予選8組の決勝、本戦入りを決める大事な一番だ。中村八段は伊藤果七段と松本佳介五段に勝ち、新鋭橋本四段は豊川孝弘六段、森けい二九段の両先輩を撃破した。
東京の将棋会館。電車の事故で少し遅刻した橋本は、上着を脱いで着席した。派手な茶髪で知られるが、今日は短く整えていて目立たない。
振り駒で先手になった中村、研究して来たとみえて、珍しくも角道を止めない向かい飛車の採用である。いきなり急戦が始まるかも知れない。
温故知新で、近年は力戦中飛車、石田流、引き飛車棒銀など古い戦法が次々に復活している。
研究家の橋本は図で△4二玉とした。中村が▲8六歩なら急戦で、△7七角成▲同銀△8六歩▲同銀が想定されるが、着手は▲4八玉だった。
解説の小野修一八段に聞く。「▲8六歩には△同歩▲同角△3二玉▲8三歩△8八角成の激しい変化もあるが、▲8二歩成△同銀▲8五飛△8三飛▲同飛成△同銀▲8二飛で先手が指せる」
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