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ねえコナン、よかったよかった?

2009年3月9日

  • 筆者 小原篤

画像「名探偵コナン」映画最新作「漆黒の追跡者(チェイサー)」は4月18日公開。黒の組織との宿命の対決が描かれる (C)2009青山剛昌/名探偵コナン製作委員会画像DVD「ヤッターマン」は松竹から発売中画像DVD「愛少女ポリアンナ物語」第1巻(バンダイビジュアル) 放映は86年、ハウス名作劇場でした

 コナンとルパンが対決するそうです。3月27日午後9時から日本テレビ系で約2時間のスペシャルアニメ「ルパン三世vs名探偵コナン」が放映されます。「どんな対決になるのか」よりも前に私の頭をよぎったのは「これは花道なのでは」。私の妄想であってほしいと願いましたが、悪い予感はどうやら当たってしまったみたいです。

 ゴールデンタイムのアニメが危機に瀕していることは以前にも本欄で書きましたが、日本テレビ系・月曜夜7時「アニメ7」枠で放映されていた「名探偵コナン」と「ヤッターマン」が、3月いっぱいでゴールデンを去ります。4月から「コナン」は土曜夕方6時、「ヤッター」は日曜朝7時だそうです(一部地域を除く)。ルパンという千両役者との共演を花道に、さらばゴールデン、さらば「アニメ7」。

 長年この枠を守り続けてきた読売テレビ・諏訪道彦プロデューサーは、さばさばした表情でこう語ってくれました。「時間は移りますが、番組を続けられるということだけで価値がある。正直ラッキーだと思っています。ご承知の通り、この視聴率戦争でアニメは厳しい状況にある。その中で、時間帯が移っても作りたいものを作り続けられる、これはラッキーです。もう一つラッキーなことがある。これまでほど番組を休まなくて済むことです」

 なるほど確かに年末年始や番組改変期に特番続きで何週もお休み、という事態はなくなるでしょう、よかったよかった。昔「愛少女ポリアンナ物語」というアニメがあり、とことんプラス思考の主人公がどんな苦境でも何かいいことを見つけて「よかったよかった」と言うのです。名付けて「よかった探し」。世のなか不景気な話ばかりですが、暗い顔してため息をついても仕方ありません。ニッコリ笑って「よかったよかった」とつぶやいてみましょうか。

 両番組のファンである息子(7歳)に時間帯変更のことを知らせると「へーそう」。ガックリもニッコリもせず無関心、ノーリアクションです。なぜなら、物心ついた時から家にハードディスクレコーダーがある彼にとって「リアルタイム視聴」は無意味だから。好きな番組は、録画して好きな時間に見るのが当たり前。だからたまにリアルタイムで見ようものなら、こうなります。

 「いま見たところ、戻して」「これ、録画じゃないよ」

 「あれ?CM飛ばせないよ」「だから、これはいま放送してるんだってば!」

 今は放送と録画の区別がついてますけどね。でも私だって子供のことを笑えません。朝の特撮番組も深夜のアニメも、リアルタイムでは見ることはまれです。いったん録画予約をしてしまえば、あとは放っておいてもレコーダーが録画してくれるので、毎回楽しみにしている番組でもどの局の何曜の何時にやっているかを覚えていないことが多いのです。2台目にWチューナー機を導入したら「裏番組」という概念も希薄になりました。極端なことを言えば、感覚的にはもはや「放送」ではなく「配信」です。自動的に週1回、ハードディスクにコンテンツが落っこちて来るのですから。

 というわけで、ゴールデンからまたアニメ枠が減っても「実害」はなし。よかったよかった。

 ……ほんと?

プロフィール

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小原 篤(おはら・あつし)

1967年、東京生まれ。91年、朝日新聞社入社。99〜03年、東京本社版夕刊で毎月1回、アニメ・マンガ・ゲームのページ「アニマゲDON」を担当。08年4月から編集局編集センター員。

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