秋田・横手 歌・藤山一郎・奈良光枝
2009年6月5日
明るい前奏に続き、高音の男声で「若くあかるい 歌声に/雪崩は消える 花も咲く」と始まる「青い山脈」は、戦後すぐに大流行した曲です。
「青い山脈」はもともと、作家石坂洋次郎が終戦後の1947年、朝日新聞で連載した新聞小説でした。作家本人が「これから日本国民が築き上げていかねばならない民主的な生活の在り方を描いてみようと思った」と執筆意図を残しています。
ユーモアも交えつつ、「民主主義」の勝利を明るく歌い上げた小説は大好評で、49年には今井正監督(1912〜91)で映画化されます。その主題歌として、西条八十(1892〜1970)作詞、服部良一(1907〜93)作曲で作られたのが、この曲でした。
ですが、東宝争議のあおりで映画はなかなか完成しません。公開を待ちきれずに、コロムビアは49年4月、藤山一郎さんと奈良光枝さんのデュエットでレコードの発売に踏み切りました。ところがこれが大変な人気となり、映画を見ないうちから主題歌が先行して流行る、という珍しい現象が起きました。
あのころは、まだ民主主義が輝いて見えました。作家石坂が教師生活を送り、その文学を花開かせた地、秋田・横手を旅して、彼にとっての「青い山脈」を探します。
(続きは6月6日付け朝刊の別刷り「be」をお読みください。)

映画「青い山脈」はDVDで見られる。原節子さん、杉葉子さんが出演した49年の今井正監督作品は東宝が、吉永小百合さん主演の63年作品は日活が、それぞれ販売している。

藤山一郎さんと奈良光枝さんの歌はCD「藤山一郎 思い出のアルバム」(コロムビアミュージックエンタテインメント、2650円)などで聞ける。藤山さんのCDには他に「藤山一郎全曲集」「青い山脈」(いずれもコロムビア)などがある。

かつては「百万人の作家」といわれた石坂洋次郎も、ことしで没後23年。「青い山脈」の原作本は版元の新潮社によると現在絶版。著書は残念ながら、古書店で探すか図書館で借りるしかない。
今井正監督の1949年度作品「青い山脈」の前・後編2枚組DVD。舞台はある地方都市。高校生の新子(杉葉子)のもとにラブレターが届いたことをきっかけに、町中が男女交際をめぐる大騒動に…。
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日活が製作し、1963年に公開された作品。主人公・新子役の吉永小百合をはじめとする当時の日活スターのさわやかな演技も見どころ。
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国民的歌手として活躍した藤山一郎の名曲集。「青い山脈」など全20曲を収録。魅力的な歌声に、昭和の思い出がよみがえる。
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2004年に発売されたベスト・アルバム。「青い山脈」「酒は涙か溜息か」「丘を越えて」「長崎の鐘」など全16曲。
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beは朝日新聞の土曜朝刊に挟み込まれてくる別刷り紙面です。ビジネスの「b」(青のbe)と、エンターテインメントの「e」(赤のbe)から成っています。「うたの旅人」は赤beのフロント紙面で、08年4月から続いている企画です。毎週、一つの歌を題材に、記者が歌にちなんだ土地を旅し、歌にまつわるエピソードを探します。
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