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定年退職する先輩のそろばん、会社生活走馬燈

ギリギリ委員会 ライター ebisu委員

2009年6月4日

写真そろばんは計算だけでなく、楽器にもなるのです。

写真トモエそろばん。パチパチと弾く音と作業で仕事気分が高まるかも知れません。そろばんと言えばトモエ。伝統の職人技が光るトモエのそろばんを弾いてみませんか。

写真セイコー逆輸入パイロットクロノグラフ腕時計。回転計算尺を使えば飛行時にパイロットが必要とする計算・換算が容易にできるのだそう。掛け算・割り算から速度計算・燃料消費量の計算など幅広く使えるものもあります。

写真CD『ジス・イズ・ミスター・トニー谷』。そろばんを手にしたユニークなスタイルで一世を風靡したコメディアン、トニー谷。本盤は、87年に大瀧詠一がプロデュースした追悼盤の復刻です。これぞ元祖リズム歌謡。『さいざんす・マンボ』など収録。

写真クラッシュカリキュレーター。普通のちょっとお洒落な電卓のようですが、AC・Cキーを押すと、画面に表示された数字がクラッシュしてしまうんです。ランダムに配置されたキーや市松模様のような配色も面白いです。計算しては結果をクラッシュする快感をぜひ。

写真雲形定規。パソコンを使わず、手作業で見事な曲線をつくり出します。専門家ならずとも、心ひかれてしまうのはなぜでしょうか? 使えなくても、デスクにあるとうれしいもののひとつかも知れません。

 会社の先輩が定年退職されることになりました。もう少し働きたかったのではないかなあと思うのですけど、自分の机の荷物を片付けています。席が隣の私はそれを手伝っています。そうすると、そろばんなど、けっこう昔の事務用品が出てくるのですね。

 ひと区切りついたので西日の射し込むリフレッシュルームでひと休みすることにし、そこで、先輩の「昔の事務用品はこうだったんだぞ」というお話になってしまいました。

ボーナスで電卓が欲しかった時代

 電卓はそもそもけっこう高い物であったとおっしゃいます。技術系営業部員には関数電卓が高嶺の花だったようです。先輩たちはボーナスの度に価格が射程距離にあるか、確認していたそうです。今のパソコンの夏モデルがどうした、という話みたいですね。

 さらに先輩の話は電卓以前にさかのぼり、タイガー式計算機、計算尺、雲形定規あるいは自在定規などの話に至りました。タイガー式計算機は数字を目盛りに合わせてレバーを回して計算するもので、経理部門で見かけた記憶があります。

 前述の技術系営業部員は、関数電卓以前には、計算尺で概算していたりしたそうな。グラフィックな世界もあったようで、評価資料を作るとき少ない測定値から傾向線を引くために、雲形定規や自在定規を使って最適な曲線を描いたりしたそうですと。ふえ〜。

そろばんはExcelより偉い?

 これらの事務用品はどこに行ってしまったのでしょうか。私が一番なじんでいたのは、何と言ってもそろばんですね。入社して社内では知らないことばかり。しかし、そろばんが得意だったことがけっこう身を助けてくれました。特にそろばんの出番は予算作成時期です。まさに文字通り数字を触っている感じが好きでした。

 そろばんはパソコンと違って起動時間はゼロ、机に出せばもうスタンバイです。帳面に罫線を引く時には定規代わりになり、疲れた時に肩をたたき、カチャカチャという音にちょっと目を覚ましたり、ひっくり返せば汽車ごっこ、アイデアに詰まった時は珠の部分で頭をかいてツボを刺激したりとお世話になりました。今はパソコンでExcelを使っているというみなさん。Excelで肩がたたけますか? ツボを刺激できますか? 汽車ごっこができますでしょうか?

 さらにExcelでできないことの最高峰は、何と言っても故トニー谷さんの物真似でしょう。コメディアンの彼がリズム楽器としてステージでそろばんを使っていました。今も、トモエ本社に彼のそろばんが展示されているそうです。トニー谷といえば思い出すのが「アベック歌合戦」。確か学校で「真似すると怒られるリスト」に入っていたようです。

たまにはアナログな事務機器でまったりと

 話は戻って、今はパソコンが膨大な事務量をこなしておりますね。でも、逆にパソコンに使われているような錯覚に陥ることすらあります。行き詰まった時には、いただいた先輩のそろばんを取り出して、肩でもたたきながら、気分転換するのも一つの選択肢かも知れません。カチャカチャという優しい音に、先輩との会社生活が走馬燈のようによみがえるでしょう。

プロフィール

ギリギリ委員会

もともと「ゆるゆる会社生活」を実践するべく、ゆる〜く結成された委員会であったが、昨秋からの景気悪化により、会社からもギリギリの事を要求され、ギリギリの立場に立たされる状態になってしまった委員たちが急遽臨時総会を開き、名称変更を決意した。しかし、委員たちはこんなきびしい状況の中でも、会社生活の楽しみを探すことを目的にグループの存続を口々に主張。「ギリギリ委員会」と看板を掛け替えて、日々の楽しみの探索活動継続を決議した。何だかわからないが愛おしい中年の集まり。

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