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< 第25回朝日オープン将棋選手権 準々決勝第4局 >
先手 ▲ 木村一基  七段   対   後手 △ 堀口一史座  七段

夢よもう一度

2007年06月19日

 当時五段の堀口が優勝した第20回の勝ちっぷりは圧巻だった。予選の3回戦で当時棋聖の郷田真隆を破り、本戦で加藤一二三、藤井猛、佐藤康光の各九段を連破。準決勝で羽生善治竜王に勝ち、決勝五番勝負は杉本昌隆六段に3勝1敗で初代選手権者に。表彰式での満面の笑みを思い出す。

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△3一玉まで 棋譜

31〜52手

  1. ▲8八玉
  2. △2二玉
  3. ▲1六歩1
  4. △8五歩2
  5. ▲2六歩
  6. △9四歩1
  7. ▲1五歩1
  8. △5三銀
  9. ▲3八飛1
  10. △2四銀24
  11. ▲9六歩5
  12. △7三角1
  13. ▲4六銀21
  14. △6四銀
  15. ▲5七角17
  16. △7五歩5
  17. ▲同歩2
  18. △同銀
  19. ▲7四歩20
  20. △6四角60
  21. ▲6五歩
  22. △4二角9

指了図・△4二角まで

棋譜

 翌年、当時七段の深浦康市に選手権を奪われたが、今回も「夢よもう一度」の心境だろう。

 文学好きな青年・堀口の序盤の思考姿はユニークだ。首を左に傾け、視線を盤の外に向ける。

 「矢倉は将棋の純文学」と言ったのは米長邦雄永世棋聖だ。確かに美を感じる。すべての駒が戦いに参加し、多くは激しい攻め合いになる。

 ▲9六歩。木村は局後にこの手を悔やみ、「3年ぶりに矢倉をやる人みたい」とぼやいた。

 堀口は巧妙な作戦でこの端歩突きをとがめる。△6四銀〜△7五歩がそれで、▲同歩△同銀に▲7六歩なら△8四銀と引き、次の△9五歩▲同歩△同銀を見て有利。昼休みを挟む熟慮20分、木村は▲7四歩の変化技を編み出す。

(東公平)

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