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サウンドクリエーター・Revo(1) シンコペーションの威力

2010年3月3日

写真Revo=東京都内のスタジオ、永友啓美氏撮影

 皆様、初めまして。作詞、作編曲を生業としているRevoと申します。作風の特徴として、音楽で物語を表現しているという点がよく挙げられます。

 百聞は一見に如(し)かず。こと音楽においては、百読は一聴に如かず、と申し上げても過言ではありませんが、それでも挑戦する意義があると信じ、連載第1回は音楽を構成する三大要素のひとつ【リズム】について、Revo流の物語演出という観点で綴(つづ)ってみたいと思います。

 皆様、シンコペーションというものをご存じでしょうか? 簡単に説明するなら、4拍子で「ワン・ツー・スリー・フォー/ワン……」というストレートなビートの繰り返しを「ワン・ツー・スリー・フォワ/ーン・ツー・スリー・フォー」と変化させるような技法を指します。ワンを前倒しさせるためフォーが短くなり、それでも4拍子であることはキープする結果、ワンが長くなったことがご理解頂けるでしょうか? そして、その時「ワン」の勢いが倍増する感覚が伝わるでしょうか?

 それこそがシンコペーションの威力なのです。物語演出においては、単純な変化でテンポ以上のスピード感を、コントロール次第では更に緊迫した状況の描写をも可能とします。

 4拍子であることをキープせず、変拍子を導入するというアプローチもあります。自作曲で僭越(せんえつ)ですが、「争いの系譜」という曲の冒頭「レコンキスタ(世界史でいうイベリア半島の国土回復運動)」と連呼する場面で、この種の変拍子を用いています。「ワン・ツー・スリー・フォ/ワン……」と常にフォが短いまま進行するため、強く前に進む性格が生まれます。これが物語演出。戦場で前進し続ける兵士の描写にマッチしていると思いませんか?

 さて、次回は【メロディー】について綴ってみたいと思います。それでは皆様、また再来週この場所で!

    ◇

 レヴォ アーティスト集団「サウンドホライズン」を主宰。幻想的な世界を表現する。2004年メジャーデビュー。

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