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< 第25回朝日オープン将棋選手権本戦第10局 >
  先手 ▲ 小林健二  九段   対   後手 △ 渡辺明  竜王
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66〜78手


△4四銀11
▲6四角4
△5五歩
▲3七桂14
△6三飛1
▲7三角成10
△同飛1
▲4五歩
△5三銀
▲6五桂1
△6三飛
▲5三桂成
△同飛

▲4八銀まで

棋譜

指了図・△5三同飛まで

棋譜

非常手段

 図は後手が4五の飛車を引き揚げた手に対し、先手が銀を引いて守りを固めた局面。△4三飛は機動性に富む好位置で、左右の連結がよく、堅固な穴熊陣がより弾力的にまとまった。硬質な中にバネがあり、したたかでしなやか。スマートな戦略思考をイメージ通りさらりと実現してしまうのも、現代将棋の申し子ならではの芸だ。渡辺の次の手がまたさえていた。

 「△4四銀がいい手でしたね。全く気づいていなかった」(小林)。ゴムマリ状の陣形から、力こぶのように隆起した銀上がり。この手では△4五歩と位を取るのが並の発想だが、それではかえって後手から手が作りにくくなる。△4四銀は6筋が無防備なようだが、指されてみればコロンブスの卵。▲6四角に△5五歩で、角の逃げ場所がない。▲6五桂なら、△同桂▲同歩に△4五銀の進軍が迫力満点だ。

 本譜▲3七桂には、△6三飛が厳しい追撃。▲6五歩と角を助けても△5六歩以下、一方的に攻められる。小林は▲7三角成の非常手段に出た。△7三同飛に▲4五歩と押さえ、▲6五桂から▲5三桂成。角銀交換の駒損になったが、先手陣にまだほころびがないのが唯一の救いだ。 (剣) [次の譜へ]

2007年02月13日


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