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名人への道(9)

棋界の頂点をねらえ 順位戦A級見どころ

 将棋の第66期名人戦・順位戦が6月1日、B級1組1回戦を皮切りに開幕する。現在、森内俊之名人に郷田真隆九段が挑戦している第65期名人戦七番勝負が進行中だが、次の名人挑戦権を争うA級も、4日の三浦弘行八段―行方尚史八段戦で始まる。棋士の格をかけた戦いで今年はどんなドラマが見られるのか。今期の見どころを紹介する。

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 名人が相撲界での横綱だとすれば、順位戦A級所属の棋士は三役といったところ。実力者同士のぶつかり合いは、ファンの注目も高く、タイトル戦に勝るとも劣らない内容の棋譜を生み出している。全棋士にとって「あこがれの舞台」だ。  第66期A級も豪華メンバーがそろった。シード順1位には第65期名人戦の森内名人―郷田九段戦の敗者。2位から5位までは、谷川浩司九段、羽生善治三冠、佐藤康光二冠、丸山忠久九段と名人経験者が占める。6位以下は、藤井猛九段、久保利明八段、三浦弘行八段、木村一基八段、行方尚史八段の順だ。

 6位以下が挑戦者になったのは、第54期の森内俊之名人(初参加9位)までさかのぼり、ここ数年はずっと5位以内から出ている。今期も上位陣が本命であることは間違いなく、最終9回戦の谷川―羽生戦が大勝負となる可能性は大きい。

 一方、B級1組への降級者2人は、ここ3年は7位から9位までの中から出ている。前期は深浦康市八段が4勝5敗の成績を挙げながらも、6人が同星となったことで、シード順9位の深浦八段が降級した。同3位だった佐藤棋聖も4勝5敗だったが、今期は4位につけており、シード順位の重みが顕著に表れたリーグだった。新参加の木村、行方両八段は厳しい戦いが予想される。

 ◆B級1組以下 渡辺竜王「ぶっちぎり」なるか

 将棋界には「天才の系譜」がある。名人に手が届くような棋士は、少年のころから「名人候補」と衆目が一致し、期待通りにトップに駆け上がる。その系譜を明らかに引き継いでいるのが、竜王3連覇で超一流棋士の地歩を固めた渡辺明(23)だ。今期から参加するB級1組(13人)を当然のように1期で抜けられるかどうか。渡辺竜王にとって真価を問われると同時に、今後の将棋界の動向も占う戦いとなる。

 名人・A級在位連続26年の谷川浩司九段は「A級でいい成績を残すには、最終局にいく前に1局余して昇級を決めるぐらいでないといけない」と話す。超一流ならではの見方で、渡辺クラスに求められるハードルは高い。

 B級1組には深浦八段、阿部隆八段、鈴木大介八段ら7人の元A級がひしめき、いずれもA級にいても何の不思議もない猛者たちだ。その実力者たちがA級に返り咲くことも多く、新参加の渡辺が「ぶっちぎり」の成績を残せるか、それとも先輩が意地を見せるのかが注目だ。

 ほかのクラスでは、朝日オープン将棋選手権の五番勝負に登場したB級2組(22人)の山崎隆之七段(26)、C級1組(31人、うち休場1人)の阿久津主税五段(24)の二人が昇級できるかが見どころのひとつだ。若手の精鋭がつぶし合うC級2組(45人)では、昨年度新人王の糸谷哲郎四段(18)ら10代棋士の活躍に注目。

2007年5月29日 朝日新聞夕刊




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