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< 第23期朝日オープン将棋選手権 決勝 >

  ▲山崎隆之 六段   対   △深浦康市 八段
  3月14日 東京・将棋会館

別ウインドウで開きます指し手再現 | 使い方

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五番勝負進出を決めた山崎六段

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敗れた深浦八段

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深浦八段の昼食は日替わりランチ

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初手を指す山崎六段

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2手目を指す深浦八段


山崎、逆転で難敵下す

 午後6時17分、149手目▲7四銀を見て深浦は投了した。残り時間は、両者ともに1分。終了図以下、後手玉は容易な即詰みとなる。

 山崎は逆転で難敵を下した。


山崎六段が挑戦権獲得

 羽生善治選手権者への挑戦権を争う第23回朝日オープン将棋選手権の決勝、山崎隆之六段―深浦康市八段戦は14日、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で指され、山崎隆之六段が149手で勝ち、羽生選手権者への挑戦権を得た。五番勝負第1局は4月7日、名古屋市中区の名古屋東急ホテルで午前10時から指される。

 山崎六段は前年、決勝で羽生・現選手権者に敗れており、五番勝負の大舞台で前回の雪辱を狙う。


大熱戦

 劣勢の山崎が一気に追い込み、白熱の終盤戦となった。119手目▲4八飛は狙いすました勝負手。挑戦者決定戦にふさわしい、大熱戦である。

 121手目▲5四歩の時点で、残り時間は山崎1分。深浦5分。


追い上げる山崎

 劣勢の山崎は、▲6六桂〜▲6四桂〜▲7四桂打と持ち駒の桂をすべて打ちつけ、必死に追い上げる。相当な迫力だ。ある検討者は「先手の桂馬の利きを確認するだけで酔いそうです」。

 局面は依然深浦リード。しかしきわどい終盤戦になったことは間違いない。


山崎、残り1分

 山崎陣を切り裂く鮮やかな深浦の攻めが決まり、局面ははっきり深浦優勢である。

 山崎は残り9分のうち6分を割いて、▲6五桂と跳ねる。△同桂▲同歩△8八とにさらに2分を使い、ついに一分将棋に追い込まれた。

 対して深浦は、まだ19分を残している。


深浦、優勢を築く

 95手目、山崎は▲5八玉と早逃げする。控え室では「あっ」という声。深浦は文字通りノータイムで△8七桂成と成り込んだ。

 控え室には、継ぎ盤が2面用意されている。若手中心の側からは「深浦流の光速ドリブル炸裂」。ベテラン中心の側からは、「先手はノーアウト2、3塁のピンチ」との声。表現は違えど、深浦が大きくポイントをあげたという点では一致している。

 さらに▲8七同飛△8六歩▲8九飛△8七歩成と進み、検討陣の声は「深浦優勢」で一致した。


スクラム合戦

 深浦は19分考えて△7四角と合わせ、▲同角に△同銀と進出した。

 この時点で残り時間は山崎15分。深浦36分。

 山崎が▲5六角と打ちかえたのに対して、深浦は△6五歩と突く。両軍の主力が、玉頭でスクラムを組んでいるようである。

 山崎が▲6八玉と早逃げした局面で、控え室の評判は「深浦さんがうまく手を作りましたね」。しかし調べてみると、まだまだ大変のようだ。深浦陣は玉が薄く、裏をつかれると一気に攻略されるおそれもある。

 時計の針が午後5時を回る頃、深浦は△8五歩と突いた。


難解な形勢

 控え室で「一目は無理」と思われた深浦の△9五桂は、調べてみると相当な手ということがわかってきた。

 87手目、山崎は▲9六角と受ける。ひねった受け。継ぎ盤の検討は一気に熱を帯びてきた。難解な形勢だ。

 検討陣が示した変化の一例は△7六歩▲同銀△9四角▲8五歩△7五歩▲6七銀△8五歩。これは先手が忙しそう。急所は7五の地点で、ここをどちらが押さえるかがポイントである。

 16時半を過ぎた。まだ持ち時間に余裕のある深浦は、腰を落として考えている。


深浦、勝負手を放つ

 85手目、山崎は検討通り▲6七銀と受けた。

 深浦は一度攻め始めたからには、ぐずぐずとはしていられない。

 控え室で検討された変化の一例は、(1)△5六歩▲同金△7六歩▲同銀に△7四銀と前に出る手。しかし▲5七金と落ち着かれ、以下△7五銀▲同銀△同桂には▲7六銀と丁寧に受けられそう。先手が攻めきるのは大変だ。

 本譜、深浦は(2)△9五桂と跳ね出した。意表の逆モーション。控え室ではどよめきが起こる。

(A)▲9五同香ならば△7六歩▲同銀△9八角という筋がある。

 また(B)▲7五歩ならば、△8七角の打ち込みが狙いである。

 深浦、渾身の勝負手。しかし控え室の検討陣によれば、「一目は無理」とのことだった。


深浦、意表の指し回し

 77手目、山崎が▲8九飛と回ったのは、味のいい手。

 対して深浦も同様に△8一飛と回った手はどうか。控え室では驚きの声が上がった。

 山崎は▲4六銀と立つ。先手陣は自然に駒が前へと伸びてきた。

 そして深浦の△7一玉にはまた驚きの声。「この人(深浦玉)の永住の地はどこなんですかね」。控え室では検討陣が首をひねっている。

 81手目、▲5五歩の時点である若手棋士に見解を問うと、「僕だったら先手を持ちたいです」。先手陣は玉が堅く、5五の位が大きい。ただしこれは好みの問題らしく、まだ優劣を判定する段階ではないようだ。


山崎、残り1時間

 67手目、山崎は控え室予想の▲4五桂ではなく、▲2九飛を選んだ。以下は△3七桂成▲同金△2五歩と進む。

 残り時間は山崎54分。深浦1時間28分。

 山崎は1時間を切っているため、盤側には60から1までの数字が書かれた紙が置かれている。1分を使うたびに、記録係によってひとつずつ斜線が引かれていく。残り時間をビジュアルで把握するための手段だ。

 控え室の検討陣の予想は(1)▲3八金。以下△5三銀▲7七桂△2六歩ならば▲2八歩と謝り、△6二銀には▲8九飛と転換するのが変化の一例。これはいい勝負か。

 本譜、山崎は鋭く(2)▲4五歩と突き出した。△同銀ならば▲2二歩△同飛▲3一角の筋がある。深浦は△5三銀と引き上げた。このあたりの押したり引いたりの中盤戦は、将棋の醍醐味の一つ。そして各自の実力が発揮される場面でもある。

 15時を過ぎ、控え室の人口密度が次第に高くなってきた。


勢いのある山崎

 山崎の今期成績は39勝10敗(勝率0.796)。全棋士中、対局数4位、勝数3位、勝率2位という好記録である。昨年の本棋戦決勝、および今期王位戦挑戦者決定戦では羽生に敗れて大舞台への登場を阻まれたが、NHK杯戦では決勝に進出し、再び羽生と雌雄を決することとなった。決勝の模様は、20日に放映される。

 しかしながら、順位戦では深浦と同様に苦い結末を迎えた。C級1組最終10回戦で小林裕士五段に敗れ、8勝2敗の好成績ながら順位下位のため、昇級を逃してしまったのだ。体調がすぐれないとはいえ、本局にかける意気込みは深浦に劣らないものがあろう。

 62手目、深浦が△2六歩と伸ばしていよいよ戦いが始まった。以下▲2五歩△同桂▲2六飛△2四歩と進んだ局面で、山崎が考えている。

 「勢い重視の山崎流ならこうですかね」。継ぎ盤の前で上野裕和四段は、▲4五桂という手を示していた。


覇気あふれる深浦

 深浦はここまで阿久津主税五段、渡辺明竜王、鈴木大介八段、三浦弘行八段を破っての決勝進出。昨年の五番勝負で苦杯を喫した羽生へのリターンマッチまで、あと1勝と迫ったところである。

 今期の成績は26勝22敗(勝率0.542)。特に悪いというわけでもないが、棋界屈指の7割近い生涯勝率を考えれば、深浦ファンにとっては少し不満が残るであろう。

 何よりも先日おこなわれたA級順位戦最終局において、羽生に敗れたのは痛かった。深浦は4勝5敗という指し分けに近い成績ながら順位が悪いため、1期でA級を去ることとなってしまった。一方の羽生は7勝2敗で名人挑戦権を獲得。深浦の行く手には、いつも羽生が待ち構えている。

 14時を過ぎた。現在は山崎が59手目▲6八銀と引いたところまで。戦いが始まるのは、まだ先のようである。

 記者が対局室に棋譜を取りにいくと、花粉症で体調がすぐれず苦しげな山崎とは対照的に、深浦の表情は覇気に満ちあふれているように見えた。


両者、慎重な駒運び

 深浦と山崎は2000年10月、新人王戦準決勝で対戦している。当時深浦は六段、山崎は四段で、結果は山崎の勝ちだった。山崎は決勝三番勝負で北浜健介現七段を破り、優勝を飾っている。各棋戦で勝ち続けている深浦と山崎であるが、東西にわかれているため、意外なことに対戦はその1度しかない。

 山崎は昼食休憩をはさんで49分考え、▲9五歩と端を突き越した。深浦は△7二金と上がって玉形を整える。依然駒組の段階。両者とも、慎重な駒運びである。

 55手目▲6六歩の局面を見て小野修一八段は、「どちらも動きにくいですね」。

 後手はどこかで(1)△2六歩を決行したいが、▲2五歩△同桂▲2六飛△2四歩に▲4五桂と跳ね違われる可能性もある。

 深浦はじっと、(2)△1四歩と突いた。


午後1時、再開

 昼食休憩時、中飛車に詳しい記録係の戸辺三段に解説をしてもらった。

 先手が2筋、後手が5筋の歩を互いに交換しあう本局の進行は、すでに研究会では指されているという。ある高段者の見解は、後手がスムーズに2筋からの逆襲に移れるので十分ではないか、というものだった。

 35手目(1)▲2五歩に対しては△同桂も考えられる。▲同飛ならば△1四角だ。この変化を嫌うのであれば、先に(2)▲3六歩と突き、△2四歩▲3七桂△2五歩と進めば同じことになるのか。このあたり、両者はほとんど時間を使っていない。

 深浦が△7二銀型の美濃囲いではなく△6二銀型に組んだのは、▲7五歩〜▲7四歩の攻めを緩和している意味がある。ただしこのラインの攻めはいつでも要注意。現局面(46手目△8二玉)でも▲4五歩△同桂▲同桂△同銀▲2二歩(△同飛は▲7四桂△同歩▲5五角で王手飛車)という筋が気になる。以下は△5一飛▲2五飛△5六歩と進んでどうか。

 午後1時、対局再開。山崎は依然として考え続けている。


昼食休憩

 本局は序盤で駆け引きがあったあと、定跡形を離れた中盤戦となっている。46手目、深浦が△8二玉と寄った局面で山崎は36分を使って、そのまま昼食休憩に入った。

 持ち時間3時間のうち、ここまでの消費時間は山崎52分。深浦46分。

 12時10分、昼食休憩の定刻となった後も、山崎は盤の前を離れずにしばらく考えていた。口にはマスクをしている。盤から離れた後に質問をしてみると、やはり花粉症とのことであった。「目がかゆいです」と言って、山崎は苦笑していた。


山崎、2年連続の決勝戦進出

 居飛車党の深浦が中飛車に振ってきたのに対して、山崎はさして動揺した風でもなく、ノータイムで▲2二角成△同銀と角を換え、▲7八銀と立った。有力な中飛車対策のひとつである。

 山崎はここまで村山慈明四段、藤井猛九段、佐藤康光棋聖、谷川浩司九段を破って決勝に勝ち上がってきた。山崎が24歳の新鋭だからといって、2年連続の挑戦者決定戦進出に驚いている関係者はもういないだろう。それほど認められた存在なのだ。

 山崎は風邪を引いているのか、それとも花粉症なのか、朝からしきりに鼻をかんでいる。昨年の決勝で羽生名人(当時)と対戦したときも、やはり同じように調子が悪そうだった。

 昼食の注文は、深浦は近所の喫茶店「さと」の日替わりランチ。一方山崎は食事の注文はなく、代わりにティッシュを頼んでいた。


深浦は中飛車の作戦

 羽生善治選手権者への挑戦権を獲得するのは、リターンマッチを目指す前選手権者の深浦か。それとも関西の大器山崎か。今期朝日オープン決勝も、将棋ファン注目の組み合わせとなった。

 先に対局室に入り、上座に座ったのは深浦。続いて山崎が現れ、下座に座る。両者駒を並べ終えた後、記録係の戸辺誠三段(18歳、加瀬純一六段門下)が「振り駒です」と告げ、深浦側の歩を5枚取り、何度もよく振った後、畳の上に大きく放る。結果は「と金が4枚です」。先手は山崎と決まった。

 山崎▲2六歩、深浦△3四歩の後は、▲2六歩△3四歩▲7六歩△5四歩▲2五歩△5二飛と進む。作戦家の深浦は事前に十二分に研究をしていたのだろう。この大一番で意表の「ごきげん中飛車」をぶつけてきた。


先手は山崎隆之六段

 第23回朝日オープン将棋選手権・挑戦者決定戦(決勝)、深浦康市八段−山崎隆之六段戦が14日午前10時、東京都内の将棋会館で始まった。振り駒で先手番は山崎六段と決まった。

 山崎六段の初手は▲2六歩。対して深浦八段は△3四歩と応じた。

2005年03月14日

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