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< 第30回朝日アマ名人戦 全国大会準決勝 > 初出場で強豪連破 元中学生名人・菊田公毅選手2007年06月14日 第30回記念朝日アマチュア将棋名人戦全国大会(3月17、18日)の準決勝、桐山隆(招待)―菊田公毅(南東北)戦を紹介する。
桐山選手(36)は元朝日アマ名人として招待された。他にアマ竜王2回、アマ名人1回の実績を持つ全国強豪のひとり。一方の菊田選手(24)は仙台市に住む社会人2年目の会社員で、学生将棋以外のアマ棋戦に参加したのは今回が初めてという。ただし、10年前の中学生名人戦と中学選抜選手権戦を制覇しており、ただの新鋭ではない。 初出場なので気楽に指せたという菊田選手は1回戦から順に奥村龍馬(近畿)、天野高志(招待)、相良剛史(南関東)の各選手を連破して準決勝に臨んだ。 手厚い棋風の桐山選手は3手目に▲6六歩と角道を止めた。角換わりを警戒、相矢倉戦を望んでいた。菊田選手は注文に乗らず△3二飛と「三間飛車」に構える。居飛車、振り飛車を問わず、なんでも指すオールラウンドの棋風という。 ■機敏な仕掛け 先手は「居飛車穴熊」、後手は「三間飛車美濃囲い」にして第1図(43手目、▲6八銀引)。先手が自陣を固めようと▲6八銀引とした瞬間、菊田選手が仕掛けた。第1図から△3六歩は機敏。▲同歩は△4六歩▲同歩△同角で、後手の角成を防げない。桐山選手は▲3六同飛と取り、飛車交換。後手は手順に馬を作り、桂得の戦果をあげた。 ■手堅い受け 第2図(62手目、△4三飛成)で菊田選手は優勢を意識した。駒得で馬を作り、竜を引きつけ、自陣が盤石だから。対穴熊戦では相手の攻めを切らす作戦を得意にしている。 しびれを切らしたように桐山選手が▲6五歩(第3図、67手目)と反発した。本局の解説者泉正樹七段は、この手を敗着と指摘する。ここは▲4五歩と手を渡すところだという。△同桂や△同竜とは取れない。放置すれば▲4四香が残る。 本譜は▲6五歩に△5二銀の早逃げが好手。▲6四歩と取らせて△6六歩〜△7四桂が痛打だ。後手の駒得は桂得から金得に拡大した。 第4図(84手目、△6四香)は▲4三歩の垂らしにかまわず、菊田選手が△6四香と角取りに打ったところだ。桐山選手は▲4二歩成と攻め合いを選んだが、△6六香と角を取られてみると、駒損がいかにも大きい。ここは我慢して▲7七角とし、△4一歩に▲3三竜なら、劣勢とはいえまだチャンスはあったようだ。▲4二歩成が敗着と両者の感想は一致した。 ■意地の勝負手 第5図(123手目、▲6四金)は終盤、桐山選手が▲6四金と出たところ。△同香ならただ捨ての金となる。盤側にいてちょっとびっくりしたが、これは元名人が意地をみせたワナ。△同香なら▲4三銀△同金▲6三金△8二玉▲4三桂成をねらっている。この順になれば、角と金を手持ちに逆転模様だ。 菊田選手は察知して取れる金を取らず△6三歩と守った。 桐山選手は▲4三銀から最後の突撃を試みたが後手の徹底防戦に遭って手が続かない。最後は△7七桂(終了図、146手目)と急所に打たれ、穴熊陣を残したまま投了した。 終了図から放置すれば△8九桂成▲同玉△7七桂以下詰み。かといって桂を取るのは、なんで取っても△7九と以下一手一手。投了もやむをえない。 解説の泉七段は「桐山将棋の粘っこさが見られなかった。菊田さんの落ち着いた受けと若さが粘りを封じた一局」と菊田さんの強さに驚いていた。 (佐々木賢介) |
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