれたアートと作家、そして気さくなマダムが出迎えてくれるはずだ。

「ごめんなさいね。先日足を骨折してしまって…。このままで許して下さいね」

 椅子に腰掛けた川崎さんは申し訳なさそうに言った。

「ここを始めて、7年ぐらいになりますね。最初はもっと静かな地域だったんですよ。静かな場所でじっくりと作品を見て頂きたかったので、ここに決めたのです。でも有名ブランドなどの路面店が増えたから、人通りも増えました。街が活性化されるのは、悪いことではありませんが…」

 それでも、大きな通りから一本道を入っただけでも、喧噪は随分遠のく。表参道から青山にかけての良いところは、都心ながらも意外に緑が多く、ちょっと路地に入れば閑静な場所が見つけられることだろう。隣である渋谷などでは考えられないことだ。

「企画プロデュースという、ものづくりの人達の手伝いをして20年近く経つかしら・・・。もともとはつくり手になりたいと思って色々なことを試したけれどつくり手よりサポートする側の方が向いていると気付いたの。ここ青山でギャラリーをオープンしてから7年。とにかく一生懸命やってきました。」

 では、これまでに、ここで個展を開いた作家を少しご紹介しよう。

 ドローイングを床や壁一面に貼って見る者を驚かせた真鍋武氏。

 籐皮とワイヤーやビニール等の異素材を組み合わせ、洗練されたモダンさを持つバッグを作る野口ノエル氏。

 布を愛おしみ、日本人と衣の関係を深く捉えた服を作る安藤明子氏。テーブルにおいただけでも存在感のある美しい色とフォルムの器を作るイタリア在住のクリスチャンヌ・ペロション氏。

 ここには、陶芸家、染色、テキスタイル、アートとノンジャンルに作家が集まる。そこには暮らしを楽しくしたいという思いから“家の中に入っていくモノ”というコンセプトでなおかつ“出しっ放しでも美しいモノ”、つまり“アート的要素をもっているモノ”という川崎さんのこだわりが秘められている。

鉄と石とガラスのギャラリー

 ギャルリーワッツは鉄と石とガラスを基調にした空間である。コンクリート打ちっ放しの壁に、床には黒いスチールを貼り付けている。ライトが壁や床を照らし、机の角などに石のオブジェがちょこんと置いてあるのだ。窓からは、緑が垣間見える。

 違和感があるとすれば、ここはマンションの一室であるのに、生活感がまったくないということ。そこだけ切り取られたように、アートが似合う空間となっているのだ。そして作家達は、公平に与えられたこの空間で個々の創作を披露し、また次の個展へ向けて作品を作り出す。

「鉄を素材として見ると、とても面白いんですよ。製品とした時には嫌われる錆だって、立派なアートに成り得ると思います。ほら、錆ってこんなに綺麗なんですよ!」

 無機質な鉄のオブジェにも、赤い錆が見えることで、どこか温かみを感じることができる。鉄をまじまじと見たのは、小学生の頃に鉄棒で逆上がりをした時以来だ。

「私が取り扱っている作品は、「これが?!」と思っても暮らしの中に置いても馴染むものばかり。良い空気、良い緊張感を作り出すために、生活の中にアートを取り入れて頂きたいですね」

 ここのアートは、ちょっと頑張れば手が届くような値段であるものが多い。川崎さんは、その「ちょっと頑張る」ことが大切なのだと言う。

「良いモノに触れると、また頑張れるのです。家に帰ったら、ただ寝るだけの若い人でも、自宅という空間が好きになるはずです」

 自分を見失っても、ギャラリーでアートを見ることで、欠けていたものが見つかる時がある。新鮮な気持ちや好奇心、観察力といったものだ。そして、それらを提供する作家と、買い手を結びつける手伝いをしたいと、川崎さんは願って止まないのだ。

ギプスにだってアートを!

「この通り、怪我をしてしまって、随分気が滅入っていました。そうしたら孫達がね、絵を描いてくれたんです! 最近見たモノの中で、私にとって一番美しいものですね」

 白いギプスには、色とりどりに様々なものが描き込まれている。ギプスという重苦しいものが、まるで華やかな絵柄のブーツのようだった。

「貴方達の世界をいっぱい描いて! と言ったんですよ。最初こそ『描いてもいいの?』なんて、孫達は言っていたのに、こんなに色々描いてくれた。まだまだ途中だから、足の具合が良くなった頃には、きっとこのギプスを外してしまうのが惜しくなるぐらい素敵なアートになっていることでしょう(笑)」

 川崎さんは、どんなことでも楽しまなければ損だと笑った。そして、どんなものでもアートになり、それを楽しむことが生活を明るくするという発見に、驚かずにはいられなかった。

 生活を良くするということは、目線を変えるということが大切なファクターとなるのではないだろうか。そして、落ち込むようなことがあった時は尚更目線を変えて、川崎さんのように、楽しみの要素を見つけたいものだ。

取材/文 吉岡美那子

(11/01)

達人プロフィール

川崎淳与

20年近く工芸の企画プロデュースを手掛ける。1998年に東京南青山に「ギャルリーワッツ」をオープン。以降精力的に国内外の個性的なアーティストの企画展示を行っている。著書に「おしゃれにラッピングブック―楽しい工夫でまごころを素敵に伝える 贈り上手のギフトアイデア」(大泉出版)などがある。

ギャルリーワッツ
住所:港区南青山5−4−44ラポール南青山103
最寄駅:地下鉄銀座・千代田・半蔵門線「表参道」
営業時間:12:00〜19:00(企画最終日は〜17:00)
定休日:基本的に日曜日。(企画によって変わるので事前に確認を)
電話:03−3499−2662
http://biz−net.jp/wa2/

 関連商品

(提供:楽天市場)


asahi.comトップ社会スポーツビジネス暮らし政治国際文化・芸能ENGLISHマイタウン

ニュースの詳細は朝日新聞紙面で。» インターネットで購読申し込み
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
| 朝日新聞社から | サイトポリシー | 個人情報 | 著作権 | リンク| 広告掲載 | お問い合わせ・ヘルプ |
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.