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将棋名人戦第1局 2日目ダイジェスト

2008年4月9日22時6分

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図97手目まで図63手目まで図58手目まで図51手目まで図43手目まで図36手目まで写真挑戦者の羽生善治二冠(手前)に勝利し、感想戦で笑顔を見せる森内俊之名人=9日午後8時58分、東京都文京区、高橋洋撮影

 ◆森内名人が先勝

 森内名人が97手で勝ち、史上4人目の5連覇に向けて幸先の良い1勝を挙げた。終局時間は午後8時47分。序中盤では「名人が苦しいのでは」と評する関係者も多かったが、羽生挑戦者の激しい攻めに対し、機敏に反撃。熱戦を制した。

 終局後、森内名人は「作戦がかなりまずく、指し手がちぐはぐだった。序盤で指した手が全部マイナスになり、待っているしかなくて不満な展開でした。飛車を打った辺りで勝負になったと思った。終盤は難しくてよく分からなかったが、最後に自玉が詰まないのが分かって勝ちになったと思った。ずっと押され気味の将棋だった……。(この経験を)次に生かしたい」などと話した。羽生挑戦者は「(森内名人に)右四間飛車で積極的に来られて、まとめるのが難しい将棋だった。(封じ手のあたりでは)壁銀がたたったような……。ちょっと問題があった気がする。(56手目の△8六同飛は)無かった。ただ、どうやっていいか、よく分からなかった。もうちょっと辛抱する順を指すべきだったかもしれない」などと話していた。

 ◆最終盤

 午後8時すぎ、熱戦が続いている。△5一金の後、▲4四歩△同銀▲2四歩△4三金▲5一飛成△同銀▲2三歩成△4二玉▲6三金△5三金▲6四金△同金▲3一角△4三玉▲6四角成△6六飛▲3三金△5二玉▲6三金△6一玉▲7三馬と進んだ。控室の検討陣によると、羽生玉には受けがなく、羽生挑戦者が勝つには森内玉を詰ますしかない、という。

 ◆最後の休憩

 午後6時から30分間の休憩時間に、両対局者には軽食(サンドイッチなど)が供された。再開後、羽生挑戦者が△6七歩成と指し、▲4三歩成△7八と▲同玉△5一金まで、手が進んだ。

 日本将棋連盟理事の青野照市九段は「この局面で、森内名人は▲2四歩を狙っているのではないか」と指摘した。狙い筋は、仮に(1)△同歩なら▲5一飛成△同銀▲2三金、(2)△同銀なら▲同飛△同歩▲2三銀、(3)△4三金なら▲2三歩成△4二玉▲3三と、だ。

 ◆難解な形勢に

 午後6時前、羽生挑戦者が▲4四歩の局面で考え込んでいる。森内名人の▲4四歩が「絶妙なタイミング」と好評だ。△4二金引には、▲6六銀と戻す手がある。

 「羽生リードはすでに過去の話」(某棋士)。一手違いの難解な終盤戦になっている。

 ◆決断の△8六同飛

 午後4時半すぎ。前述の指し手▲2七飛から、△6四歩▲同歩△同角▲3七桂△8六歩▲同角の局面。羽生挑戦者の次の一手がモニターに映し出されると、控室で「オーッ」と声が上がった。飛車角交換に踏み切る△同飛!

 観戦に訪れた深浦康市王位は「本当に驚きました。△同角▲同歩と進め、△3八角から△4九角成を狙う手を予想していましたから。この変化なら、まだまだ息長い中盤戦が続いたでしょう」と話した。「△同飛は決断の一手。形勢をはっきりと良くしようという手です。一気に終盤戦に突入しました」。今後の見通しを「羽生さんの狙いは△6六歩と打ち、仮に▲同銀なら△4九角が飛車金両取り、という筋。ただし、先手も飛車を持ちましたから、仮に▲6一飛と打てれば王手銀取り。勝負はこれから。きっときわどい勝負になる予感がします」と話した。

 △8六同飛以下、▲同歩△6六歩▲6一飛△4一歩と進行。一気に攻め合いに突入した。

 ◆仕掛けの権利は羽生か?

 スローペースが続いている。昼食休憩後の羽生挑戦者の次の一手は△6二銀。以下、▲6五歩△5三角▲2八飛△7三桂▲3六歩△8一飛▲2七飛と進んでいる。午後3時すぎ、控室に足を運んでくれた佐藤康光二冠は「膠着(こうちゃく)状態が続いていますが、仕掛けの権利は羽生さんが握っているようです。先手番の森内名人としては、やや不本意な展開ではないでしょうか」とコメント。具体的には「先手が取った4五の位が、かえって負担になっている感じ。そこらあたりに誤算があったのではないでしょうか」と話した。今後の見通しを「羽生さんがどこで仕掛けるか、そして森内さんがどこに反撃の糸口を見いだすか、でしょう。しばらくは時間を使い合う展開が続きそう」と語った。

 控室では佐藤二冠らによる検討が続けられている。▲2七飛以下、有力なのは△6四歩。▲同歩△同角▲3七桂△6三銀といった進行が一例で、羽生乗りの見解が多数。ただ、そこで先手から▲3五歩〜▲2四歩〜▲4四歩といった反撃の順もあり、後手としても覚悟がいる順になる。羽生挑戦者は具体的な良さを求めて考慮中とみられる。

 ◆昼食休憩入り

 午後0時半、羽生挑戦者が44手目を考慮中に昼食休憩に入った。盤上は、森内名人が43手目に▲9六歩と指したところまで。再開は午後1時半。

 この局面について、副立会人の木村一基八段は「羽生挑戦者がうまく立ち回っている、と見ます。指しやすさをどう具体的な良さにつなげるか、じっくり考えたい局面だと思います。ここで、相当先まで方針や狙いを決めようと腰を落としている、と推測します」と話した。

 ◆中原十六世名人が大盤解説

 午前11時、対局場のある椿山荘で大盤解説会が始まり、立会人の中原誠十六世名人と中村桃子女流2級が登場。中原十六世名人は、自ら戦った名人戦の昔話も交えながら、現局面までをていねいに解説した。中原十六世名人の弟弟子で、日本将棋連盟常務理事の田中寅彦九段も飛び入りで参加し、熱心な将棋ファンを喜ばせた。

 午後2時からと、同6時40分からが予定されている。2000円。

 ◆森内名人がどう手を作るか

 午前10時半をすぎ、36手目の△8四歩まで進んでいる。

 控室では「森内名人に工夫が必要な局面」。▲4五歩と位を取ったものの、ここからどう攻めの態勢をつくるかが難しいという。▲8八玉〜▲9八香から穴熊にもぐる構想が一例だが、後手は△8五歩〜△5一角〜△9四歩〜△7三角から、角筋を生かして△3五歩といった分かりやすい手段がある。先手に苦労が多い局面といえそうだ。

 1日目の森内名人の▲5六銀〜▲4八飛は積極的に主導権を取りにいった構想だが、こうなってみると思ったほどうまくいっていないようだ。

 ◆封じ手は▲4五歩

 第66期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の第1局は9日午前9時、再開した。2日目は、1日目に森内俊之名人が封じた29手目の開封から始まった。注目の封じ手は▲4五歩。

 副立会人の木村一基八段は「直前の羽生挑戦者の△4二角は『攻めて来い』と誘った意味もあります。▲4五歩は、踏み込んでいった手で、予想された手です。ただし、これで先手が良くなるとは限らない」と話す。やっと駒がぶつかったが、「まだ、しばらく駒組みが続くと予想します。全面的な戦いが始まるのは午後ではないでしょうか」と話した。

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