|
< 第25回朝日オープン将棋選手権五番勝負第4局 > 難しい選択2007年08月06日 対局室の「山科の間」は、数寄屋造りの閑静な和室。窓外には石や滝、池を配した幽玄な庭園が広がり、手入れの行き届いた松の緑と両対局者の羽織の茶が鮮やかなコントラストをなしている。中央に見える石灯籠(どうろう)の左側には、右ひじをついて寝そべったカエルの置物が1匹。浮世離れした表情で、推移を見守っている。
局面はにわかに緊張が高まってきた。▲6六歩〜▲6七金に、単純にいくなら△同飛成▲同銀引△4七角だが、▲5八金と右金を活用される手が気にかかる。以下は△3六角成▲2五桂に、△8六歩▲同歩△8七歩▲7一飛が一例で「先の長い渋い将棋」(阿久津)。 羽生は本局一の33分を消費し、△7五角と打った。▲3九角以下△4七角と進めば、今度は右金の働きが鈍る寸法。ただし先手にも新たに▲4九飛の余地が生じ、△7五角の善悪は微妙だった。 戻って△7五角には、▲4八角も考えられた。△5六飛▲同金(▲同飛は△4七銀)△8六歩▲7五角(▲8六同歩は△4八角成〜△8七銀)△同歩▲8一飛△2二玉▲8六飛成と進み、以下は△4七銀▲7三角△2八角で優劣不明の展開だ。 指了図からの阿久津の一手も、お返しの長考で33分を記録した。 (剣) |
||||||