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写真家・三吉ツカサ(1) 15歳、初めてのギャラ

2009年11月11日

写真08年3月、ケツメイシのさいたまスーパーアリーナ公演で

 15歳の時からロックバンドのライブ写真を撮っています。今ではライブカメラマンと呼ばれることも多いです。

 始まりは、中学の入学祝いに親戚(しんせき)のおじさんからもらったカメラで友達を撮ったこと。撮り始めたときから自分は写真がうまいと錯覚し、すぐに撮ることが楽しくなった。同じ頃、同級生とライブハウスに行くことが多くなって、ロックバンドというものに興味が出てきた。ステージに出ているのは怖くて悪そうな大人ばかりで、すごくかっこよく見えたから。

 僕は写真はうまいと思い込んでいたので、バンドの人たちに声をかけてステージ前で写真を撮ることを許可してもらった。肖像権とか難しいことなんて誰も考えていなかったんだろう。音楽が好きな人とそれを見るのが好きな人だけが集まった、小さな東京のパンクシーン。バンドに渡したその写真は、後日、雑誌に掲載されていた。切手みたいなサイズだったけど。

 中学3年生の僕にはそれがものすごく嬉(うれ)しくて、以降はいろんなバンドに積極的に声をかけてライブ写真を撮るようになった。当時はお金もなかったし、実家のある目黒から新宿や下北沢のライブハウスに自転車で通っていたけど、中学生のガキがカメラをかついでチャリ漕(こ)いでやって来るのを、みんな面白がっていたんだと思う。僕を可愛がってくれるバンドも増えてきて、僕は毎晩夢中になってライブハウスに通うようになった。

 ちなみに、初めてギャラをくれたのはMASTER LOWのイチさん。当時はSUPER STUPIDというバンドで歌っていた。下北沢の小さなライブハウスで彼らを撮影した後、打ち上げに出ていたらイチさんが僕を外に呼んだ。そして手渡されたのが1万円。人生初のギャラをもらった僕はライブハウスの横に停(と)めておいた自転車を無視。意気揚々とタクシーで帰宅したのでした。

    ◇

 みよし・つかさ 80年、東京生まれ。ブラフマン、椎名林檎、木村カエラ、長渕剛などの公演オフィシャル撮影も手がける。

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