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将棋名人戦第1局 1日目ダイジェスト

2008年4月8日19時42分

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写真将棋名人戦七番勝負第1局で1日目を終え、29手目を封じた森内俊之名人(右)。封じ手を受け取っているのは立会人の中原誠十六世名人。左が羽生善治挑戦者=東京都文京区の椿山荘で写真28手目まで図26手目まで図21手目まで図19手まで図16手目まで写真第66期将棋名人戦七番勝負の第1局で、初手を指す森内俊之名人(左)。右は挑戦者の羽生善治二冠=8日午前、東京都文京区、高橋洋撮影

 ◆封じる

 午後6時30分、森内名人が29手目を封じて1日目が終わった。持ち時間各9時間のうち、消費時間は森内名人が4時間3分、羽生挑戦者が4時間12分。

 封じ手の場面を取材していた月刊誌「将棋世界」の田名後健吾編集長(40)は「羽生さんの表情が尋常ではなかった。すごい将棋になる予感がする」と話した。

 副立会人の木村一基八段は「森内名人が工夫して、手をつくっていかないといけない局面になっています。明日も、じっくりした戦いになると思います。力と力の勝負、と言っていいのではないでしょうか。まさに、力戦という感じです」と話した。

 羽生挑戦者の△4二角は仕掛けを誘った手で、▲4五歩の仕掛けは封じ手の有力候補だ。以下、△3三銀▲4四歩△同銀右▲4五歩△5三銀といった展開が一例。仮にそこで▲3六歩と突けば、△5一角と引き、△7三角を狙っていく。矢倉囲いに▲4五歩の位は大きいというのが定説だが、この将棋の場合はかえって位が負担になる可能性がある。森内名人の側に工夫が必要だ。

 2日目は9日午前9時に再開される。終局は遅くなりそうだ。

 ◆超スローペース

 午後4時20分前、森内名人が▲6八銀とあがってようやく局面が動いた。一手一手、気を遣う展開だ。

 21手目の図から、△5三銀に▲4八飛が意欲的な一手で、森内名人が果敢に主導権を取りにいった。アマチュアの感覚では次に▲4五歩があるので、後手は3三の角が引きにくそうに見える。角が引けなければ△2二銀の壁銀が響き、駒組みが牽制(けんせい)される。

 対して、羽生は△7四歩。▲3六歩が自然だが、木村八段と先崎八段の検討で、△5一角と引けることが判明。▲4五歩には△3三銀▲4四歩△同銀右▲4五歩△5三銀で、4筋の位が取られても、△7三角とのぞく手もあり、先手のペースとも言えない。

 木村「△5一角と引けるなら後手も悲しくないですね」。

 午後5時すぎ、26手目の△3一玉まで進んだ。しばらく駒組みが続きそうだ。消費時間は森内2時間40分、羽生3時間42分。

 ◆「早くもちょっかい」

 午後2時から対局会場の椿山荘別室で副立ち会いの木村一基八段と先崎学八段による大盤解説会が始まった。

 21手目の▲5六銀に2人とも意外な表情。銀出のタイミングが早いという。木村「早くもちょっかいを出しましたね」。先崎「おやっと思わせる一手」。▲5六銀に代えて、▲3六歩〜▲5九角〜▲2六角という展開が想定され、3筋の歩を交換したあと▲3六銀と出る含みがある。▲5六銀はこの筋を捨てて形を決めている。決断の一手と言えそうだ。

 その後、羽生挑戦者の△5三銀に対し、森内名人は▲4八飛。名人の積極的な指し手が目立つ。

 ◆対局再開

 午後1時半、対局が再開された。羽生が指した20手目は△2二銀だった。結局、この一手には昼食休憩を挟んで、計1時間3分考えた。日本将棋連盟の米長邦雄会長は「△5三銀との比較を考えたのだと思います。このあたりの局面では、『どちらでも良い』という手は無くなってくる。△2二銀と△5三銀では微妙な差が出てくる。この微妙な差が勝敗に直結する、と判断しての長考でしょう」と解説してくれた。

 ◆昼食休憩入り

 午後0時半、途中図から3手(▲7七角△4一玉▲5八金)進んだ局面で昼食休憩に入った。消費時間は先手の森内名人が1時間7分、後手の羽生挑戦者が2時間12分。次の一手(20手目)のために羽生挑戦者はすでに56分考えている。

 ◆相居飛車の力戦型に

 盤上は、相居飛車の力戦型に進んでいる。午前11時、16手目の△6二銀までの局面で、副立ち会いの木村一基八段は「実戦例はありますが、そんなに多くはない形になりました。力の勝負で行こう――そんな森内名人の意欲を感じます。名人の攻め、挑戦者の受けというイメージ」と語り、今後の見通しを「駒組み段階から一手一手に慎重に時間を使う展開になりそう。ゆっくりとした進行を予想します」と話した。

 ◆第1局始まる

 森内俊之名人(37)に羽生善治二冠(37)が挑戦する第66期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の第1局が8日午前9時、東京都文京区の椿山荘で始まった。振り駒の結果、先手は森内名人に決まり、立会人の中原誠十六世名人が「定刻になりましたので森内名人の先手で対局を開始します」と宣言。注目された森内名人の初手は▲2六歩。羽生挑戦者は少考し、△3四歩と応じた。

 森内名人は史上4人目の5連覇を、羽生挑戦者は通算5期の「永世名人」をかけた戦い。持ち時間は各9時間で、9日夜までに終局する見込み。

 ◆ネット中継や大盤解説会も

 対局の指し手は有料の名人戦速報サイト(http://www.meijinsen.jp/)で速報している。

 大盤解説会も各地で開かれる。対局会場の椿山荘では8日午後2〜4時、9日随時〜終局。定員200人。2千円。東京・築地の朝日新聞東京本社2階読者ホールでは、9日午後6時〜終局まで、瀬川晶司四段が解説。無料。東京・千駄ケ谷の将棋会館などでも開かれる。

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