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おフロ屋の怪人

2010年11月15日

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写真:ミュージカル「おもひでぽろぽろ」チラシ。主演は朝海ひかるさん、背景画は男鹿和雄さんによるもの拡大ミュージカル「おもひでぽろぽろ」チラシ。主演は朝海ひかるさん、背景画は男鹿和雄さんによるもの

写真:「おもひでぽろぽろ」DVD(ウォルト・ディズニー・ジャパン):「おもひでぽろぽろ」DVD(ウォルト・ディズニー・ジャパン)拡大「おもひでぽろぽろ」DVD(ウォルト・ディズニー・ジャパン)⇒オンラインショップへ

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写真:劇団四季「オペラ座の怪人」は来年1月まで名古屋にてロングラン中:劇団四季「オペラ座の怪人」は来年1月まで名古屋にてロングラン中拡大劇団四季「オペラ座の怪人」は来年1月まで名古屋にてロングラン中

 スタジオジブリのアニメ「おもひでぽろぽろ」がミュージカルになるそうです。18日に開かれる制作発表会見のご案内をいただきましたが、東京にいたら出席できたのにねえ……。日本テレビ、わらび座、銀河劇場の3者共同主催で来年4月に天王洲銀河劇場で上演とのことです。作詞・台本の齋藤雅文さん、演出の栗山民也さん、作曲の甲斐正人さんのトリオは、わらび座のミュージカル「火の鳥 鳳凰(ほうおう)編」(原作・手塚治虫)を手がけた方々。銀河劇場は、昨年1月の本欄「『鉄人』は何を見ても何かを思い出す」で触れた押井守さん演出の「鉄人28号」を上演したところです。さてさてジブリアニメ初の舞台化となる「おもひでぽろぽろ」は、どんな公演になるのでしょう?

 考えてみれば、アニメやマンガが盛んに舞台化されている昨今、国民的人気を誇るジブリアニメがその流れに加わるのはごく自然で、むしろこれまで舞台化されなかったことの方が不思議なのかも知れません。それにしてもよりによって「おもひでぽろぽろ」とは渋い。物語の舞台・山形はわらび座が本拠を置く秋田のお隣で、テーマが「農」というあたりが、この劇団らしい選択だなあと思います。

 ではそのほかのジブリ作品は、例えばディズニーアニメを原作としたミュージカルなどを上演しているあの有名な劇団がやってみてはいかがでしょう?(ここから妄想スタート)

 満月の夜、とある神社の境内に集まった全国各地のタヌキたちが、互いの化学(ばけがく)の成果を披露しつつ、人間の暴虐に対抗していかに闘うかを話し合い、タヌキとしての尊厳ある生を求めて歌う――。というわけで「平成狸合戦ぽんぽこ」は「CATS」のにゃんこメークをタヌキ・メークに替えればすぐ出来そうです。「メーモリ〜 月明かりの中 美しく去った 過ぎし日を思う」なんて歌は、そのまま使ってもいいような。クライマックスは、百鬼夜行パレードが客席を練り歩く、という趣向でひとつよろしく(何がよろしくなんだか)。

 「もののけ姫」は、ヤマイヌやイノシシを「ライオンキング」風のこしらえで演じればオッケーでしょう。「プリンセス・モノノケ」「ライオン・キング」と並べると、対のようなタイトルですし、ちっこいライオンの子を高々と掲げる終幕なんてシシ神の首を返すシーンに似てますね。あ、でも絵本版「もののけ姫」なら「美女と野獣」の方が近いかなあ。

 とある奇怪な城に入り込んだ娘は、そこに住む主に恋をするが、その主は怪物になりかかっていて、でも最後は娘の愛によって主は救われメデタシメデタシ――。こう書くと「ハウルの動く城」も、なんとなく「美女と野獣」っぽいような。「老女と野獣」か? 扉の向こうの世界がクルクル変わるとか、大きな城が崩壊するといった舞台映えしそうなスペクタクルが、「オペラ座の怪人」の巨大シャンデリア落下に匹敵するみものになるでしょう。

 豪華絢爛(けんらん)なフロ屋に暗躍する仮面の怪人。その怪人の助けを得て娘はおフロ屋で成功をおさめるが、怪人はやがて凶暴な正体を現し、その愛は娘の運命を狂わせる――。「千と千尋の神隠し」は「オペラ座の怪人」じゃなくて、「おフロ屋の怪人」ということに。怪人はもちろんカオナシです(同じような仮面をつけていますから)。様々な姿の神様たちが千尋にヤンヤヤンヤの喝采を送るシーンは、「オペラ座の怪人」の仮面舞踏会(マスカレード)のような華やかな場面にしたいものです。そして、千尋が竜(ハク)に乗って飛ぶところは宙乗りでぐいーん、そして竜が元のハクの姿になるところは早変わりでババッ! 客席に舞い散る銀のうろこがキラキラと……。これじゃスーパー歌舞伎かな。

 いやいや、結構いけそうな感じがしますね、「ジブリ・ミュージカル」。「おもひで」以外は私の勝手な妄想の産物ですけど。

プロフィール

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小原 篤(おはら・あつし)

1967年、東京生まれ。91年、朝日新聞社入社。99〜03年、東京本社版夕刊で毎月1回、アニメ・マンガ・ゲームのページ「アニマゲDON」を担当。2010年10月から名古屋報道センター文化グループ次長。

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