アサヒ・コム ショッピング ショッピング商品検索へジャンプ メインメニューをとばしてショッピングメニューへ メインメニューとショッピングメニューをとばして、本文エリアへ ここから検索メニュー
検索使い方
検索メニュー終わり

メインメニューをとばして、本文エリアへ朝日新聞社からアスパラクラブクラブA&A携帯サービスWeb朝日新聞サイトマップ文字拡大・音声

天気住まい就職・転職BOOK健康愛車教育サイエンスデジタルトラベル囲碁将棋社説コラムショッピングbeどらく

現在位置asahi.comトップ > ショッピング > コラム > プロの語りごと記事
ここからショッピングメニュー

コラム フード・ドリンク 生活・インテリア PC・家電・AV エンタメ やきもの BOOK  特集  ニュース

ここから本文エリア

プロの語りごと

写真
クルマと食にこだわりを持つイラストレーター

安藤俊彦 〜前編〜

広告や雑誌を中心に、イラストレーターおよび自動車画家として活躍する安藤俊彦氏。メインの車はもとより、最近では食べ物や街の風景、人物、ファッションなど、モチーフの幅を広げ、意欲的な制作活動を展開している。今回は、そんな安藤氏の自宅兼事務所を訪問。愛猫との生活に始まり、イラストレーターとしてのキャリア、そして大好きなヨーロッパについて話を伺った。
写真

「海外をよく訪れるようになってから、街や人、食といったものを描きたいと思うようになった」と安藤氏。

写真

「ニース1998」

写真

安藤家の愛猫、マルコ。生後10ヶ月とは思えないほど、貫禄たっぷり。

愛猫のいる生活

 安藤氏が現在、自宅兼事務所を構えるのは、神奈川県内の緑溢れる閑静な住宅街だ。以前は仕事の都合もあり、都内に在住していたが、自宅脇を大型道路が走っていたため、窓も開けられないほど空気が汚かったという。奥様の知代さんが体調を崩したことを機に、多摩川を越えて緑の多いこの街へと引っ越すことに。瀟洒なマンションの窓の外には澄んだ青空がどこまでも広がり、窓からリビングへと晩夏の陽光がやわらかく差し込んでいる。

 そのリビングで出迎えてくれたのが、安藤家の愛猫、マルコ(オス)だ。アメリカのメイン州が発祥の、メインクーンと呼ばれる品種だそう。まだ生後10ヶ月だというが、すでに体重は6kg。大きい猫が好きだという安藤氏が、こだわり抜いて選んだそうだ。立派な長毛も手伝ってか、ゴールドの体躯を優雅に横たわらせる彼の姿には、風格すら漂っている。その一方で、奥からこちらの様子を控えめにうかがう猫の影が。イタリア語の先生の名前を拝借したというロッセッラ(メス)は、大きな体に似合わず、とても神経質。メインクーンの特徴でもある、ふさふさとした美しい尻尾が時折見え隠れするが、なかなか全容を現してくれない。

「僕たちが彼女を置いて旅行に行ってからというもの、ストレスで病気になっちゃったんです」。イラストレーターの安藤氏と、奥様で料理家の知代さん。自宅で仕事をする2人と小さい頃から常に一緒にいたため、ご主人様の1週間の留守がロッセッラには相当こたえてしまったようだ。絵を描くために海外へ飛ぶことも多い安藤氏だが、今は猫たちのことを考え、旅行も慎重にならざるを得ないという。しかし、彼らとの生活は、何物にも代えがたい至福のリラックスを与えてくれるそうだ。猫たちは安藤家には欠かせない、大切な家族の一員なのだ。

自動車画家としてのキャリア

 自動車専門誌『NAVI』での10年間にわたる連載や、トヨタ自動車のカタログ、フジテレビのF1ポスターなど、これまで車関係のイラストを数多く手掛けてきたことから、“自動車画家”として認知されることが多い安藤氏。しかし、ご本人はその肩書きに少々戸惑い気味のようだ。

「実は、もともと自動車にそれほど興味がなかったんです。幼稚園の頃、トラックなどの大型車を見るのがわりと好きだったけど、乗用車にはまるで関心がなくて。実際に描き始めるようになったのは、あの自動車の塊(かたまり)感に興味を覚えたからですね」

 桑沢デザイン研究所では、グラフィックデザインを専攻。しかし、デザインは向いていないと早々に感じたそうだ。卒業後、ファッション・イラストのクロッキーを一から学び始める。そこで出会ったのが、洋画家の松井ヨシアキ氏だった。ピエロをモチーフにしたヨーロッパ的な彼の作品に憧れ、本格的に絵の道に進むことを決意したという。

 とはいえ、絵だけで食べていくのはそう簡単なことではない。まずはプロダクションのイラストレーション部に入り、何から何まで言われるがままに描く日々を送る。

「そうこうしているうちに、自分が何を描きたいのかわからなくなってしまったんです。同年代のクリエイターがたくさんいて、和気あいあいと過ごしているうちに、気付いたら6年経っていた。そこでふと、自分の形がないことに焦りを感じたんです」

 自分の形を作るべく、安藤氏はサラリーマン・イラストレーターに見切りをつけ、思い切ってフリーになった。その後、イラストレーションの扱いが良いとされる雑誌を5誌を選び、営業に向かったという。そのうちの1誌が、後に連載を持つことになる『NAVI』誌であった。その後、F1ブームの到来で、スポーツ専門誌『Number』にも車のイラストを描くように。続いて石油関係の広告を任されたりしているうちに、気付いたら車関係の仕事ばかりが舞い込むようになったという。

「その頃、目立つ仕事と言えば、車関連ばかり。それで自然と周りから“車専門”と思われてしまって。車を描くのは好きですが、実はいじるのは全然ダメなんです(笑)。興味があるのはあくまでも車のフォルムですから」

新たなモチーフは“食”

 意図せず“車専門”のイラストレーターとして認知され、一線で活躍を続けていた安藤氏。個展に出す作品も、車を主体としたものばかりだった。しかし2000年を機に、作品のモチーフの幅が広がり始めたようだ。

「うちの家内と海外をよく訪れるようになってから、街や人、食といったものを描きたいと思うようになったんです。今は風景などを主体にして、アクセント的に車を置くことが多いですね」

 訪れる先は主にヨーロッパ。中でもイタリアとフランスに行くことが多いという。街中をブラブラ歩いたり、市場を散策したり、地元の食を楽しんだり……観光地ではなく、地元の人々が暮らす街の中での印象的な光景が、作品のインスピレーションを呼び起こすようだ。

 その中でも、最近特に興味があるモチーフは“食べ物”だと安藤氏。これは料理家の奥様、知代さんの影響が強いそうだ。

「食というものは芸術性が高いですね。目で見て、鼻で嗅いで、味わって……という具合に、五感をフルに使いますから。でも、それを表現するとなると、やはり写真になかなか勝てない。シズル感を表現するのが難しいんです。だから、絵ではどうデフォルメするかが一番ポイントになりますね。なかなかうまくいかないのですが……」

 難しいからこそ、挑戦しがいもあるというもの。今後も食を描き続けていきたいと安藤氏は意欲を燃やしている。

大人も楽しめる絵本を

 その一方で、“絵本”という新たなフィールドにも挑戦。自動車の絵本ということで、“自動車画家”の安藤氏に白羽の矢がたったようだ。

「頼まれたから、ちょっと描いてみようかと思って。でも驚きましたよ。出版の2年前に編集者が打ち合わせにやってきたから。これまで広告と雑誌ばかりで、すべて短いサイクルでやってきましたから。出版が2年後と聞いて、気が遠くなりましたね(笑)」

 自由に描いていいという条件の下、この仕事を引き受けた安藤氏は、自身の好きなクラシックカーをふんだんに取り入れ、大人も楽しめる作品を目指した。こうして完成した『あかくん まちをはしる』(福音館書店)は、子供とそのお父さんの二世代から大反響を得ることに。さらには、一般の人は知らないようなマニアックな車が頻出する作品として、クラシックカー・ファンの間でも話題となった。

「ストーリーは、赤のミニが街の中を走って、様々な自動車と出会うといった単純なものなんです。でも絵本だとたいてい、子供に受けるように車を擬人化したり、かわいく描く人が多いですからね。僕の場合は、子供にこびずに、自分が楽しんで描いたことが、結果的によかったんでしょうね」

 現在は2007年末に出版予定の絵本3作目『あかくん でんしゃとはしる』に早くも取り組んでいるそう。次回作は車と電車の共演になるとのことで、またまた乗り物ファンにはたまらない作品となりそうだ。

ヨーロッパへの憧れとこだわり

 師匠でもある松井ヨシアキ氏の作品に感銘を受けて以来、ヨーロッパに憧れ、最近では実際にヨーロッパを題材に描くことも多い安藤氏だが、作品の色合いにもその影響は色濃く反映されている。

「もともと若い頃から、僕の作品の色はヨーロッパ的だと言われていたんです。君の絵はアメリカでは受けないねと(笑)。アメリカで受けないことには成功とは言えないかもしれないけど、でも僕はアメリカ的なものは好きじゃないし、それはそれでしょうがない。あらためてひんぱんに渡欧するようになって、やはり色気的にヨーロッパは自分に合ってるなあと再確認しましたね」

 ヨーロッパの色の特徴、それは茶色の美しさにあると安藤氏は語る。氏のお気に入りは、茶色やベージュといった落ち着いたカラー。アメリカではなかなか受け入れられることのない色だ。今描いている作品も、ほとんどがベージュをベースにしているという。そのせいか、タッチは大胆なのに、全体から受ける印象はとてもソフトで、温かい。どこかノスタルジーや安堵感を感じさせるのも、柔らかで落ち着いたベージュの配分が多いためだろうか。

「自分ではそう思わないけど、昔と比べるとタッチはずいぶん落ち着いてきたと言われます。昔はもっと線がうるさくて、洗練されていなかった。年とともに、シンプルな方向に向かっているみたいですね」

 ヨーロッパの街角では、大好きなクラシックカーに出会えることもしばしば。イタリアでは、南に行けば行くほど、生産が終了して30年近くたつチンクエチェント(FIAT500)が元気に走る姿がよく見られるそうだ。

「旅をすると、知らずのうちに車を追ってしまうんですよ。気付くと写真を10枚くらい撮っていたりしてね」

 そう言って笑う安藤氏は、「猫と相談しつつ」今年もまた旅に出て、作品ができれば個展も開きたいと考えているという。異国の街を走る素敵なフォルムの車と、おいしい料理の数々、そしてその街の空気が、新たな作品に乗せて届けられるのを楽しみに待つとしよう。

取材/文 高間裕子

(09/05)

達人プロフィール

安藤俊彦

静岡県生まれ。桑沢デザイン研究所グラフィックデザイン科卒業。桑沢卒業後、画家松井ヨシアキ氏に師事して本格的に絵を志す。広告プロダクション、イラストレーション部を経てフリーランスになる。以後現在まで、あらゆるジャンルの広告、雑誌中心にイラストレーター&自動車画家として活躍中。最近は海外(主にヨーロッパ)に飛び、街・人・ファッション・食・風景などを描いている。
著書は絵本『あかくん まちをはしる』、『はらぺこじどうしゃ いらっしゃい』(共に福音館書店)。自動車画家として絵本3作目「あかくん でんしゃとはしる」を来年出版予定。
日本自動車アーティスト協会(JAAA)会員。神奈川県在住。

最近の作品は、トヨタクラウンカレンダー、古河電池カレンダー、しずおか信用金庫カレンダー、キャノンフロントライン表紙、スバルダヨリ表紙、インディー500メディアブック表紙、ボッシュDIESELブック表紙、ポッカ缶コーヒーパッケージ、ホテルオークラDMシリーズなど。

 関連商品

(提供:楽天市場)
写真

クラシック・ミニカー


なんとも懐かしい雰囲気のクラシック・ミニカー。ブリキ特有の質感や色調で、さまざまな名車を精密に再現している。リビングやデスクのインテリアにもピッタリ。


asahi.comトップ社会スポーツビジネス暮らし政治国際文化・芸能ENGLISHマイタウン

ニュースの詳細は朝日新聞紙面で。» インターネットで購読申し込み
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
| 朝日新聞社から | サイトポリシー | 個人情報 | 著作権 | リンク| 広告掲載 | お問い合わせ・ヘルプ |
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.