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押井守の「009」だっちゃ

2010年10月11日

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写真:押井守監督拡大押井守監督

写真:テレビシリーズ第1作を収めた「サイボーグ009 1968 DVD−COLLECTION」(東映)拡大テレビシリーズ第1作を収めた「サイボーグ009 1968 DVD−COLLECTION」(東映)

写真:こちらは第2作の「サイボーグ009 1979 DVD−COLLECTION Vol.1」(東映)拡大こちらは第2作の「サイボーグ009 1979 DVD−COLLECTION Vol.1」(東映)

写真:押井守監督による「3D立体視アニメーション 009」 これは009なのかな? (C)石森プロ拡大押井守監督による「3D立体視アニメーション 009」 これは009なのかな? (C)石森プロ

写真:押井守監督「イノセンス」DVD(ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン):押井守監督「イノセンス」DVD(ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン)拡大押井守監督「イノセンス」DVD(ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン)

写真:「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」DVD(東宝ビデオ)拡大「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」DVD(東宝ビデオ)

 押井守監督が「サイボーグ009」を3Dアニメにしたそうです。パナソニックの技術協力を得て制作した4分45秒の映像を、10月9日まで千葉の幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2010」で公開したのですが、残念ながら見に行けませんでした(東京にいないと不便ですねえ)。

 石ノ森章太郎さんの「009」といえば、マンガを読み始めた頃の幼い私が「天才バカボン」と並んで愛読した作品です。001(天才エスパー赤ちゃん)、002(空飛ぶヤンキー)、003(視覚と聴覚抜群のヒロイン)、004(全身これ武器)、005(怪力ネイティブアメリカン)、006(地中に潜る料理人)、007(自在に変身、姿も消せる)、008(泳ぎが得意)、009(カチッと加速装置!)の9人が、自分たちを改造した悪の組織「ブラックゴースト」と闘う物語。白眉は「地下帝国ヨミ編」のラスト、流れ星となって地上へ落ちていく009と002が放つ光に、平和への願いを託した姉と弟――いつ読んでもシビれます。これまでに3度テレビアニメ化されていますが、さて、押井版はどんな「009」になったんでしょう?

 実は「押井監督が009を」というウワサは以前から耳にしていて、酒の席でネタにしていました。「やっぱ、バトーが004だよね」――すみません、バトーは押井監督の「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」「イノセンス」のキャラクターですね。でもまあ「肉体を失ったサイボーグの苦悩」という「攻殻」「イノセンス」のテーマを「009」は先取りしていましたし、それを最も体現していたのは004ことアルベルト・ハインリヒだし、004もバトーも黒目がなくて無愛想で腕にミサイルやら鉄砲やら仕込んでいて似ているし、そう考えると押井監督と「009」がつながるのはそう不自然なことではありません。

 「攻殻」「イノセンス」のほかのキャラを「009」に当てはめると、ギルモア博士=荒巻、009=素子、008=魚型サイボーグ、007=光学迷彩のテロリスト、006=イシカワ(特に理由なし)、005=カニバサミつけた怪力サイボーグ、003=トグサ(生身に近いところが共通)、002=アンドロイド少女ハダリ(これも理由なし)、001=人形使い(自我を持つくらいのAIだから頭いいよね)といったところでしょうか。

 酒の席では「9人なんだから野球やらせようよ」という話になって、「バトーがトグサを空高く放り投げて、ホームラン性の打球を捕らせるんだよ」「それってアストロ球団じゃない!」「でね、トグサが『あんたと野球してると命がいくつあっても足りゃしない』ってボヤくの」というくだらないオチがついたのですが、それは置いといて、面白いから妄想キャスティングをもう一つ、押井監督の出世作「うる星やつら」でやってみましょう。

 001=テンちゃん(赤ちゃんだし宙に浮いてるし)。002=ラム(飛べるから)。003=サクラ(聴覚・視覚の代わりに霊感がある)。004=面堂(武器が好き)。005=しのぶ(怪力だから)。006=錯乱坊(声の永井一郎さんは「009」の最初のテレビシリーズで006役でした)。007=メガネ(声の千葉繁さんには007が似合いそうなので)、008=竜之介(海が好き)、009=あたる(美人には超高速でアプローチ!)。

 いやあ、適当にやってみたら意外にハマるもんですね。ヨミ編のラストも、ラム(002)があたる(009)に抱きついて電撃を放ち、あたるが身を焦がす光が夜空を染め上げるわけです。いやあ美しい。

 「短く燃え尽きる夜 男は星くずに変わる 女は流星になる」と、「うる星」の主題歌にもありましたし、こんな縁(えにし)で結ばれている押井監督の「009」はよく出来ていたに違いありません(見てないけど)。

 ちなみにこの3D「009」が今後どうなるかというと、パナソニックの広報担当者によれば「どのように活用するか社内で検討中です。今回の映像については、今後なんらかの形でご覧いただく機会を作りたいと考えています」とのことです。

プロフィール

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小原 篤(おはら・あつし)

1967年、東京生まれ。91年、朝日新聞社入社。99〜03年、東京本社版夕刊で毎月1回、アニメ・マンガ・ゲームのページ「アニマゲDON」を担当。2010年10月から名古屋報道センター文化グループ次長。

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