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< 第22期朝日オープン将棋選手権挑戦者決定戦(決勝)  >
  ▲羽生善治 名人   対   △山崎隆之 五段
  3月19日 東京・将棋会館

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感想戦で対局を振り返る羽生善治ニ冠

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無念の投了となった山崎隆之五段

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終了図・▲2九飛まで

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53手目・▲4九金まで

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26手目・△2三歩まで

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山崎隆之五段

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羽生善治ニ冠

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6手目・△5四歩まで

羽生、五番勝負に名乗り

 第22回朝日オープン将棋選手権(朝日新聞社主催)の挑戦者決定戦(決勝)が19日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で指され、羽生善治名人(33)が山崎隆之五段(23)を83手で破り、深浦康市選手権者への挑戦を決めた。五番勝負第1局は4月7日、長崎県佐世保市のホテル万松楼で指される。

 羽生名人はタイトル戦に70回登場し、うち竜王6期、名人4期など計56期を獲得。現在は名人のほか12連覇中の王座も保持している。朝日オープン選手権の前身の全日本プロトーナメントでは3回優勝している。

 〈羽生名人の話〉 昨年、一昨年と、あと一歩で五番勝負に出られなかったので結果が出せてよかった。深浦さんは充実著しい棋士のひとり。勝負を楽しみにしています。

    ◇    ◇    ◇

感想戦

 本局は山崎の意欲的な序盤作戦が功を奏さなかった。26手目△2三歩では、良くも悪くも△2二銀として、首尾を一貫させるべきであったか。羽生は▲3六歩の予定だったそうだが、それならば後手が2筋から手を作っていける変化も現れて、まだまだこれからだった。

 山崎は▲3四飛と横歩を取られてからは形勢を悲観していた。64手目△5六飛に▲5三歩と打たれた局面まで進んで、約1時間半続けられた感想戦は終わった。


午後4時13分、山崎投了

 79手目、羽生は▲2四歩と打った。寄せの手筋。もし(1)△同歩なら▲4一飛△2二玉▲2三歩△1二玉▲3四角成△5一歩▲4二飛成△同金▲3一銀以下、一手一手の寄りとなる。

 本譜、山崎は(2)△2二玉と上がって形をつくった。以下▲4一角成△3一銀▲2九飛と進んだところで、山崎は駒を投じた。

 終了時刻は午後4時13分。消費時間は羽生2時間17分。山崎2時間23分。

 投了の局面では、後手は馬取りなので何か受けるよりないが、(A)△4四馬は▲2三歩成△同金▲同飛成までの詰みとなる。(B)△2五飛は▲2六飛△同飛▲4四角で王手飛車。(C)△2七飛は▲同飛△同馬▲2五飛で、詰めろ馬取り。後手に適当な手はなく、ここで投了はやむを得ないところだ。


羽生、勝勢

 67手目▲4七角に対して(1)△4六飛▲8三角成△4九飛成と進めるのは、今度は▲5九飛の打ち返しが利く。△4五龍なら▲5二歩成だ。  そこで山崎は(2)△5九飛成▲同金△4七角成と進めるが、これでは望みがない。次の羽生の▲5七飛が、ほぼ決め手となったようだ。▲5二歩成があるので△同馬はこの一手だが、▲同銀で取った形は先手陣にほとんど嫌味がない。一方、後手陣は粘りが利かない形だ。

 山崎が△3七角と打った時点で、残り時間は羽生48分。山崎43分。以下▲4八銀上△2六角成▲5二角△3一玉と進んだところで控え室の検討陣に見解を聞くと、誰もが間髪を入れずに「羽生勝勢」と答えていた。


技の掛け合い

 64手目△5六飛に対して(1)▲4七角は△4六飛▲8三角成△4九飛成▲5九飛△4五龍ではっきり後手が優勢となる。

 先手が困ったかと思われたところで、羽生はすぐに(2)▲5三歩と打った。もし△4六飛ならば▲4四飛(妙手、次に▲3三桂不成で飛車が抜ける)△7六飛▲8四飛(角取り)で、次に▲5二歩成△同玉▲5四歩が残る。「やっぱり完璧だよ」(田中寅彦九段)。

 山崎は△1五歩と辛抱する。満を持して、羽生は▲4七角と決めにいった。


山崎、奇手△5六飛

 55手目、羽生は▲4六歩と突いて気持ちよく角交換を迫った。山崎は△4七歩と辛抱する。以下▲3六歩△9五歩▲3七桂△6二銀▲2六歩△1四歩と進み、まだまだ長い中盤戦が続くかと思われたとき、羽生は▲4五桂と跳ねた。後手は歩切れのため、先手が次に▲5四歩と垂らすと厳しい。

 しかしながら、そう簡単に決まるのだろうか。控え室では田中寅彦九段と先崎八段がすぐに△5六飛の奇手を発見していた。後手が一歩を手に入れ、4五桂を取りきることができれば、これは逆転だ。しばらくして、モニターテレビにも山崎の△5六飛が映る。「えらいことになりましたよ、これは」(先崎八段)。


優勢を意識する羽生

 49手目、羽生が▲3八角と打った後、両者は△7一金▲7九玉△9四歩と、自陣の整備に移った。現状はやはり、羽生よしのようだ。次の▲4九金は右辺を引き締めて、万全の態勢で角交換を挑もうという意味だが、「ジャングルを抜けて安全地帯に入った後は、蚊もこわくなるということですか」(先崎八段)。優勢を意識して慎重すぎるのではないかと、控え室ではあまり評判がよくなかった。

 午後3時頃、山崎が△5三銀引とした時点で、消費時間は羽生1時間48分。山崎1時間55分。


長い戦いに

 39手目、羽生は▲4四飛と王手をする。先手は▲3四飛〜▲4四飛と、横歩を2枚取ったことになる。山崎が△4二銀と上がって受けたのに対し、羽生は▲3九銀と引いた。角成を受けて、何もさせません、という手だ。この瞬間、後手の2七角は動ける場所がない。そこで△5三銀引として、先手の飛の態度を聞いた。

 もし(1)▲8四飛と3枚目の横歩を取れば、△6四歩が好手。後手の2枚の角は、にわかに生き生きとしてくる。

 本譜、羽生は(2)▲2八歩と打った。以下△4四銀▲2七歩と飛角が替わった後、山崎はすぐに△8三飛と打った。ここまで進んでみると、ずいぶんとよりが戻ったようにも見える。羽生はしばらく考えた後、▲同飛成△同角に▲3八角と打って我慢をした。これは長い戦いになりそうだ。


山崎、苦しいか

 32手目、山崎は△2七角と打った。現在の局面はやや山崎が苦しそう。ここから馬を作って、辛抱強く指すよりなさそうだ。山崎は体調が優れないのか、しきりに鼻をかんでいる。羽生は▲5二角成と飛車を取り、△同玉に▲5九金と締まった。

 控え室の継ぎ盤には羽生側に先崎八段、山崎側に森九段が座り、検討をしている。山崎がじっと△4一玉と引いたところで、羽生はしばらく考えていた。

 先崎八段の第一感は(1)▲3六歩。2七角の筋を止めて▲3七桂の筋を作るなど、味のよさそうな手だ。

 本譜、羽生は(2)▲8二飛と打ち込んだ。△7一金と寄っては▲3二飛行成△同銀▲4二金まで。山崎は△7二角と打って辛抱を重ねる。

 時刻はまだ午後2時を過ぎたばかり。山崎にとっては、つらい時間が長く続きそうだ。


羽生、鋭く踏み込む

 27手目、羽生が▲3四飛と横歩を取るのは山崎も十分に予想していたのだろう。すぐに△6四銀と引いた。以下▲4四角△同歩と進んで、この瞬間、後手陣はかなり危ない形となっている。

 ここで(1)▲2二歩と打ったらどうか。以下(A)△同銀▲3二飛成△同飛▲5四角となれば、これは決まっていそうだ。そこで一回(B)△2七角と打ち、▲5四角の筋を防いでおくのだろうか。

 本譜、羽生は(2)▲4三角と打ち込んだ。控え室には勝又清和五段、渡辺明五段、上野裕和四段、千葉幸生四段、比江嶋麻衣子女流2級らが訪れている。検討では、先手よしの変化ばかりが出てくるようだ。


山崎、盤の前を離れず

 昼食休憩中、控え室には多くの棋士や関係者が訪れていた。誰もがまず2手目23分の消費時間に驚き、続いてここまでの展開を見て驚く。屋敷伸之八段は、ここからは後手が押さえ込めるかどうかでしょうか、と語っていた。羽生から王将位を奪ったばかりの森内竜王は、現局面を見てすぐに「▲3四飛とやったらどうするんですか」。

 横歩を取ればおそらく将来飛車を切ることになるが、▲2二歩や▲5三歩の筋があるので、かなり手が作れそうだ。先手は低い陣形なので、飛車の打ち込みには強い。

 昼食休憩中、山崎はずっと盤の前を離れずに考え続けていたようだ。午後1時、再開。羽生はすぐに▲3四飛とした。


昼食休憩

 山崎が正午頃に△2三歩と指した後、羽生は時間を入れて昼食休憩に入った。ここまでの消費時間は羽生37分。山崎1時間18分。

 昼食休憩に入る定刻の午後0時10分を過ぎても、山崎は盤の前を離れない。小さく舌打ちをしたり、小声で何かをつぶやきながら、読みに没頭していた。


手堅く応じる羽生

 18手目、山崎は△5二飛と中央に回る。いかにも勢いのある若手らしい、奔放さが感じられるではないか。

 控え室には、先崎学八段と千葉幸生四段が訪れている。千葉四段は20手目、山崎の△4四角を見て驚きの声をあげていた。山崎の指し方は積極的という以上に、挑発的でもある。

 羽生は▲6八銀と引いて、居角のラインを通す。この場合の形であり、山崎とは対照的に、オーソドックスで手堅い方針だ。以下△3二金▲2四歩△同歩▲同飛の局面で、山崎はしばらく考えていた。

 突っ張り通すのであれば(1)△2二銀と上がるところだろうか。しかし後手陣はこの瞬間がこわい。たとえば▲5六歩△同銀▲4四角△同歩▲5三歩△同飛▲8二角とカウンターを狙われる可能性もある。

 本譜、山崎は(2)△2三歩と無難に収めた。


山崎、中央から動く

 12手目、山崎は△6四銀と上がった。「どういう戦形でも、山崎さんは中央から動くのが好きみたいですね」とある棋士。羽生が▲6九玉と寄ったのに対し、山崎は積極的に△5五歩▲同歩△同銀と動いていった。

 山崎は今週16日(火)に最終戦がおこなわれたC級2組順位戦で8勝2敗の好成績をあげ、ライバルが敗れたこともあって、逆転で昇級を決めた。先週12日(金)には王位戦リーグで、現在絶好調の森内竜王にも勝っている。この勢いで、一気に大舞台に駆け上がりたいところだ。


変わった出だし

 羽生は3手目、▲6八銀と上がる。ここで後手が△3四歩と角道を開ければ、よくある矢倉模様の出だしだ。ところが山崎は△6二銀と上がった。以下▲5六歩△5四歩▲4八銀△5三銀と進んで、これは力戦形の立ち上がりである。

 控え室を訪れたある棋士は、後手の山崎の指し方を見て、「角落上手みたいだね」と評していた。


対局開始、先手は羽生二冠

 19日、第22回朝日オープン将棋選手権挑戦者決定戦(決勝)の羽生善治二冠―山崎隆之五段戦が、東京・千駄ケ谷の将棋会館で始まった。

 まず将棋会館に姿を見せたのは山崎五段。風邪気味なのかマスクをつけ、少しせきこんでいた。続いて午前9時50分頃、関係者に「おはようございます」とあいさつをしながら、羽生二冠が現れる。特別対局室の上座に羽生、下座に山崎が座り、両者は駒を並べ終えた。記録係の天野貴元三段(18歳、石田和雄九段門下)が振り駒をし、歩が3枚出て、先手は羽生に決まった。

 定刻午前10時、対局開始。羽生の初手は、▲7六歩。対して山崎は、なかなか指さない。消費時間23分。山崎の2手目は、△8四歩だった。

 本戦トーナメントでは、羽生二冠は窪田義行五段、松尾歩五段、森内俊之竜王、郷田真隆九段に勝って決勝に進出。一方の山崎五段は、畠山成幸七段、内藤國雄九段、鈴木大介八段、三浦弘行八段を破った。

 勝者は、深浦康市選手権者に五番勝負を挑むことになる。五番勝負第1局は、4月7日午前10時より長崎県・佐世保市で指される。

(2004/03/19)

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