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< 第25回朝日オープン将棋選手権五番勝負第4局 >
先手 ▲ 阿久津主税  挑戦者   対   後手 △ 羽生善治  選手権者

意欲的な構想

2007年08月06日

 勝負にからい若手が多い中、阿久津は骨太の個性で異彩を放つ。「トップ棋士で雰囲気が似ているのは谷川九段かな。表現力にあふれたきれいな将棋」と絶賛するのは、盟友の橋本崇載七段だ。序盤から中終盤まで、前例にとらわれないスケールの大きな指し手で、自らを打ち出そうとする。一局の筋書きを、ねじれのない一本の線で描き切ることができる“天才演出家”であるという。

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▲5八飛まで 棋譜

30〜39手

  1. △4一玉3
  2. ▲5六歩4
  3. △7四歩1
  4. ▲5五歩
  5. △4三銀引
  6. ▲7九玉9
  7. △3一玉3
  8. ▲5九飛
  9. △7三桂4
  10. ▲5六銀5

指了図・▲5六銀まで

棋譜

 ▲5八飛は、阿久津の新機軸。後手番で▲4五歩と突き越された形で△5二飛から反撃を試みる指し方は過去にもあったが、何の変哲もない駒組みの途上で、先手がいきなり5筋に飛車を回るのは初めての構想だった。

 ▲5八飛の狙いは、中央に位を張っての模様勝ち。意欲的な手段である半面、先手陣を好形にするには手数が掛かるので危険性を伴う。▲5八金と上がれば最近、先手勝率上昇中の同形腰掛け銀に進む公算が大だっただけに、いかに阿久津が冒険好きとはいえ、この方針選択は大胆に映った。

 阿久津は「その場の思いつきですが、せっかくの舞台で研究勝負はつまらないと思いまして」。ちなみに同形での秘策について羽生は「またいつかどこかで(笑)」と明かさなかった。

(剣)

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