第25回朝日オープン将棋選手権 五番勝負第4局
【5月14日 鬼の栖(静岡県伊豆市)】
羽生、終盤で競り勝つ投了図以下▲7二銀△8二玉▲7一角△9二玉と追っても、後手玉は詰まない。 本局は阿久津の意欲的な序盤戦術に対して、羽生が仕掛けのチャンスを見逃さずに40手目、△6五桂と跳ねたのが機敏であった。終わってみれば以後は羽生がリードを保った形だが、57手目▲2七角など、阿久津も力を見せて最後まできわどい戦いとなった。 78手目△3三同桂に対して阿久津は(1)▲5一飛成△同金▲4三銀と迫ったが、羽生玉はわずかに詰まなかった。 では代わりに控え室で検討されていた(2)▲4三角はどうか。△同銀引と応じるのは確かに危険であった。しかし△同金▲同歩成△同銀引が正着で、後手が余している。 変化の一例は(A)▲5一飛成△同銀▲4一銀△2一玉▲3二金△同銀▲同銀成△同玉▲4三金△2一玉▲2二銀△同玉▲3三金△3一玉。先手にあと一歩があれば▲3二歩で勝ちなのだが、その一歩がない。 また(B)▲3三桂成△同玉▲4五桂は△4四玉▲5三桂成△5五玉でつかまらない。 羽生は第3局に続いて終盤で競り勝ち、新鋭の挑戦を退けた。 2007年05月14日19時48分 * * *
羽生選手権者が4連覇第25回朝日オープン将棋選手権五番勝負(朝日新聞社主催)の第4局は14日、静岡県伊豆市の旅館「鬼の栖(すみか)」で指され、午後5時35分、羽生善治選手権者(36)が挑戦者の阿久津主税五段(24)に96手までで勝ち、対戦成績3勝1敗で防衛、4連覇を達成した。残り時間は阿久津五段1分、羽生選手権者19分。 2007年05月14日17時39分 * * *
羽生勝勢94手目△6二玉まで進んで、羽生玉には詰みがない。控え室では検討が打ち切られ、関係者は全員モニターテレビを見つめている。 2007年05月14日17時33分 * * *
詰むや詰まざるや78手目△3三同桂の後、阿久津は▲4三角ではなく▲5一飛成と先に切った。△5一同金に▲4三銀と打って、いよいよ大詰めである。飛車を渡した以上、後手玉を詰ますより他に勝ちはない。しかしどうやら詰みは、なさそうだ。 2007年05月14日17時22分 * * *
阿久津、終盤の長考76手目△3四銀の後、▲3三歩△同桂▲4三角△同銀引▲同歩成までは必然として、後手はどう応じるか。 (A)△4三同銀は▲4一銀△同玉▲3三桂成で、後手玉は受けなし。一方先手玉は詰まないようだ。 (B)△4三同金は▲5一飛成△2五桂▲4一銀△3三玉▲3五銀で、これも同様に先手勝ちか。 これは先手勝ちになったのか。阿久津は残り時間をほとんど使って、▲3三歩と打った。 2007年05月14日17時13分 * * *
いよいよ終盤戦76手目△3四銀を見て、控え室検討陣の目の色が変わった。▲3三歩△同桂▲4三角と進めれば後手玉も相当危ないのではないか。見所十分の終盤戦を迎えたようだ。 2007年05月14日16時53分 * * *
やはり羽生優勢羽生の△5一銀打には驚きの声が上がったが、▲3二歩成△同玉と進んでみると、後手陣は鉄壁。一息つけば、薄い先手玉に対しては攻め手に困らない形だ。検討陣の見解は、羽生優勢。振り返って65手目▲3三歩は阿久津が才能を見せたようにも思われたが、▲3六同角△6八金▲5八角が優ったかもしれない。 2007年05月14日16時36分 * * *
続く意表の応酬阿久津が▲7一飛と王手したのに対して、羽生は△5一銀打(!)と入れる。△5一金と引いてやはり羽生よしか?とも言われていただけに、控え室ではまた大きな声が上がった。 2007年05月14日16時24分 * * *
大熱戦65手目▲3三歩に対して、羽生は△6八金と銀を取った。控え室では大熱戦との評判である。阿久津が▲7一飛と王手をした時点で、残り時間は阿久津43分、羽生40分。 2007年05月14日16時15分 * * *
逆転の気配64手目△3六角成の局面で阿久津は考える。控え室では▲同角△6八金に▲7二角成ではなく、▲5八角と辛抱する順を検討していた。△5七桂成から先手は駒を余計に取られるが、手を稼いでいる間に後手玉に迫れば相当な勝負だ。 本譜、阿久津はこのあわただしい状況の中、▲3三歩と打った。検討陣は一様に驚いた後、やがて賞賛の声があがった。こうした一瞬のチャンスを見逃さないのが阿久津の才能。△同桂は▲7一飛△2二玉▲6九飛(!)△同馬▲2一金で先手勝ちとなる。 この手を見て、羽生の手が止まった。 2007年05月14日16時02分 * * *
羽生、決めに出る羽生はしばらく考えて、△8八歩と打った。控え室では少し淡泊ではないかとも言われていた攻め筋だが、どうなのだろうか。以下は▲同玉△6九金▲4九飛△3六角成まで、検討通りに進む。以下▲同角△6八金▲7二角成△6七金で、後手の攻めがつながっているかどうか。 2007年05月14日15時44分 * * *
ねじり合い57手目▲2七角は受け一方で苦し紛れのようにも見えながら、調べてみるとなかなかの手。羽生が△3五歩と桂頭を攻めたのに対しては▲2五桂と先に跳ね、大変な形勢にも見える。 控え室では△8六歩▲8一飛△2二玉▲8六飛成としてから△2四歩と桂を取りにいく順を検討している。以下▲4五歩△2五歩▲4四歩△3四銀▲3五歩△2三銀▲4八金と進めば後手の桂得だが、先手に楽しみも多い。 羽生も形勢容易ならずと見たか、ここでまた考え始めた。 2007年05月14日15時29分 * * *
阿久津、意表の受け今シリーズは3局とも先手番が勝っている。阿久津の長考中、関係者が朝日オープンにおける羽生の先手の勝率を調べてみると、なんと18戦全勝。おそるべき数字がはじき出されてきた。 56手目△4七角の局面で、消費時間はいずれも1時間34分(持ち時間各3時間)。後手の狙いは△3六角成、△8六歩、△8八歩▲同金△6九金などで、控え室では▲8一飛、▲7八玉、▲4八金などを組み合わせて受ける順をいろいろ検討していた。 本譜、阿久津は約30分考え▲2七角。自陣にじっと角を打った。控え室では誰も検討していなかった受けだ。 2007年05月14日15時13分 * * *
攻める羽生、受ける阿久津50手目、羽生は△6七同飛成とせずに、△7五角と打った。先手が▲6六金と飛車を取れば△同角で好調。よって阿久津は▲3九角と打って受ける。このあたり、控え室の最新検討通り。「いい線行ってますね」と誰かが言って、大きな笑いに包まれた。以下△6七飛成▲同銀引△3九角成▲同金と進んで、後手は単に△6七同飛成と切る変化に比べて、先手の4九金が一路遠く3九金にそれている計算だ。 羽生はそこで△4七角と打ち込む。まだすぐに決まる雰囲気ではない。控え室に到着した瀬川晶司四段は「うーん、わからない」と静かに笑っていた。後手もぐずぐずしている余裕はない。時刻は午後2時半を過ぎた。 2007年05月14日14時38分 * * *
決め手はありや48手目△6六同飛の後、(1)▲6七銀上は△5七角と打たれて困る。 そこで阿久津は(2)▲6七金と上がった。 控え室では△6七同飛成▲同銀引まで必然と見て、以下の変化を考えている。 有力なのは(A)△8六歩。▲8一飛△2二玉▲8六飛成△7五角▲8一龍△4八金で決まっているかにも見えるが、▲5六飛△4九金▲6六歩は先手もまだ粘れる形か。 羽生が50手目を考えているうちに、午後2時を過ぎた。 2007年05月14日14時12分 * * *
阿久津困ったか40手目△6五桂を見て阿久津の動きがしばらく止まっていた。控え室の検討陣は阿久津がよくなる順をなかなか見つけることができない。阿久津はやはり困っているのか。 阿久津はしばらく考えて▲6八銀と引いた。羽生は当然△8六歩▲同歩△同飛と飛車先の歩を交換しながら、前進してくる。 この次、青野九段は(1)▲9七角と打つ反撃順を検討していた。△7六飛ならば▲6四角でどうか。本譜、阿久津はおとなしく(2)▲8七歩と打った。羽生△7六飛は好調を思わせる手つきだ。 2007年05月14日13時50分 * * *
羽生、機敏に仕掛ける両対局者の昼食は天ぷらそば、おにぎりなど。 午後1時、対局再開。羽生はすぐに△6五桂と跳ねた。控え室でも深く検討されていた手で、これで先手が困っているとすればひどい。 (1)▲6六銀と上がるのは△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩に△7六飛と横歩を取られる。▲8五角と打てば飛車を取ることができるが、△6六飛▲同歩△5七角と進めば受けきれない。 (2)▲6八銀と引くのも、やはり△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△7六飛。以下▲6六歩△同飛▲6七銀上には△5七角と打たれる。先手は駒が上ずっている形で、収拾がつかない。 銀を逃げずに(3)▲7三角△8一飛▲6四角成△7七桂成▲同桂と粘る順は考えられそう。しかし先手は馬をつくったものの銀桂交換の駒損はやはりひどく、苦しい。 まだ午後の戦いが始まったばかりだが控え室では早くも、早い終局を心配する声が出てきた。 2007年05月14日13時20分 * * *
対局再開対局は午後1時に再開された。再開後の羽生選手権者の40手目は△6五桂。 2007年05月14日13時11分 * * *
昼食休憩39手目、阿久津が▲5六銀と上がった局面で羽生が21分考え、12時、昼食休憩に入った。 ここまでの消費時間は阿久津51分、羽生48分(持ち時間各3時間)。 午後1時から対局再開される。 2007年05月14日12時16分 * * *
角換わり中飛車立会人の青野九段によれば、後手が△6五歩と突いていない形で先手が▲5八飛〜▲5六歩〜▲5五歩と回る構想は珍しいという。類例は▲丸山忠久名人―△佐藤康光王将(2002年5月、棋聖戦挑戦者決定戦)、▲青野照市九段―△島朗八段(2003年5月、竜王戦2組昇級者決定戦)など。いずれも先手が5六銀―4五歩型で、後手が△5二飛〜△5四歩〜△5五歩と腰掛銀を引かせている。 37手目、阿久津は▲5九飛と引く。一般的に飛車を5筋に回ったときには、ここが好位置となる。羽生が△7三桂と跳ねて、依然駒組の段階。決戦は午後からとなりそうだ。 2007年05月14日11時38分 * * *
阿久津、驚きの構想28手目、羽生が△4四歩と突いた局面で11時を過ぎた。よくある進行で、控え室はまだのんびりとしたムードだ。ここでしばらく阿久津が考えていた。やがて▲5八飛。あまり見たことのない新構想に、控え室のメンバーは驚いた。事前に研究してあったのか、それとも即興で思いついたのかはわからないが、いかにも才気煥発の阿久津らしい。▲5六歩〜▲5五歩と伸ばして、5四に据えられた羽生の腰掛銀を△4三銀と引かせた。 2007年05月14日11時25分 * * *
羽生の作戦は腰掛銀対局者は前日夕食後、大和証券杯ネット将棋・最強戦の森内名人―藤井九段戦を観戦していた。両者が何度も喚声をあげる二転三転の大熱戦で、最後は森内名人が勝っていた。 羽生選手権者は作戦を決めてきていたのか、指し手が早い。するすると銀を上がり、20手目に△5四銀と腰掛銀の作戦を明示 した。一般的に先手の勝率がいいとされるこの戦形で、羽生がいかなる策を用意しているのかが注目だ。 2007年05月14日10時42分 * * *
第4局は角換わり午前10時、先手阿久津挑戦者の▲7六歩で対局が始まった。オールラウンダーの両者らしく、これまで3局はいずれも戦形が違う。本局、羽生挑戦者は最近では比較的珍しい、後手が手損をしない角換わりを選んだ。今シリーズ初の戦形である。 2007年05月14日10時21分 * * *
阿久津挑戦者の先手で第4局始まる羽生善治選手権者(36)の2勝、挑戦者の阿久津主税五段(24)の1勝で迎える第25回朝日オープン将棋選手権五番勝負(朝日新聞社主催)の第4局が、14日午前10時から、静岡県伊豆市の旅館「鬼の栖(すみか)」で始まった。第3局までいずれも先手番が勝つ展開となっており、第4局は阿久津挑戦者が先手。初手は7六歩。持ち時間は各3時間。 羽生選手権者が勝って4連覇を達成するか、阿久津挑戦者が再びタイに持ち込むか注目の一戦だ。 2007年05月14日10時05分 * * *
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