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2012年4月24日15時58分
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「盤上には人格が表れる」 中国将棋のトップ棋士、語る

写真:シャンチーの駒を動かす許銀川さん=中国・広州棋院拡大シャンチーの駒を動かす許銀川さん=中国・広州棋院

 日本の将棋とルーツが同じとされる中国のシャンチー(中国将棋)。幅広い世代に愛され、国からスポーツとして認定されている。許銀川さん(36)は、その強さと知名度の高さから「中国の羽生善治」ともいえる第一人者だ。

 許さんは5歳で教師の父の手ほどきを受け、12歳でプロに。18歳で全国個人選手権を制し、同選手権は6回優勝。2010年の広州アジア大会で聖火ランナーに選ばれ、メディアにも多く登場する。収入は大会の賞金のほか、プロ選手には政府から給与が支払われる。

 シャンチーの魅力を「盤上に千変万化の複雑さがあり、毎回、新しいものに出会える喜びがある」と話す。棋譜などの情報化が進む中、「『棋如其人』(棋はその人のごとし)で、盤上には人格が表れる。常に心を静かに保ち、忍耐力を持つことを心がけている」と、精神性を重んじる。

 「勝った対局にスポットライトが当たりがちだが、むしろ挫折する経験が大切。敗着の一手を悔やんで眠れない夜もある。だが、そこから次につながるものを得て、気持ちを切り替える強さが必要だ」

 「責任」という言葉を何度も口にした。「後悔した一手でも投げ出さず、なぜ自分はそうしたのかを見つめ直す。それが1人の人間として、家族や友人、社会に対する責任を持つことにつながる」

 中国でもシャンチーを小中学校の授業に採り入れ、子どもへの普及に力を注ぐ。「論理的な思考と共に、感情をコントロールするすべが身につく。競争や情報化の激しい社会を生き抜く上で重要な能力だと思います」

 中国南部の広州市で、妻と4歳の息子と暮らす。息抜きや体力作りに、水泳やサッカー、テニスも楽しんでいる。(小川雪)

     ◇

 〈シャンチー〉 駒は7種類16枚。日本の将棋と違い、取った駒は使えない。プロ選手は約200人で、養成機関での昇段が必要な日本と異なり、全国大会優勝などの実績を積んで認められる。競技人口は約1億人とされる。

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