挑戦者の羽生善治二冠(手前)を破った森内俊之名人=6日午後8時48分、甲府市の常磐ホテル、高橋洋撮影
第66期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の第5局は6日、甲府市の常磐ホテルで2日目が指し継がれ、同日午後8時34分、先手の森内俊之名人(37)が挑戦者の羽生善治二冠(37)に109手までで勝ち、対戦成績を2勝3敗とした。中盤からの意欲的な指し回しでリードを奪った名人がそのまま押し切り、カド番をしのいで逆転防衛に望みをつないだ。持ち時間各9時間のうち、残りは名人22分、挑戦者7分。第6局は16、17の両日、山形県天童市で。
先手7五歩と駒がぶつかった局面で挑戦者が封じた50手目は、堂々と受けて立つ後手7五同歩だった。名人は7筋で歩を成り捨てて後手の攻め味をなくし、1筋に戦線を拡大する。これに挑戦者が強く反発して激しい戦いとなった。名人ややリードで迎えた終盤、検討室で「決め手がなければ形勢は入れ替わる」と言われた局面から、角を交換して金の両取りをかけた87手目先手4一角が好手。一気に挑戦者を受けの利かない形に追い込んだ。挑戦者は最後に王手をかけたが先手玉に詰みはない。
解説の鈴木大介八段は「森内さんが自分らしい将棋を貫き通し、悪くならないように微差を保って押し切った会心局。羽生さんも最善を尽くしたんですが、序盤の後手7四歩をうまくとがめられました」と話した。(村上耕司)