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ゴジラと私、入試に出る

2009年7月6日

  • 筆者 小原篤

写真9月18日発売のブルーレイ「ゴジラ」5985円写真同日発売のブルーレイ「モスラ」5985円写真98年7月25日朝刊学芸面「ゴジラとGODZILLA」写真東宝は黒澤作品もブルーレイ化。10月23日発売の「七人の侍」4935円

 東宝から「ゴジラ」などの特撮映画のブルーレイ・ディスクが出るそうです。9月18日発売の第1弾は、「ゴジラ」(もちろん1954年版。あ、今年は55周年か)、そして「空の大怪獣ラドン」「モスラ」「ゴジラVSビオランテ」「ゴジラ ファイナルウォーズ」。今ひとつよくわからないラインナップですが、おなじみの怪獣の初登場映画と平成シリーズ最初の作品、そして現時点での最後のゴジラ映画を並べた、というところなのでしょうか。

 いや、これは「あなたはどこまで広い心で怪獣映画を愛せますか」「あなたはいくらまでならお布施を出せますか」と試されているのかも。この「お布施」がいつか「ご利益」(つまりゴジラの新作)になって返ってくることを信じて、とりあえず「ゴジラ」は即購入、でもあとはどうしよう…。ちなみに「ゴジラ」のブルーレイ独自の特典は「ピクチャー・イン・ピクチャーで見る絵コンテ」だそうです。画面の右下だか左下に小窓が開いて、本編と当該シーンの絵コンテが同時に見られるというもの。なかなかマニアックです。

 「ゴジラ」についてはいろいろ記事も書いてきましたが、一番思い出深いのは名古屋社会部(当時)から東京学芸部(同)に移って4カ月弱の98年7月25日、朝刊学芸面「探究 記者の目」に書いた「ゴジラとGODZILLA」です。なにしろ、大学の入試問題に使われたんですから。

 当時公開中だったハリウッド版「GODZILLA」を見て、「ちげーよ、ゴジラはでっかいトカゲじゃねーんだよ!」と抱いた憤懣(ふんまん)を、ちょいとひねった論考というかコラムめいたものにまとめた1500字ほどの原稿です。

 これが翌年の日本大学と東洋学園大学の入試問題に使われたことを、我が社が作ったリストで知りました(うちの記事は今年もこれだけ試験に出ましたよってのを並べたものです)。試験会場で緊張の頂点の受験生たちが頬を染め目を血走らせて号令と共に問題をめくったら「公開中の米映画『GODZILLA(ゴジラ)』の大トカゲには、『神(GOD)』を見いだせない」などという書き出しで始まるヘンテコな文章が…そのとき教室に充満したであろう「??」とか「!!」という声なき声、心の叫びを思うと、何と申し上げてよいのかわかりません。それにその、試験問題に選んだのワタシじゃないし。自分も学校の試験や予備校の模試や入試本番などでたくさんたくさん問題文を読まされましたが、何一つ憶えちゃいません。だから、あの年の受験生の方もきれいさっぱり忘れてくれてますよね、きっと。

 驚いたことにこの文章は、01年に出た「名人の授業 出口の現代文革命 ゼロからの解法手ほどき」(東進ブックス)という参考書でも使われ、須賀敦子さんや木村尚三郎さんといったエラい人の書いた文章と並んで、出口汪さんというけっこう有名な先生によって懇切丁寧に解題されています。買って読んでみて「へえーなるほどねえ」(筆者が解説者に教えられてどうする)。ちなみに設問にチャレンジしたら1問間違えてしまいました。いやーだって選択肢がさあ、微妙に似通っていて迷っちゃったんだもの。

プロフィール

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小原 篤(おはら・あつし)

1967年、東京生まれ。91年、朝日新聞社入社。99〜03年、東京本社版夕刊で毎月1回、アニメ・マンガ・ゲームのページ「アニマゲDON」を担当。09年4月から編集局文化グループ記者。

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