現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. 映画・音楽・芸能
  4. コラム
  5. 漫画偏愛主義
  6. 記事
2011年9月9日
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

漫画偏愛主義

小躍りしたりおどおどしたり on BLUE vol.3 依田沙江美特集

文:松尾慈子

表紙:on BLUE vol.3 依田沙江美特集(祥伝社)拡大on BLUE vol.3 依田沙江美特集(祥伝社)〈「on BLUE vol.3 依田沙江美特集」を商品検索〉

イラスト:(C)依田沙江美/祥伝社拡大(C)依田沙江美/祥伝社

イラスト:(C)秀良子/祥伝社拡大(C)秀良子/祥伝社

 先日、ネット書店で検索をかけて驚いた。「依田沙江美特集」という雑誌がでている!え〜依田さんってこういう特集を組まれるような人だっけ?オシャレな漫画ばかりの祥伝社がボーイズラブなんて出してるの?混乱した頭でとりえあずオタク友達にメールしてから書店に走ったら、「いまさっき売り切れたんですよ〜」。あきらめられず、翌日届くアマゾンさえ待てず、梅田の大型書店に電話して、ようやく在庫を確保した。ありがとう旭屋書店本店。

    ◇

 というわけで、今回はボーイズラブ(BL)の漫画雑誌、しかも第3号、という中途半端なものを紹介しますが、ご容赦ください。何度も言ってますが、何しろ私、依田沙江美マニアですから。そしてここは「偏愛主義」ですから。

 イ、インタビュ〜が載ってる〜(ここで小躍り)。著者が描きたいことだけを描くエッセー漫画と違って、著者の思わぬ面を知ることができるインタビューは、依田マニアの私としてははずせない。依田と同じデビュー17年の雁須磨子との対談と、新進BL漫画家の山中ヒコからの10の質問に答えるという形式。「(人物の)冷たい感じが欲しくて意識しています」。おお、やっぱりそうだったのか。登場人物が、相手の浮気を疑ってハサミを持ち出すシーンにも「あれ怖かったです?ひとってああいうことを自然にするんじゃないかと思って描いたんですよ」。あ〜こんな風に、人に対する諦観があるところが、依田さん大好きだ〜。

 全コミックスを解説して紹介したり、依田さんお気に入りの海外ドラマを紹介したり。依田ファンならばうれしい企画ばかり。しかし、漫画の書き下ろしは14ページ。なんだか微妙だ……。

 巻末の作者コメントで「人間として、申し訳ございません」って書いているけれど、どの点を言っているのだろうか?「私なんかを特集していただいて」ってことなのか。いつものように締め切りギリギリになったのか。いずれにしろ、なんだかちょっと心配だ。

 次号の特集は今をときめく「ヤマシタトモコ」だそうで、依田さんはヤマシタと並び称されるような人なんだっけ?とファンながらおどおどしてしまう。梅田のジュンク堂で売り切れていたから大丈夫なのか?

 なんだか、今回、独り言みたいになってしまってすみません。雑誌としては、新進気鋭のBL作家が集まっていて、読み応えがある。独特の世界観があるSHOOWAがファンタジーを描いているし、ゲイビデオ制作会社を舞台にした雲田はるこ「ハートに火をつけて」なんて、エロくてかわいい。そして、一般誌でも注目されているえすとえむが普通に連載してるのを見ると、やっぱり実力ある祥伝社だね、と思うのだ。

プロフィール

写真

松尾 慈子(まつお・しげこ)

1992年朝日新聞入社。金沢、奈良支局、整理部、学芸部などを経て、現在、大阪編集局記者。漫画好き歴は四半世紀超。一番の好物は「80年代風の少女漫画」、漫画にかける金は年100万円に達しそうな勢いの漫画オタク。

検索フォーム

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介