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プリキュア5対ティンカー5

2008年11月10日

  • 筆者 小原篤

写真映画「ティンカー・ベル」から、CGになったティンカー・ベル写真これがティンカー・ベルら5人の妖精。映画は12月23日全国公開 (C)Disney Enterprises,Inc写真お菓子の国に招かれたキュアドリーム=のぞみ(手前右)たちは大喜びするが…写真映画「Yes!プリキュア5GoGo!お菓子の国のハッピ ーバースディ」は全国公開中 (C)2008 映画Yes!プリキュア5GoGo!製作委員会

 「ピーター・パン」(53年)に出てくるかわいい妖精ティンカー・ベルが主人公のCGアニメを、ディズニーが作ったというので試写を見てきました。「シンデレラ」や「リトル・マーメイド」だって無理矢理続編を作ってしまうディズニーが今度は何をするのかと思えば、ピーター・パンと出会う前のティンカー・ベルはガテン系だった、という話なのでビックリしました。

 妖精の谷に生まれた彼女は、道具を作ったり修理したりする「もの作りの才能」を授かりますが、そんな仕事は地味でキライ。光や水を操ったり植物や動物の世話をしたりできる妖精の仲間たちに仕事を習うものの、どれもこれも失敗ばかり。おまけに、春を迎える大事な準備を台無しに。窮地のティンカー・ベルは本来の才能を駆使してこのピンチを脱しようとします。

 インドで作ったというCGは少々野暮ったいですが、色彩豊かな正調ファンタジーの世界。「才能を信じよう」「ありのままの自分を受け入れよう」というストレートなメッセージを込めた手堅い作りです。 しかし「ピーター・パン」のティンカー・ベルはしゃべりもせずヤキモチ焼きで無分別の困ったちゃんなのに、この映画ではしゃべるし悩むし成長するし……。この後、ピーターに出会うまでの間に彼女に何が起こったのでしょうか?

 それはそうと、ティンカー・ベルには仲間が4人います。水の妖精シルバーミスト、植物の妖精ロゼッタ、光の妖精イリデッサ、植物の妖精フォーン。5人のシンボルカラーは、緑、青、赤、黄、茶。「プリキュアみたい…」。スクリーンを見て思わずつぶやきました。プリキュア5のように、このティンカー5(勝手に命名)が決めゼリフ&決めポーズをやるのか、5人そろってビーム出したりしないのか、ドキドキしながら見ていましたがやりませんでした(当たり前か)。女児キャラクターグッズ市場で、プリキュアはこれから、強敵ディズニープリンセスだけでなく援軍のティンカー・ベルたちとも闘うことになるのでしょうか。

 その「プリキュア」とは、東映アニメーション伝統の「魔女っ娘」路線に連なる人気作。現在放映中のプリキュアシリーズ第5作「Yes!プリキュア5GoGo!」も好調で、劇場版「お菓子の国のハッピ ーバースディ」が8日に公開されました。キュアドリーム、キュアルージュ、キュアレモネード、キュアミント、キュアアクアの5人のプリキュアが、お菓子の国で大バトル。東映の戦隊ヒーローものの要素を取り入れ独自の進化を続けた結果、「ティンカー・ベル」と比べると何もかも派手でコテコテです。髪型はくるんくるん、コスチュームはひらんひらん、光線はきらーんきらーん、効果音はしゃきーんしゃきーん。コブシでドゴッ!壁にたたきつけられグハッ!盛り上がればキスだって……。いやはや。

 驚いたのは併映の「ちょ〜短編 プリキュアオールスターズGoGoドリームライブ!」。5作のプリキュアたちが全員集合し初の共演。アクションの後ステージで主題歌メドレーを歌います。このシリーズを見続けてきたちっちゃな良い子にもおっきなお友達にも至福のひととき。さらに驚いたのは本編ラストでこの「オ ールスターズ」劇場版長編が来春公開されるという告知が出たことです。第5シリーズは1月末で放映から1年たちますので、この映画が公開される頃にテレビで「プリキュア」が続いているとすれば、それは シリーズ第6作ということに。5年続いた「セーラームーン」を超えることになるのでしょうか。

 こうなれば男児向けの「戦隊もの」のように、設定や主人公を替えつつどこまでもシリーズを続けるつもりなのかもしれません。五つの国のお姫様が一緒に闘いながら女王の座を目指す「プリキュアプリンセス」とか、七色の花を捜して旅をしながら闘う「プリキュアルンルン」とか、和洋中のお菓子屋の看板娘が変身して闘う「プリキュアパティシエ」とか、モデルやデザイナーを目指しながら闘う「プリキュアモード」とか、エステやネイルやヘアメークなどの仕事を目指しつつ闘う「プリキュアビューティー」とか 、メイドさんや声優をしながら秋葉原の平和を守る「プリキュアアキハバラ」とか……。

 ディズニーの「ティンカー・ベル」はなんと4部作だそうで、だったらいっそティンカー5がディズニーランドの平和を守る、なんて話はいかがでしょう? その続編は、ディズニープリンセス対ティンカー5の頂上決戦とか――なんて、勝手な妄想を書き連ねていると怒られそうなので、このへんでおしまい。

プロフィール

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小原 篤(おはら・あつし)

1967年、東京生まれ。91年、朝日新聞社入社。99〜03年、東京本社版夕刊で毎月1回、アニメ・マンガ・ゲームのページ「アニマゲDON」を担当。08年4月から編集局編集センター員。

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