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2012年1月13日
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漫画偏愛主義

おむつ姿にノックアウト ぷりぷりふたごシスターズ(ももせたまみ)

文:松尾慈子

写真:ぷりぷりふたごシスターズ[作]ももせたまみ(白泉社)拡大ぷりぷりふたごシスターズ[作]ももせたまみ(白泉社)〈『ぷりぷりふたごシスターズ』を商品検索〉

写真:(c)ももせたまみ/白泉社拡大(c)ももせたまみ/白泉社

写真:(c)ももせたまみ/白泉社拡大(c)ももせたまみ/白泉社

 みなさま、新しい年を迎えました。今年もよろしくお願いいたします。今年も私が偏愛する漫画をご紹介していきたいと思います。みんなが漫画を楽しめる日常を送れますように、人の犠牲の上に成り立つのではない、背伸びしない生活を送れますように。関西電力が日本で一番原発依存度が高いのだけれども、などと考えながら。

 今回は、人気4コマ漫画家が女の子の双子を生んだ、あわただしくも楽しい日々をつづっている。私は表紙の愛らしいおむつ姿の二人にノックアウトされて、つい日々読み返している。というか、トイレの友として、トイレ側の書棚が定位置になっている。ちょっとした隙間の時間に読み返してはちょっぴり癒(いや)されている。

 名作「Blue Moon」(森脇真末味)や「CIPHER」(成田美名子)、「タッチ」(あだち充)のような、双子が登場する漫画の影響からか、私はかねてから双子へのあこがれがあったが、本作は双子の実録育児漫画である。二卵性の双子は、時にママの取り合いやけんかをするが、怖いテレビ番組を前にすると寄り添って手を握り合ったり、一緒になってママを攻撃したり。絆が強いのか、それとも単に成長度合いが一緒だから行動をともにしやすいのか? 息のあった二人の言動がなんとも愛らしい。

 二卵性だから顔も性格も異なる二人。姉はおっとり、妹は荒々しい。誕生日プレゼントのリクエストは、妹はキャラクターもののおもちゃだが、姉はお花。「プレゼントっていったらお花でしょ?」という。乙女って生まれついてのものなのか〜。一方、妹は怒るとお茶をこぼしたり、物をひっくり返したり。母が怒る横で姉が床のお茶をふいていたりするんだそうだ。双子でも違うなあ〜。おしりを振るのが大好きな姉妹。本書のラストでは双子が4歳になって、弟が誕生した。新キャラ誕生で双子がどうなるか、楽しみだ。

 レディース誌「Silky」(白泉社)に連載中。実はこの本、編集者の方から献本していただき、「通勤電車で読んでくださいね(笑)」とあったのだが、通読した後、日々読み返している。図らずも昨年末から育児漫画が続いてしまったが、それぞれ個性が違っていて、前回ご紹介した「プロチチ」は一人の夜の友として一人じっくり読み返している。己の存在と向き合いながら。一方本書は読み返すとつかの間、我を忘れることができる。漫画とは個性が多様で、だからこそ楽しいのだなあ、と思う年のはじめである。

プロフィール

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松尾 慈子(まつお・しげこ)

1992年朝日新聞入社。金沢、奈良支局、整理部、学芸部などを経て、現在、大阪編集局記者。漫画好き歴は四半世紀超。一番の好物は「80年代風の少女漫画」、漫画にかける金は年100万円に達しそうな勢いの漫画オタク。

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