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注目!してよかった

2009年9月21日

  • 筆者 小原篤

写真拡大宮崎あおいさん(01年12月撮影)。後ろの恐竜は喫茶店の置物です写真拡大伊藤淳史さん(00年10月撮影)。よく見るとニキビがあるのがかわいらしい写真拡大クァク・チミンさん(右)とハン・ヨルムさん(05年1月撮影)。取材したホテルの窓から差す夕日の光で撮りました写真拡大黒木メイサさん(05年10月撮影)。新宿のけいこ場で撮りました

 映画「BALLAD 名もなき恋のうた」が公開中の山崎貴監督に、先日インタビューしました。「三丁目の夕日」シリーズで知られる山崎監督を私が初めて取材したのは、初監督作「ジュブナイル」公開を控えた2000年6月。様々なジャンルのフレッシュな才能を毎回1人紹介する夕刊芸能面(当時)の「注目!」というインタビューコーナーに登場していただきました。その折は、「ジュブナイル」についてだけでなく、「スター・ウォーズ」と「未知との遭遇」に刺激されて中3の夏休みに友だちの家の土蔵で映画作りを始めた思い出などをうかがいました。

 「この人は今後期待できる」と思って「注目!」したわけですから、その後のご活躍には「当たったあ!」なんて気持ちを抱いてしまいます(ひと様のキャリアをバクチにたとえるのは失礼ですけど)。「注目!」で私が取り上げた人は山崎監督が最初で、計12組13人。ほとんどの方が、私の記事が弊紙で最初のインタビューでした。

 初主演作「害虫」公開を控えた宮崎あおいさん(02年1月掲載)はまだ16歳で、笑顔のあどけない女の子でした(今もあまり変わってませんけど)。渋谷の喫茶店の2階で取材して、やりたい役を聞いたら「見た人が『宮崎あおいキライ!』って思うくらいネチネチいじめるいじめっ子をやりたい」。まさかあんな若さで大河ドラマの主役までやるとは、思いもよりませんでした。主演映画「独立少年合唱団」公開中の伊藤淳史さん(00年11月)も16歳。「役者の道しか考えていません」とキリッと答えてくれました。映画初出演作「同じ月を見ている」公開直前の黒木メイサさん(05年10月)は、17歳ながら完成された美貌に驚きました。

 映画学校の卒業制作映画「青〜chong〜」公開を控えた李相日監督(01年3月)は、アート系のとんがった映画を手がけていく人なんだろうと思っていたら、後に「69 sixty nine」や「フラガール」といったメジャー作品を余裕すら感じさせる手さばきで撮ってみせたので驚きました。自主制作作品を自らリメークした「犬猫」公開間近だった井口奈己監督(04年11月)は、07年の「人のセックスを笑うな」でも登場人物の生々しい息づかいや微妙な距離感を繊細に描き出してみせました。ほかに、初主演作「マッハ!」で超絶アクションを見せたトニー・ジャーさん(04年8月)、キム・ギドク監督の「サマリア」でデビューしたクァク・チミンさんとハン・ヨルムさん(05年3月)などを取り上げましたが、振り返ってみると我ながらなかなかの「打率」なのではないかと思います。

 さて山崎監督に話を戻しますと、初監督作「ジュブナイル」はネットで話題を集めたいわゆる「ドラえもん最終回」にインスパイアされた物語で、ブレークした「三丁目の夕日」はマンガ原作、今回の「BALLAD」は原案が「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」(ちなみに「ジュブナイル」と「BALLAD」は共にSMAP主演でタイムスリップねたですね)。こんなにマンガやアニメと縁の深いキャリアを歩んでくるとは予想外でした。そしてどういうわけか、うわさされている次の作品も何だかおんなじような取り合わせらしいので、いろいろ気になることはありますがやはり「注目!」です。

プロフィール

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小原 篤(おはら・あつし)

1967年、東京生まれ。91年、朝日新聞社入社。99〜03年、東京本社版夕刊で毎月1回、アニメ・マンガ・ゲームのページ「アニマゲDON」を担当。09年4月から編集局文化グループ記者。

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