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2012年8月21日16時20分
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作戦ぴたりアマ快進撃 朝日杯将棋10年ぶりプロに5勝

写真:1回戦でアマ5勝目をあげた古屋皓介アマ=東京・将棋会館拡大1回戦でアマ5勝目をあげた古屋皓介アマ=東京・将棋会館

写真:第6回朝日杯将棋オープン戦一次予選2回戦で、今泉健司アマ(左)は桐山清澄九段(右)を破る金星を挙げた=大阪市福島区の関西将棋会館拡大第6回朝日杯将棋オープン戦一次予選2回戦で、今泉健司アマ(左)は桐山清澄九段(右)を破る金星を挙げた=大阪市福島区の関西将棋会館

写真:A図・△5二金まで拡大A図・△5二金まで

写真:B図・△8六歩まで拡大B図・△8六歩まで

 第6回朝日杯将棋オープン戦に出場しているアマチュア選手の奮戦が続いている。朝日杯は全棋士とアマ10人、女流棋士6人によるトーナメント。今回はアマ10人中5人が1回戦で白星をあげ、うち1人は2回戦も突破した。

 1回戦の門倉啓太四段対古屋皓介アマ戦は8月8日にあった。1回戦10局中9局は7月7日に一斉に指されたが、この1局だけは門倉四段の病気のため延期されていた。

 門倉四段が初手▲7八飛から穴熊に囲ったのに対し、古屋アマは地下鉄飛車で対抗した。この構想がうまく、古屋アマが作戦勝ちした。

 A図から門倉四段は▲8四歩△同歩▲3五歩△同歩▲8四飛△8三歩▲8八飛として、次に▲4四歩(△同銀なら▲3四歩)を狙った。だが△4四角が、その狙いを消しつつ角を要所に据えた好手。後手が玉頭に厚みを築き、差が広がった。A図での先手の仕掛けは無理で、千日手も視野に入れるべきだった。

 快勝の古屋アマは「全く自信がなかった」と振り返る。だが、本局での作戦は想定していた形の一つだったといい、入念な準備が功を奏したと言える。2回戦では田中寅彦九段と対戦する。

 2回戦に進んだアマ5人のうち、今泉健司全日本アマ名人は7月28日、タイトル獲得通算4期の実力者・桐山清澄九段を倒す金星を挙げた。

 先手の桐山九段が三間飛車から思い切った速攻を仕掛けた。B図から▲6三と△8二飛▲6二銀と進んだが、次の△8四角が強烈な切り返し。以下▲8五飛△6二金▲同と△7三桂▲8六飛△8五銀で桐山九段は飛車を取られ、苦戦に陥った。感想戦では図で▲8六同歩△8七角▲9九歩△6五歩▲7八銀が検討された。今泉アマも「それなら自信はなかったですね」。3回戦は大石直嗣(ただし)四段に挑む。

 秋山太郎アマ、井上輝彦アマ、伊ケ崎博アマの3人は、それぞれ田村康介六段、畠山成幸七段、堀口一史座七段に敗れた。惜しかったのは井上アマ。相振り飛車で中盤まで好調だったが、攻め急ぎを畠山七段にとがめられ逆転された。畠山七段は事前に井上アマの棋譜を取り寄せて研究。「井上さんは、自玉付近に手がつくのを気にするタイプ」と分析して臨んだという。

■先を読ませず、主導権

 古屋アマの勝利で、1回戦でのプロアマ戦の結果は5勝5敗となった。アマが5勝以上するのは、朝日杯が前身の朝日オープン将棋選手権だった2002年にアマが7勝して以来、10年ぶりだ。昨年が1勝、一昨年は0勝だっただけに、大健闘と言える。

 一つの要因は、今回出場したアマ選手のレベルの高さだ。1回戦で、清水上徹朝日アマ名人は敗れたものの、名人への挑戦者を決める3月の全国大会でベスト4入りした選手は全員白星を挙げた。この4人はいずれもアマチュアの全国大会で優勝経験がある。秋山アマはアマ竜王など、今泉アマは全日本アマ名人など。古屋アマは支部名人2回、井上アマもレーティング選手権優勝の実績がある。

 また、アマが自分の土俵に持ち込んで力を発揮する場面も目立った。古屋アマは門倉四段との対局で、方針をなかなか明示しない作戦が図に当たった。作戦負けに陥った門倉四段は感想戦で「(相手が)何をやってくるのか、わからなかった」と語った。早指し戦で独特の作戦を相手にすると、プロでも的確に対応するのが難しいことを印象づけた。(村瀬信也、佐藤圭司)

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