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第24回朝日オープン将棋選手権 決勝

 【3月10日 東京・将棋会館】  ▲郷田真隆九段  対  △藤井猛九段

別ウインドウで開きます指し手再現 | 使い方組み合わせ

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内藤九段とは親友と語る米長邦雄永世棋聖

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羽生選手権者への挑戦権を獲得した藤井九段

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郷田九段は無念の敗戦

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勝利した藤井九段(右)と、郷田九段

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終局も近くなり、盤面を映すモニタの前で意見を交換する検討陣

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控え室で検討する片上四段(左)と糸谷新四段

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藤井九段が△4五歩と突いた局面で昼食休憩

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藤井九段の昼食は鴨せいろそば

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いよいよ決勝の大一番が始まった。郷田九段(左)と藤井九段

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初手▲7六歩を指す郷田九段

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藤井九段の2手目は△3四歩

藤井九段が抱負「全力でがんばりたい」

 25手目、郷田が▲5五歩と位を取ったのは事前に決めてきた作戦。一昔前に流行った形なので、藤井は予想できなかったそうだ。

 藤井が2筋を受けずに4二飛の形でがんばっているので、郷田は▲2四歩からの大決戦を前提とした組み立てをした。このあたり、郷田の棋風であろう。ただし▲7七桂と跳ねている形だけに、本譜のように端を攻められたときに薄さが目立った。

 郷田は終局直後、51手目▲8七銀を「受けすぎ」として悔やんだ。ここは▲7五歩、あるいは▲4一角として勝負に出るべき。感想戦で長く検討された結果、▲8七銀が敗着と結論づけられた。

 60手目△5七歩成は△5二歩を用意した攻防手。郷田は「決め手」と断じた。

 66手目△3五角は▲3六歩をうっかりしたわけではなく、▲6二金△同銀を強制した手。単に△4四角と打つのは、▲2一飛成のときに△6七とが詰めろにならない。

 局後のインタビューで藤井は郷田との分の悪さについて聞かれ、「今日はあまり勝てる気がしなかったです。あまり期待しないで来ました」と苦笑していた。藤井は本棋戦では2回戦で敗れることが多かった。今期はその2回戦で強敵の渡辺竜王を破り、元気が出たという。

 藤井は1996年度、本棋戦の前身である全日本プロトーナメントで決勝五番勝負に進出した。結果は屋敷伸之現九段に3連敗で敗退。「若い、まだまだの時代でした」(藤井)

 羽生選手権者との対戦について聞かれると「もう何連敗してるかも覚えてないです(実際には8連敗中)。しかしこういう機会なので、全力でがんばりたい」と答えていた。戦形は羽生の出方次第。最近は藤井の振り飛車に対して、羽生は相振り飛車で臨むことが多い。

 テレビのインタビューが終わった後、神妙な表情の藤井にインタビュアーが「なんだか元気がないですね」と声をかける。すると藤井は「(五番勝負で)負けるのがわかってるからね」と答えて、取材陣一同を笑わせていた。これはもちろん本心ではないはず。全国の振り飛車党は藤井が大舞台で宿敵羽生を破るシーンを、心待ちにしていることだろう。

(20:00)

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米長永世棋聖が講演、合同大盤解説会も

 対局が行われた東京・千駄ケ谷の将棋会館では、午後6時半から大盤解説会が開かれた。同会館の別室で指されている第64期B級2組順位戦と合同の特別解説会だ。B級2組順位戦では、ベテランの内藤國雄九段と田中寅彦九段の対戦が注目を集めた。内藤九段が勝てば、66歳で史上最年長での昇級を達成する。

 解説会の前に開かれた講演会で、米長邦雄永世棋聖は、内藤九段の強さについて「勝とうとして指さず、教わろうという気持ちで一局一局を丁寧に指すところにあるのではないか」と語った。

(19:10)

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88手までで藤井九段が勝利 五番勝負に進出

 80手目△9九角が鮮やかな決め手。▲同玉ならば△7九金▲2九歩△8九金打▲9八玉△7八金で必至となる。

 郷田は形をつくった後、88手目△9九銀を見て投了した。▲同玉ならば△7八金以下の詰みとなる。

 終了時刻は午後5時34分。残り時間は郷田1分。藤井6分。

 勝った藤井は、羽生選手権者への挑戦権を獲得。五番勝負進出を決めた。

(17:45)

*   *   *

藤井、勝勢に

 74手目△6九銀は「藤井先生らしい手ですね」(中村太地四段)。

 (1)▲6八金ならば△5六桂▲同金△6七香▲同金△9九角▲同玉△7八銀成と進めて、後手の勝ちか。

 本譜、郷田は(2)▲6八金打として粘った。藤井は△7八銀成▲同金とはがした後、確実に△6九金と打つ。どうやら再び、藤井勝勢がはっきりしてきたようである。

(17:31)

*   *   *

藤井よしだが……

 69手目▲3六歩を見て、藤井の手が止まる。しばらくして、モニターテレビに△4四角が映った。ここで逃げるのならば、単に△4四角と打った方が得ではないのか。

 中村太地新四段の見解によると、形勢はまだ藤井よし。振り飛車党の中村四段にとっては、藤井は憧れの存在だそうだ。

 郷田は▲2六角と飛び出し、取られるのを待つばかりだった角を使うことができた。△同角に▲5七金と、と金を払い、まだまだ勝負は終わらない。

(17:22)

*   *   *

あやしい流れ

 66手目、藤井は5分考えて△3五角と打つ。検討陣からは「ええっ?!」という声。まさか▲6二金△同銀のあと、▲3六歩と突かれる手をうっかりしたということはないのか?

 まだ藤井よしであろうが、流れは少しずつおかしくなっているようだ。

 69手目▲3六歩の時点で、残り時間は郷田7分。藤井18分。

(17:10)

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「△6二金」は危ない?!

 60手目、△5九同竜と角を取らずに△5七歩成はしゃれた手。▲同金ならば、そこで△5九竜が早くなる。

 郷田は▲6一馬△同銀と切って捨て、▲2二飛と王手をした。後手はどう受けるか。△7二銀打と入れておけば安全そうなところ、藤井はあえて△6二金と引いた。検討陣からは「え、危なくないの?」の声が上がった。しかし藤井がこう指す以上、当然ながら勝ちを読みきっているのだろう。

(17:00)

*   *   *

終局近しか

 55手目、藤井は9分考えて△5五歩と突いた。これで勝ちならば明快だ。控え室は終局近しの雰囲気である。

 60手目△5七歩成の時点で、残り時間は郷田20分。藤井27分。

(16:42)

*   *   *

終盤戦

 郷田はまず▲5四歩△同歩の突き捨てを入れた。歩を渡したくないところだけに、意外である。こう指した以上は▲5三歩△5一香と進行するかと思われたが、郷田はそこで▲9五歩と伸ばした。意表をつく手順が続く。評判はやはり藤井よしだ。

(16:31)

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藤井優勢

 51手目▲8七銀に郷田は24分を使っている。

 対して藤井は10分考えて△5九飛と下ろした。厳しい二枚飛車である。先手は角を渡すと、△9九角の一発で参る。ただし角を渡さずに攻める手段は難しそうだ。また何もしなければ、△5七桂〜△6九桂成の攻めが早い。どうやら形勢は、藤井に傾いているようだ。

 残り時間は郷田34分。藤井41分。

(16:12)

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辛抱する郷田

 羽生選手権者との対戦成績は、郷田は15勝32敗。藤井は13勝22敗。

 羽生選手権者との番勝負での対戦は、郷田は2001年度棋聖戦五番勝負以来。藤井は同年度竜王戦七番勝負以来となる。

 午後4時前、局面は50手目△1九龍で止まっていた。継ぎ盤の前に座っているのは、郷田側に片上大輔四段。藤井側に糸谷四段。両者は前回羽生選手権者に挑戦した山崎隆之六段とともに、森信雄六段門下、広島県出身という共通点がある。

 片上四段は「持ち歩の差でこちら(郷田側)がいいと思っていたのですが、動かしてみると何度も負かされます」と苦笑していた。▲4一角、▲6五歩、▲7五歩などと攻めてみるが、先手陣はかなり薄く、二枚飛車で攻め合いに来られるとどうもうまくいかない。

 本譜、郷田はじっと▲8七銀と埋めて辛抱した。

(15:59)

*   *   *

糸谷新四段の見解

 43手目▲4三馬のあと、藤井は手を止め、少し考えていた。

 控え室には昨日昇段をはたしたばかりの、糸谷(いとだに)哲郎新四段が訪れている。糸谷四段の棋士番号は260。まだ17歳の高校2年生である。

 年間4人ペースで新四段が誕生する将棋界。郷田、藤井がプロとしてデビューしたあと、すでに60人以上の棋士が誕生している。

 糸谷哲郎新四段によると、まず考えられる手は(1)△2九龍。以下▲4一角ならば△6二金上▲7五歩△8五桂打が変化の一例。「僕は振り飛車持ちですね」(糸谷四段)。先手陣は5六銀が上ずっているのがマイナスポイントだ。

 本譜、藤井は(2)△9六歩と突いた。以下▲同歩△9七歩▲同香と味をつけてから、△2九龍。狙いはやはり△8五桂打である。

 郷田は1分考えて、▲8六歩と突いた。

 残り時間は郷田58分。藤井1時間3分。

(15:31)

*   *   *

郷田、決断の仕掛け

 今年度に入って、両者は6回対戦している。成績は郷田4勝。藤井2勝。日本シリーズ決勝では藤井が55手の短手数で勝って、優勝を決めている。

 藤井の精緻な序盤戦術に対して、郷田は常に逃げることなく、真っ向から力勝負を挑む。37手目、郷田は気合鋭く▲2四歩と仕掛けた。控え室では「おお、いったよ」の声。以下はあっという間に大さばきとなった。

 43手目▲4三馬まで進み、駒割は飛と角銀の2枚換えで先手の駒得。ただし後手からの二枚飛車の攻めも相当な迫力である。成算なくしては、飛び込めない変化だ。

 時刻はそろそろ午後3時。控え室の検討は、にわかに活発になってきた。

(15:00)

*   *   *

互いに長考

 郷田は35手目▲7七桂の一手に、昼食休憩をはさんで53分を使っている。持ち時間各3時間の本棋戦では、かなりの長考の部類に入る。この次、藤井の候補手は△5四歩などか。

 控え室には順位戦対局中の棋士が、入れ替わりで本局の様子を眺めに来る。しかし手が進まないので、検討ではなくしばし雑談。田中寅彦九段は、かつてA級順位戦で午前中に終わってしまった記録を取ったときの話をした。1974年8月の大山−塚田戦で、塚田正夫九段はあっさりと土俵を割ってしまった。升田幸三九段が「これが名人にまでなった男の将棋か」とまくしたてたのに対して、塚田九段はジロリとにらんで「君にだけは負けないからね」。昔の棋士の迫力は、おそろしいばかりのものであった。

 藤井は黙々と考え続けている。やがて1時間2分を使ったところで、じっと△6三金と上がった。

 残り時間は郷田1時間23分。藤井1時間26分。

(14:41)

*   *   *

一流棋士の系譜

 本日東京の将棋会館では、B級2組最終戦もおこなわれている。いちばんの注目は66歳の内藤國雄九段が昇級できるかどうか。内藤九段は華のある一流棋士として、常に多くのファンを魅了してきた。

 対する田中寅彦九段は、和服の正装。相手にとって重要な一番で全力を尽くして勝ちにいくのが、将棋界の美風である。田中九段の和服は、かつて棋聖位を保持していたときに五番勝負で着用したもの。帯は故・芹沢博文九段の形見だそうだ。

 午後1時、対局再開。控え室を訪れた深浦康市八段はモニターテレビを見て、「かつての谷川−藤井戦を彷彿とさせますね」。藤井が「完全戦法」藤井システムとともにスターとなっていく過程は、それほどセンセーショナルなものだった。

 34手目△4五歩のあと、郷田は長い間考えていた。

 ▲渡辺明四段−△千葉幸生四段戦(2002年度C級2組1回戦、段位はいずれも当時)では、(1)▲3六歩が指されている。この手に対しては△4四銀ではなく、すぐに△5四歩と突くのが機敏。▲5四同歩は後手の角筋が通って先手陣は支えるのが困難となる。実戦は▲2四歩△同歩▲同角△2二飛▲2五歩△6三金と進んだが、これは振り飛車十分のわかれだった。

 棋譜を見た千葉現五段は、「もう4年前になるんですか。懐かしいですね」。千葉、渡辺はその後C級1組に昇級。渡辺はかつての藤井のように竜王位を獲得して一気にトップ棋士の仲間入りをはたし、今年度はB級2組昇級も決めた。

 本局では、郷田は(2)▲7七桂と跳ねた。穴熊はもう間に合わないので、後手からの角のにらみを緩和したのだ。

 郷田の手を見て、今度は藤井が熟慮をはじめた。

(13:56)

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対局再開

 郷田九段―藤井九段戦は午後1時に昼食休憩を終え、対局が再開された。再開後の郷田九段の35手目は▲7七桂。

(13:41)

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昼食休憩に

 25手目▲5五歩に対する後手の応手は、前例では2通り。

 ▲谷川−△藤井戦(1998年竜王戦第1局)では、藤井は(1)△4五歩と角筋を通し、▲5六銀△4四銀と進めている。ただし角は2筋の守りをになっているので、△5五銀▲同銀△同角はなかなか実現しない。

 ▲谷川−△羽生戦(2001年王将戦第3局)では、羽生は(2)△5二飛と寄り、▲5六銀△5四歩と反発していった。

 本局、藤井は9分で(3)△5二金左。以下は囲い合いとなった。

 34手目△4五歩のあと、郷田が35分を使って昼食休憩に入った。消費時間の通計は郷田1時間19分。藤井32分。

 昼食の注文は、郷田はなし。藤井は鴨せいろそば。

(12:43)

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藤井システムVS5筋位取り

 6手目、藤井は2分を使って、△4二飛と振った。

 これまでの対戦成績は、郷田14勝。藤井7勝。千日手局1局を含め、これまで全22局とも、藤井の作戦は四間飛車であった。持久戦調の郷田に対して、本家藤井システムの構えを見せる。

 25手目、郷田はしばらく考えて▲5五歩と突いた。1998年10月、竜王戦七番勝負第1局▲谷川浩司竜王−△藤井猛七段戦(肩書はいずれも当時)でも現れた形。藤井は先勝したあと4連勝で竜王位を獲得し、一気にスターダムに上り詰めた。

(11:40)

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同学年同士の対決

 本局は東京・将棋会館4階の特別対局室にて指される。

 定刻の午前10時前、藤井は先に入室し、下座に着いた。藤井の棋士番号は198。郷田は195。郷田は1990年4月、藤井は1991年4月に四段に上がった。両者は同学年ながら、プロになったのは郷田が1年早かった。

 朝日オープン選手権者として挑戦を受ける立場の羽生も同学年。棋士番号175の羽生が四段に上がったのは1985年12月、まだ15歳のときだった。

 郷田は定刻ぎりぎりに対局室に到着し、上座に座る。両者駒を並べ終えた後、記録係の阿武晃樹3級(16歳、中座真五段門下)が振り駒。「歩」が3枚、「と」が2枚出て、郷田の先手と決まった。

 郷田の初手は▲7六歩。藤井の2手目は△3四歩だった。

(10:37)

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挑戦者決定戦始まる

 第24回朝日オープン将棋選手権(朝日新聞社主催)の挑戦者決定戦(決勝)が10日午前10時から、東京・千駄ケ谷の将棋会館で始まった。本戦トーナメントの激戦を勝ち上がった郷田真隆九段と藤井猛九段が対決。振り駒の結果、先手は郷田九段となった。持ち時間は各3時間。

 勝者は、4月から始まる羽生善治選手権者との五番勝負に臨む。

(10:07)

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