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将棋ソフトにアマ組完敗 秘術、一気に攻めつぶされる

2011年8月2日

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写真:大盤の前で指し手を話し合う対局者を遠目にパソコンはフル稼働=7月24日午後、東京都調布市の電気通信大学拡大大盤の前で指し手を話し合う対局者を遠目にパソコンはフル稼働=7月24日午後、東京都調布市の電気通信大学

図:A図・▲5三銀まで拡大A図・▲5三銀まで

図:B図・△6一香まで拡大B図・△6一香まで

 アマチュア強豪の2人がタッグを組んで、コンピューター将棋ソフトに挑む公開対局が7月24日、東京都内で開かれた。ソフトの特徴を研究して臨んだが、2局ともアマ側が敗れた。将棋ソフトの底知れない強さを見せつけられた。

 対戦は電気通信大学大学院情報理工学研究科の伊藤毅志助教らが企画し、東京・調布の同大で行われた。トップアマでも勝つのが難しくなったソフトに対し、コンピューターに精通する2人が話し合いながら秘術をつくす。開発者側からすれば、実戦を通してプログラムの穴を見つけてもらえる機会にもなる。

 挑むのは、元奨励会三段で大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員の古作(こさく)登さんと元アマ竜王で奈良女子大准教授の篠田正人さん。2人とも数種のソフトと対戦を重ね、指し手のくせなどをよく知っている。どんな戦略で臨むのか期待された。

 勝負は2戦。1戦目の相手は今年の世界コンピュータ将棋選手権で準優勝した「Bonanza(ボナンザ)」だ。持ち時間はアマが1時間で、なくなると1手3分。コンピューターは25分で、なくなると1手10秒のハンディマッチ。公開対局で、2人は大盤で来場者に解説しながら指し手を決めるため、その時間を考慮した。口頭で指し手を伝えられると、操作者がコンピューターに入れ、ソフトが指した手を2人に伝えるという手順で進める。

 あらかじめ2人は矢倉で戦う方針を決めた。ソフトはプロの棋譜を参考に形勢判断機能を作っているため、めったに現れない入玉模様は苦手だ。矢倉から入玉を目指せば勝機が見込めると考えた。

 ボナンザとの対局は、アマが先手でほぼ狙い通り相矢倉に。A図は▲5三銀と打ったところだ。駒損だが、相手陣に食いつき、有望に映る。以下△2二玉▲4二銀成△同角の局面で2人の意見が分かれた。古作さんは▲9一角成、篠田さんは▲同角成を推奨。結局▲同角成を選び、△同金▲2五歩△3二銀と進んだが、劣勢に。▲9一角成なら互角だった。その後はボナンザに守りを固められ、一気に攻めつぶされた。

 2戦目は昨年、清水市代女流王将(当時)を破ったソフトのコンパクト版「あから1/100」。強豪4ソフトが挙げる候補手を、多数決で採用する。

 戦型はやはり相矢倉。先手・あからの早囲いに「勝ちやすいベスト3に入る」(古作)という棒銀で攻めた。B図は△6一香と銀取りに打ったところ。これで優勢とみていたが、▲5四銀と出られて「ひえー」。以下△同金▲同飛△6七香成▲同金△4三銀に▲5五飛と引かれて言葉がでなくなった。次に▲8五飛が厳しく、△8二飛▲9五香△5四歩と辛抱するも、いいところなく敗れた。数手前に6筋には手をつけず、9筋を攻めるべきだった。

 どちらも中盤から終盤にかけて、人間が方針を誤った。入玉模様にする前に差をつけられた完敗だった。「楽観しすぎた。からい指し方ができる人が向いているかも」と古作さん。篠田さんは「終盤でどれくらい力があるのか引き出せなかった。優勢を築いて勝ちきるようなプロでないと、本当の強さは分からないかもしれない」と話した。(村上耕司)

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