|
指し手再現 | 使い方
|
64〜74手
△9五同歩1
▲9二歩5 △同香
▲7六銀 △4六歩13
▲同銀 △3六歩
▲7五歩2 △3七歩成
▲同金 △3六歩1
|
|
▲9五歩まで
|
|
指了図・△3六歩
 |
苦しむ中原
持ち歩を生かし▲9五歩が急所の一手。△同歩に香頭をたたいて▲7六銀が、端からの強襲を見越しピッタリだ。前譜で3、4筋の突き捨てがなければ、まるで話は違った。糸谷の元気のいい指し回しに、中原は反撃に出る勘どころを誤った。
△4六歩から△3六歩で、後手の桂得確定だが▲7五歩が厳しい。先手玉は適度に広く厚く、存外しっかりしているのが強み。糸谷流右玉の面目躍如たる展開になった。
▲3七同金に、中原は両手を頭上に組み、苦しげな表情を浮かべる。口は真一文字。みけんにシワが寄っている。糸谷は二度三度、盤から顔を上げ中原をじっと凝視。若さと自信に満ちた、怖いもの知らずの面構えだ。
中原は△3六歩と打った。その瞬間、糸谷は小首をかしげながら前傾姿勢に。そして小声で「そっかあ、そんな手があるのか」とつぶやいた。これを聞いた中原は、思わずプーッと噴き出し「フフフフフ」。それから少しドスの利いた声で「本音なんだろうね、三味線だったらすごいけど」と言って、ニヤリとした。
糸谷は盤面に視線を置いたまま「すみませんでした」。バツが悪くなったか「失礼します」で立ち上がり、そのままトイレに向かった。
(剣)
[次の譜へ]
2007年01月09日