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パンダかわいや、かわいやパンダ

2008年7月21日

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写真「カンフー・パンダ」より主人公のポー (C)2008 DREAMWORKS ANIMATION L.L.C.写真ポーと師匠のシーフー老師 映画は7月26日から全国公開されます

 高校時代に「パンダ」というあだ名を付けられたことがあります。

 私「なんでパンダ?」

 命名した友人「顔がパンダに似てるから」

 似てねーよお前こそドン・チャックみたいな顔してるくせに、と思いましたが、無害なあだ名なので呼ばれるままにしておきました(当時、私の高校ではとてもここに書けない変わったあだ名が横行していたのです)。

 そんなこんなでパンダに多少の親近感があることもあり、米ドリームワークスの新作「カンフー・パンダ」のタイトルを聞いた時、ちょっと興味をそそられました。ハリウッドが飽きもせず送り出してくる動物CGアニメには正直食傷気味でしたが、座ってササを食べるかタイヤに抱きついてゴロゴロしているイメージのパンダがどんなカンフーを見せてくれるのか、期待に胸くふらませ試写に行きました。それは、期待とは全く違うパンダでした。

 ポーという名の主人公パンダ、確かにゴロゴロしています。ただしラーメン屋の2階で。確かによく食います。まんじゅうでもソバでも何でもバクバク。おかげで腹はぶよぶよ。そして声をあてているのがジャック・ブラック(「スクール・オブ・ロック」主演)なので、どう見ても(どう聞いても)ポーは中年太りのおっさんです。で、このぶつくさ文句をたれつつ親父のラーメン屋を手伝い、スキあらばサボるぐうたら中年パンダが、カンフーの修行に励む虎や猿をさしおいて伝説の「龍の戦士」に指名され、凶悪脱獄囚のヒョウから村を救う使命を帯びるわけです。

 しかし、こんなかわいくないパンダで、パンダを主人公にした意味があるんでしょうか。もっとこう、ころころでもこもこでまるまるでキュー!としたくなるのがパンダじゃないんでしょうか。ポーはなぜか首から後ろ頭まで黒い毛で覆われ、これでは何というか妙なガラのクマです。チャームポイントのはずの目の周りのくまさえ、かえって目つきを悪くしているような…。ひょっとしてアメリカ人はパンダをかわいいと思っていないのでは?

 あぁ、でも「らんま1/2」の乱馬の父も格闘家のおっさんパンダでしたね。目つきも悪かったし。「パンダコパンダ」のパパンダも、怪力の持ち主で子持ちのおっさん。パンダはむしろ、かわいくない方がキャラが立つのかな?

 「カンフー・パンダ」の物語そのものは、箸(はし)や竹竿といった小道具を使ったコミカルでめまぐるしいアクションが、かつてのジャッキー・チェン(本作にも声優で登場)の映画を思わせ、なかなかの出来でした。続編が予定されているそうですが、私としては、中年パンダに早いとこ結婚してもらい、たくさんのかわいい子パンダが暴れ回るアニメにしてほしいところです。でもドリームワークスはどうもクセのあるキャラに固執する向きがあるので、凶暴なコアラとか、戦争好きのハトとか、忍者みたいに素早いカメとか(もう居ますねそういうキャラ)そんなギャップのあるくせ者たちをそろえてくる気なのかもしれません。

 さて、私のあだ名の「パンダ」ですが、結局、使うようになったのはくだんの命名者を含む2、3人くらい。キャラが合わなかった、ということなんでしょうね。

プロフィール

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小原 篤(おはら・あつし)

1967年、東京生まれ。91年、朝日新聞社入社。99〜03年、東京本社版夕刊で毎月1回、アニメ・マンガ・ゲームのページ「アニマゲDON」を担当。08年4月から編集局編集センター員。

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