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将棋名人戦第7局ダイジェスト1日目

2011年6月21日

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写真:初手を指す挑戦者の森内俊之九段(左)。右は羽生善治名人=21日午前9時3分、甲府市湯村の常磐ホテル、新谷祐一撮影拡大初手を指す挑戦者の森内俊之九段(左)。右は羽生善治名人=21日午前9時3分、甲府市湯村の常磐ホテル、新谷祐一撮影

写真:立会人の高橋道雄九段(左)に封じ手の入った封筒を渡す挑戦者の森内俊之九段(右)。中央奥は羽生善治名人=21日午後6時37分、甲府市の常磐ホテル拡大立会人の高橋道雄九段(左)に封じ手の入った封筒を渡す挑戦者の森内俊之九段(右)。中央奥は羽生善治名人=21日午後6時37分、甲府市の常磐ホテル

写真:両対局者に出されたおやつ=甲府市の常磐ホテル拡大両対局者に出されたおやつ=甲府市の常磐ホテル

写真:振り駒の結果、と金が3枚出て森内九段の先手番に=21日午前9時2分、甲府市の常磐ホテル拡大振り駒の結果、と金が3枚出て森内九段の先手番に=21日午前9時2分、甲府市の常磐ホテル

図:1日目指了図(50手目△6四歩まで)拡大1日目指了図(50手目△6四歩まで)

 午後6時半、挑戦者の森内九段が51手目を封じ、1日目の対局が終わった。実に1時間59分を費やした末の封じ手だった。持ち時間各9時間のうち、残りは名人5時間32分に対し、挑戦者4時間23分。

 挑戦者が封じ手で大長考したのは、次の一手が本局を左右しかねないからだ。先手の挑戦者が左右の桂を5段目まで跳ねたのに対し、名人は50手目に△6四歩と突き、相手に方針を打診した。左桂が詰んでいるので、先手は攻めをうまくつなげなければならない。検討室では、▲8二歩からの桂の取り合いや、▲5三桂左成の突撃を中心に研究されている。

 対局は22日午前9時に再開され、夜には今期の名人位の行方が決まる。

       ◇

 詳しい指し手は有料の名人戦速報サイト(http://www.meijinsen.jp/)で報じています。

◇名人戦ゆかりの対局場

 決戦の場となっているのは、甲府市にある湯村温泉の常磐ホテルだ。

 湯村温泉は、平安時代に弘法大師が開き、戦国武将・武田信玄の「隠し湯」だったと言い伝えられる名湯。常磐ホテルは、創業80年余りで、ゆったりとした約3千坪の日本庭園に七つの離れが点在する。かつて昭和天皇や今の天皇、皇后両陛下も泊まり、山梨きっての格式を誇る。

 そして、名人戦にゆかりの深いホテルでもある。とくに囲碁の名人戦が多く打たれており、1999年の第5局で趙治勲名人、2003年の第5局で依田紀基名人、08年の第7局で張栩(ちょうう)名人がそれぞれ勝った。囲碁史に残るのは、98年の第4局。趙治勲名人と挑戦者の王立誠九段の対決は「三コウ無勝負」、いわば引き分け再試合に。発生するのは数千局に1局で、囲碁のタイトル戦では初めてという珍事だった。この七番勝負も趙名人が制した。囲碁界にかぎれば防衛に有利な宿といえそうだ。

 一方、将棋の名人戦が指されたのは08年の第5局。ほかならぬ森内俊之名人と羽生善治二冠の対決だった。この時は森内名人が勝ち、対戦成績を2勝3敗とした。だが、最後は羽生二冠が名人位を奪取し、永世名人(十九世名人)を名乗る資格を得たのは周知のとおり。

 さて、本局の行方やいかに。

◇おやつ、名人が「誘導」

 午後3時になり、両対局者におやつが出された。いずれも、山梨銘菓の信玄餅に、サクランボ。飲みものは、名人がレモンティー、挑戦者は緑茶。

 ホテル側は当初、同じく地元銘菓の塩まんじゅうを供しようとしていた。ところが、昼食時に名人が「信玄餅を食べたい」と注文。きな粉を小さな餅にまぶし、黒蜜を添えたものだ。挑戦者はとくに指定がなかったため、どちらもメニューが変更された。

 さて局面は、風雲急を告げている。中盤だが、挑戦者の桂馬が二つとも5段目まで跳ね、5三の地点をねらっている。ただ、現在の局面には、むしろ名人が誘い込んだとみられている。

 おやつも局面も、名人が選択権を握っているのか。

◇対局再開

 午後1時半、対局再開の定刻となった。だが、両対局者とも姿を見せない。

 5分ほど経ち、先に現れたのは名人だった。記録係の渡辺愛生三段から「時間になっております」と告げられた名人は、「はい」と短く答え、着座するやいなや△3五飛と挑戦者の歩を取った。一方の挑戦者が現れたのは定刻の9分後。服を整え、あごに手をやって考えはじめた。

◇早くも消費時間に大差

 午後0時半、名人が34手目を考慮中に休憩となった。昼食は両対局者とも、天ざるそば、いなりずし、季節の小鉢。

 局面は、8筋での2度目の歩交換から8五に引いた名人の飛車に、挑戦者が▲7七桂と当てたところ。名人はこの手を見て、休憩まで47分考えた。持ち時間各9時間のうち、消費は挑戦者が29分、名人が2時間41分。早くも大差がついている。序盤の小競り合いで、どう手をつくっていくか。名人が神経を使う局面のようだ。

◇3回目の横歩取りに

 注目の戦型は横歩取りとなった。今期では第1局、第5局に続き3回目。激しい展開になりがちで、いずれも先手は挑戦者だ。

 本局で後手の名人は飛車を8五に引いた。△8五飛型は第1局と同じで、その際は名人の仕掛けに強気に受けた挑戦者が、中盤から持ち味の手厚い指し回しで快勝した。本局では、互いにどんな工夫をみせるか。

◇先手番は挑戦者に、初手は▲7六歩

 羽生善治名人(40)と挑戦者の森内俊之九段(40)が3勝3敗で迎えた第69期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の第7局が21日、甲府市の常磐ホテルで始まった。名人が勝てば防衛が決まり、3連敗からの4連勝は名人戦史上初となる。挑戦者が勝てば4期ぶりの名人返り咲き。永世名人資格者による大一番は2日制で、持ち時間は各9時間。22日夜までに終局する見通し。

 午前8時47分、先に対局室に入ったのは森内九段。薄めの紺の羽織に、グレーのはかま。淡い色が多い森内九段には珍しい。羽生名人は8時56分に入室。こちらは、灰色がかった淡い青の羽織に、濃紺のはかまだ。

 午前9時、立会人の高橋道雄九段が「本局は最終局ですのであらためて振り駒を行います」と切り出した。記録係の渡辺愛生三段が番側に白い布を広げ、「羽生先生の振り歩先です」と告げて振り駒をすると、と金が3枚に。第7局は森内九段の先手番となった。

 森内九段の初手は▲7六歩。対する羽生名人は△3四歩と応じた。▲2六歩、△8四歩、▲2五歩、△8五歩と、横歩取り模様に進んでいる。

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