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太宰には深夜アニメがよく似合う?

2009年10月26日

  • 筆者 小原篤

写真拡大新番組「そらのおとしもの」原作の同名マンガ(水無月 すう作、角川書店)写真拡大新番組「青い文学シリーズ」第1弾は太宰治「人間失格」。小畑健さんが集英社文庫の表紙に描いた絵が原案です写真拡大新番組「怪談レストラン」原作本、松谷みよ子さんらによる「幽霊屋敷レストラン」(童心社)

 アニメを見続けるモチベーションとは何だろうか? こんな疑問を抱いてしまうのは、秋の新番組の季節だからです。私の場合、職務上の義務感といえば格好いい(かな?)のですが、大半の作品は「初回を見たらサヨウナラ」なわけで、「仕事です」と胸を張るにはお恥ずかしい怠惰ぶり。とはいえ少なくともコレで本コラムの1回分のネタにはなるんだから、酒を喰らってメモをとる恒例の「酔いどれ視聴」を始めましょう。今季の新番組は30本ちょい。もっと減るかと思っていましたがそれほど落ち込みませんでしたね。

 「学園で制服で美少女いっぱいで剣で超能力バトルかあ、これだけそろうとなんかハンデがいっぱいって感じ? 心にキズ負って心を閉ざしたと言ってる主人公だけど周りには構ってくれる女の子や男の子。これが若さというものか」「空から女の子が降ってきてのぞきもさわりもアリで世界を滅ぼす力もらって『ぼくはふつうの生活がしたいのにぃ』かぁ…」「かわいいヒロインには邪険な態度、そんでもって自分は超有能でクール。いーねー、若いねー」「裸よりエッチなコスチュームに感心。もはや一つの文化」「自意識過剰な主人公、特高に追われてねーちゃんのスカートの中に隠れてハアハア。『ウソ、悪ぶってもダメよ』『恥ずかしいな、生きているのが』うわあ、太宰には深夜アニメがよく似合う?」「スイーツひとくち叫ぶ『甘酸っぱい切なさがー!!』味っ子か?暴走するのか?」「女の子が変身してネコ耳、モコモコ手足。CMは女児向け調理玩具、でもこの番組のキャラクター玩具がない! 商品化失敗?」「疲れたサラリーマンに充電してくれるピチピチコスチュームの妖精さん? この不景気の世に、ファミレスうろついても疲れてるターゲットが見つからないってあり得なーい」

 いつも通りロクなことは書いていませんが、どうも今季はエロが目立ちます。初回から温泉だったり、セクシー看護婦さんのぶっとい注射だったり、ノーパンメイドのアクションだったり、「この者こそ、しっとりつやつやの○の毛が自慢の」ってセリフがあったり(ホントにそう言ったんだからしょうがない)、パンツが群れをなして空を飛んだり。単に私のメモがエロ系に偏っているのでしょうか?

 でもねえ、リビドーでアニメを見続けられるトシでもありませんし、なんだか思春期っぽい設定をぬるい目で見守る態度が身に付いてしまったし…私のモチベーションはどこにあるの? などと父親がどうでもいいことをグダグダ考えていることなど知らずに息子(小2)がニコニコして部屋に入ってきました。

 「ねえ『怪談レストラン』見ないの?」

 テレビ朝日と東映アニメーションがゴールデンタイムに枠を設けて送り出した新番組で、中身は「こわカワイイ」ホラー風味の怪談オムニバス。原作が子供たちに人気なのだと最近知りました。息子は、第1回を一緒に見ていた時「こわいーこわいー」とか言って私の背中とソファの背もたれの間にモゾモゾ潜り込んで私の脇腹越しに見ていたので、第2回は見ないかと思ってました。

 「もう夜遅いからテレビはお終い。見たけりゃ昼間(録画を再生して)見れば?」

 「ひとりじゃこわいんだよねー(もじもじ)」

 いやー、いーなーキミは若くて(当たり前だけど)。いずれ思春期になってあんなものやこんなものに振り回されるんでしょうねえ、そんとき「モチベーション」なんて考えもしませんよね、きっと。

プロフィール

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小原 篤(おはら・あつし)

1967年、東京生まれ。91年、朝日新聞社入社。99〜03年、東京本社版夕刊で毎月1回、アニメ・マンガ・ゲームのページ「アニマゲDON」を担当。09年4月から編集局文化グループ記者。

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