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急戦で四間飛車破り 朝日オープン将棋五番勝負を振り返る


五番勝負 速報詳細
【第1局】 羽生選手権者が先勝
【第2局】 藤井九段が勝ち1勝1敗に
【第3局】 羽生選手権者が2勝目
【第4局】 羽生選手権者が3連覇
五番勝負 棋譜再生一覧
羽生善治選手権者―藤井猛九段
▲羽生善治選手権者 別ウインドウで開きます第1局 △藤井猛九段
▲藤井猛九段 別ウインドウで開きます第2局 △羽生善治選手権者
▲羽生善治選手権者 別ウインドウで開きます第3局 △藤井猛九段
▲藤井猛九段 別ウインドウで開きます第4局 △羽生善治選手権者
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3連覇を決めて感想戦に挑む羽生善治選手権者=5月15日、静岡県伊豆市で

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A図第1局・△3三角まで

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B図第2局・▲4五歩まで

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C図第3局・▲9七同角まで

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D図第4局・△4四角まで

 羽生善治選手権者(35)に藤井猛九段(35)が挑戦していた第24回朝日オープン将棋選手権五番勝負(朝日新聞社主催)は、羽生選手権者が3勝1敗で2度目の防衛を果たして閉幕した。藤井九段の四間飛車に対し、羽生選手権者は4局とも急戦を仕掛け、競り勝った。その戦いを振り返る。(村上耕司)

■第1局 銀捨てで優位

 第1局は羽生が育った東京都八王子市で指された。振り駒で先手は羽生に。03年の本戦1回戦から数えて9回連続先手を引き当てた。改めて強運を感じさせる。

 藤井は予定通り「四間飛車藤井システム」を採用。羽生は▲3五歩から早仕掛けを決行するも終盤の分かれは藤井ペースとなった。

 明暗を分けたのはA図の局面。藤井が4二の角を3三に上がったところだ。ここで羽生は▲5五銀。以下△同歩▲3四歩△4四角▲7二成香△同金▲6一銀と進み、1三の馬がよく利いていて、羽生が優位を築いた。A図の△3三角では、△6八と▲同金としてから△3三角なら、むしろ藤井の方が有望だった。

■第2局 「引き角」が不発

 第2局は仙台市で。藤井が先手だ。後手の羽生が勝率のいい「相振り飛車」に誘導するか注目されたが、意表を突く「引き角戦法」だった。

 羽生は「初めからやる予定でした」。藤井はさほど驚いた様子も見せず穴熊に囲う。

 B図は▲4五歩と突いたところだ。以下△同歩▲同銀△4四歩▲3六銀△3二金▲5六歩△6二角▲5七角と進み、先手の作戦勝ちとなった。

 羽生は「△4五同歩が敗着に近い。▲3六銀と引かれると思っていなかった。引かれて、ことの重大さに気付いた。ここでは四分六で悪い」と振り返る。△4五同歩でなく△3二金▲4四歩△同角とすれば、これからだった。この後、着実に差を広げた藤井が貴重な1勝を挙げた。

■第3局 短手数で快勝

 第3局の舞台は大阪。先手の羽生はまたも急戦を仕掛けた。これに対し藤井は左銀を繰り出し、玉頭に迫る。C図は△9七歩と香車の頭をたたいた手に▲同角とした局面だ。ここでの羽生の読み筋は、△9五香▲7六歩△9七香成▲同香△3三角打▲2三飛成△8八角成▲6九玉△9六歩▲同香△8七馬▲5九玉△9六馬▲9七香△8六馬。「そんなに簡単じゃないと思っていました」と羽生。しかし藤井は△3六歩▲2五桂を交換して△9五香と走った。これだと羽生読み筋の△3角打が、2五の桂が利いているために実現しない。 以下10手余りで藤井が投了。総手数は63手だった。

■第4局 定跡を覆して

 第4局は静岡県伊豆市。やはり羽生の採った作戦は急戦だった。藤井も経験がある形で、昨年10月に丸山忠久九段と戦った日本シリーズ準決勝と46手目までは同じ局面。

 プロ間では「振り飛車がよし」と言われる中盤の分かれとなったが、羽生は先手陣の端に手をつけ、「指せる」と見ていた。形勢互角の戦いが続いたが、D図、羽生は△4四角と打った。「この手がいい手だったか今でも謎。対局中かなり悩みました」

 直接の狙いがなく、相手に手を渡すような手だったが、この手を境に徐々にリードを奪い、わずかの差で逃げ切った。局後に藤井が「どこで形勢を損ねたか分からなかった」というほど最後まで難解だった。

 羽生は五番勝負を振り返って「藤井さんは振り飛車のスペシャリスト。どこまで研究されているか分からない怖さはあったが、指していて新鮮だった。棋王戦や竜王戦などで負けていたので、今回防衛できて良かった」と話した。



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