ここから本文エリア現在位置asahi.comトップ > 将棋 > 朝日オープン将棋観戦記 > 記事記事

< 第25回朝日オープン将棋選手権本戦第5局 >
  先手 ▲糸谷哲郎 四段   対   後手 △中原誠 永世十段
第1譜 | 第2譜 | 第3譜 | 第4譜 | 現在は 第5譜 | 第6譜

別ウインドウで開きます指し手再現 | 使い方

64〜74手

        
△9五同歩1
▲9二歩5 
△同香
▲7六銀  
△4六歩13
▲同銀   
△3六歩
▲7五歩2 
△3七歩成
▲同金   
△3六歩1

▲9五歩まで

棋譜

指了図・△3六歩

棋譜

苦しむ中原

 持ち歩を生かし▲9五歩が急所の一手。△同歩に香頭をたたいて▲7六銀が、端からの強襲を見越しピッタリだ。前譜で3、4筋の突き捨てがなければ、まるで話は違った。糸谷の元気のいい指し回しに、中原は反撃に出る勘どころを誤った。

 △4六歩から△3六歩で、後手の桂得確定だが▲7五歩が厳しい。先手玉は適度に広く厚く、存外しっかりしているのが強み。糸谷流右玉の面目躍如たる展開になった。

 ▲3七同金に、中原は両手を頭上に組み、苦しげな表情を浮かべる。口は真一文字。みけんにシワが寄っている。糸谷は二度三度、盤から顔を上げ中原をじっと凝視。若さと自信に満ちた、怖いもの知らずの面構えだ。

 中原は△3六歩と打った。その瞬間、糸谷は小首をかしげながら前傾姿勢に。そして小声で「そっかあ、そんな手があるのか」とつぶやいた。これを聞いた中原は、思わずプーッと噴き出し「フフフフフ」。それから少しドスの利いた声で「本音なんだろうね、三味線だったらすごいけど」と言って、ニヤリとした。

 糸谷は盤面に視線を置いたまま「すみませんでした」。バツが悪くなったか「失礼します」で立ち上がり、そのままトイレに向かった。 (剣) [次の譜へ]

2007年01月09日


この記事の関連情報

朝日新聞サービス

ここから広告です
広告終わり
∧このページのトップに戻る
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。 Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.