現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. エンタメ
  3. 映画・音楽・芸能
  4. コラム
  5. 小原篤のアニマゲ丼
  6. 記事
2012年10月29日
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

小原篤のアニマゲ丼

勇者タカマツの冒険

小原篤

写真:「超速変形ジャイロゼッター」 (C)スクウェアエニックス/ジャイロゼッター製作委員会・テレビ東京拡大「超速変形ジャイロゼッター」 (C)スクウェアエニックス/ジャイロゼッター製作委員会・テレビ東京

写真:「イクシオン サーガ DT」 (C)カプコン/イクシオン サーガ DT製作委員会拡大「イクシオン サーガ DT」 (C)カプコン/イクシオン サーガ DT製作委員会

写真:「銀魂」 (C)空知英秋/集英社・テレビ東京・電通・サンライズ・アニプレックス拡大「銀魂」 (C)空知英秋/集英社・テレビ東京・電通・サンライズ・アニプレックス

 何の因果か名古屋での単身赴任生活も3年目に入り、毎度おなじみ秋のアニメ新番組の季節がやってきました。地上波とBSで見られる新番組をザッと数えてみますと30本台半ば、といったところでしょうか。昨秋は30本弱、その前年の2010年は20本台半ば、09年は30本ちょいだったと、アニマゲ丼のバックナンバーに書いてありますので、2010年で底を打って順調に増加傾向が続いているように見えますが、大丈夫なんですかねえ、ソフトの売れ行きとかは……?。

 それでは恒例の、酔いどれ視聴を始めましょう。ノートとツマミを前にして、右に酒ビン、左にペン、ああ飲むほどに酔うほどに、アニメのゆめが遠くなる。……ぐう。というわけで、テレビをつけっぱなしで寝オチした酔っぱらいの書き残したメモを、ちょっとのぞいてみましょうか。

 「闇の炎に抱かれて消えろ! ギャーヤメテー」「燃え散れっ! ギャアアーやめろぉお!!」「ついでに世界を救ってやるよ!(キャァー)」「そこにシビれる!あこがれるゥ!(ズキュウウウン) この人はずっと前から突き抜けてるなー」

 「邪悪そうな敵も『オレのターン!』とか言っちゃうとかわいいな」「パンツァーとはパンツをはいた人という意味じゃなかったのか」「ダンボール戦機のLBXが美少女になってる。身の回りの世話とかしてくれる」「サイコパスが濁ると凶悪犯になるのか? IGと契約してイノセンスみたいなアニメ作ってよ!」「えびてんなのか、てんもん!じゃイカンのか。オレのコスモは爆発寸前だもう出る」「ゲームの中で誰よりも偉くて結婚もできた22歳無職はリアルなゲームに放り込まれて結婚できるのか。こっちのゲームに入り込んだDTはDTを捨てられるのか」

 いやー、毎度毎度ロクなことを書いていませんが、酔っぱらいのしたことなので許して下さい。

 今季の注目作は、カードを使った筐体(きょうたい)ゲームと連動した「超速変形ジャイロゼッター」。テレビ東京系で火曜夕方6時放送の子供向けロボットアニメです。人工知能内蔵のエーアイカーが走る未来、主人公の少年少女らが人類を救う「選ばれしドライバー」となり、ロボットに変形する車「ジャイロゼッター」に乗り込んで戦う、というイマドキ珍しい正統派ロボットアニメの趣です。

 車からロボットに変わると同時に運転席も変形しますが、この変形ギミック(仕掛け)は、コックピットを模した筐体ゲームでも再現されており、プレーヤーは自分もジャイロゼッターに乗り込んで操縦しているような感覚を味わえます。さらにトヨタや日産など大手自動車メーカーが協力、プリウスやGT−Rがシャキーンとロボットに変身したりします。「絶望的にカッコいいぜ!」(←主人公の決めゼリフ)

 こ、これは「子供のロボットアニメ離れ」そして「若者のクルマ離れ」を解消する異業種協同の野心的な試みかッ!と感心していると、何とこのアニメの総監督高松信司さんは今季大活躍。このほかに「イクシオン サーガ DT」(テレビ東京系、日曜深夜1時5分)を監督し、さらに休止期間をおいて復活した「銀魂」(テレビ東京系、木曜夕方6時)でも監修を務めています。

 「イクシオン サーガ DT」では、彼女いない歴17年の17歳の主人公・火風紺(ほかぜ・こん)が、オンラインゲームの中で「美少女」に「力を貸して」と頼まれ、「この娘とつき合えるかも。そしたら……グヘヘ」みたいなスケベ心いっぱいでOKしたらいきなりゲームさながらの異世界に飛ばされ、謎の武装集団からお姫様を助けることに。「DT(童貞)捨てる前に死んでたまるかってんだー!」という叫びと共に、主人公の戦いがスタートします。

 DTなんてタイトルにつけたら「童貞向けアニメかよー」なんて揶揄(やゆ)されちゃうじゃん、などと大ボケなことを考えていた不明を恥じました。まさか直球勝負とは。高松監督は「若者のクルマ離れ」だけでなく、近頃進んでいるという「若者のセックス離れ」とも戦おうというのか! 絶望的にカッコいいぜ!(紺の願いが熱望的、というワケではありません)

 ちなみに現在小5の私の息子は近頃バラエティー番組や実写ドラマを見始め、「そろそろ子供向けアニメから微妙に離れようとしているのかなー」と観察していたのですが、お気に入りだった「銀魂」復活に大喜び。これで「アニメ離れ」などということはなさそうです。これも高松監督のおかげです。少々の下ネタでカミさんの顔がこわばっても構いません。ありがとう、勇者タカマツ!

 そして、いろんなものから若者が離れたがるのを食い止めることが出来るのか? がんばれ、勇者タカマツ!

プロフィール

写真

小原 篤(おはら・あつし)

1967年、東京生まれ。91年、朝日新聞社入社。99〜03年、東京本社版夕刊で毎月1回、アニメ・マンガ・ゲームのページ「アニマゲDON」を担当。2012年4月から名古屋報道センター文化グループ担当部長。※ツイッターでもつぶやいています。

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

アンケート・特典情報