< 第25回朝日オープン将棋選手権 準々決勝第3局 > 一本取った2007年06月12日 2月16日、大阪で行われた準々決勝。阿久津は4日前から大阪に泊まりこんでいた。3日前にはC級1組順位戦で昇級争いにからむ重要な一番を小林健二九段と戦い、大逆転で敗れていた。
「3日前の結果は当然引きずっていたし、久保さんとの対局も多分勝てないと思っていた」と阿久津。それでも、「対局が始まってしまうと雑念が消え、勝負に集中できた」と言う。この辺りはなかなかたくましい。 後手の△3一飛は次に△2四歩▲同歩△2一飛のさばきを狙っている。そこで▲6八銀と引いたのが実戦的勝負手。△6六角と歩を取らせて▲3五歩と突く。これで全面戦争に持ち込もうというのだ。もちろん、激しいさばき合いになれば、玉の堅さが生きるという計算を持っている。 実戦は、そのさばき合いになった。だが、局面をリードしたのは久保だった。△6五銀が▲7四桂を消しながら攻めに厚みを加えた好手だった。 △7四桂以下、指了図までの連続攻撃で先手の角をしとめた局面では、「一本取ったと思った」と久保も言う。だが、阿久津も踏ん張る。 (青) |