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< 第25回朝日オープン将棋選手権本戦第23局 >
先手 ▲ 阿久津主税  五段   対   後手 △ 阿部隆  八段

好手の連発

2007年05月15日

 図の△3六銀を着手する時、阿部は「いやあ、しかし……」とつぶやいていた。壁銀をそのままに勝負するのは、無謀な感じもある。これは玉砕攻撃なのだろうか?

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△3六銀まで 棋譜

51〜65手

  1. ▲6四角15
  2. △同 角
  3. ▲4六銀
  4. △2七銀成8
  5. ▲6八飛4
  6. △7三角23
  7. ▲6六歩
  8. △2八角
  9. ▲同 飛29
  10. △同成銀
  11. ▲3六角
  12. △5一角9
  13. ▲3七桂2
  14. △7五歩9
  15. ▲6四金3

指了図・▲6四金まで

棋譜

 珍しい布袋入り扇子を持っている阿久津が、それを一度も開かずに、ひざの脇に置いていた。

 図で▲4六角△2七銀成▲3九飛の順も考えたそうだが、譜の手順はさえていた。▲6四角と切り、△同角に銀は取らずにじっと▲4六銀。小野八段もほめた好手順。

 次いで△2七銀成に▲6八飛も巧妙で、検討の時に阿部が冗談を飛ばした。「アマチュアじゃないもんね。縦(3筋)には逃げてくれない」

 ますます△3三歩と合わせて壁銀を解消するチャンスが遠ざかり、阿部はゆううつだったに違いない。「この形は二枚落ちの定跡だからね」。困った。だが、なんとか一矢報いてやるぜ。そんな感じの仏頂面であった。

 23分の考慮で△7三角。▲6六歩に△2八角と攻防に打てば、阿久津はまた熟慮して▲同飛と切り、急所の一撃が▲3六角。いかに強気の阿部でも△5一角の逃げは致し方なしだが、下手をすると成銀まで遊んでしまう。

(東公平)

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