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< 第25回朝日オープン将棋選手権五番勝負第1局 >
先手 ▲ 羽生善治  選手権者   対   後手 △ 阿久津主税  挑戦者

静かな終盤戦

2007年07月16日

 記録係を務める藤森哲也二段(19)は、6歳のころ母の奈津子女流三段に手ほどきを受け、アマ強豪の父、保さんに鍛えられるという理想的な環境で育った。とはいえ将棋は本人の努力次第。阿久津挑戦者ほどの豊かな才能があっても、好きな競馬に熱中するなどして停滞した時期もあった。

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▲4三銀打まで 棋譜

80〜88手

  1. △6七銀不成4
  2. ▲同 金   
  3. △5五桂
  4. ▲7六金13 
  5. △6七桂成
  6. ▲3二銀成1 
  7. △同飛
  8. ▲5四飛1  
  9. △6八成桂

指了図・△6八成桂まで

棋譜

 「羽生さんは阿久津さんの将棋をよく研究していますね」と解説の深浦八段。後手番でも主導権を取りに行く積極的な棋風の阿久津が、新手の▲5四歩に出ばなをくじかれ、やや不利になり、そのまま押し切られそうになっている。

 立会人や解説者が現役棋士の場合、対局室にいると当然局面を見てしまう。見れば形勢が分かり、その表情を見た敏感な対局者には、「何を考えているか」が分かることがあるのだ。控室で待機する立会人の加藤九段らは、羽生の1手勝ちの終盤戦を念入りに検討していることだろう。

 △6七銀不成▲同金△5五桂。ここで慎重な読みを入れる羽生は扇子も開かない。対局室は静寂そのものだった。

 これでよし。羽生は▲7六金とし、飛車を取らずに金銀交換をしてからパチッと▲5四飛。

 指了図で阿久津の玉にはきれいな詰みがある。

(東公平)

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