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ガンダムに燃え上がる夏 誕生30年、ブーム不況知らず

2009年7月25日

写真観光名所になった実物大の立像「ガンダムRX−78−2」(C)創通・サンライズ=東京都品川区の潮風公園写真東京・お台場に登場した実物大「ガンダム」写真来場者が実際に座ることができるモビルスーツ「ガンダム」のコックピット=24日、名古屋市港区、岩下毅撮影写真限定販売の「ガンプラ」などを次々に買い求める人たち=24日午前、名古屋市港区、岩下毅撮影写真限定販売の「ガンプラ」などを次々に買い求める人たち=24日、名古屋市港区、岩下毅撮影

 誕生30周年を迎えたロボットアニメ「機動戦士ガンダム」。ともに年を重ねて中年にさしかかった「ガンダム世代」が今夏、再び熱くなっている。限定プラモデルに目を輝かせ、夏休みのレジャーとして子どもを連れて「実物大」の雄姿を見に行く。不況知らずのブーム再燃は、食品や旅行など異業種も巻き込む勢いだ。

 生誕地・名古屋のポートメッセなごやで、第1シリーズを制作したメ〜テレ(名古屋テレビ)が26日まで催している記念イベント。初日の24日は平日にもかかわらず1万8千人が来場した。ひときわ熱を帯びたのは「ガンプラ」と呼ばれるプラモデルなどの即売会場で、「大人買い」する人で長蛇の列だ。

 目当ては、モビルスーツ(人型機動兵器)をかたどったガンプラを含む64種類の会場限定商品。名古屋市中川区の会社員長谷川泰久さん(39)は息子の雄哉君(9)と来た。「ガンダムは世代の違う子どもも共感できる何かがある」。自室はガンプラ数百体でいっぱいという同市緑区の自営業竹内豊二さん(40)は3万円以上をつぎ込んだ。

 関連の玩具やゲーム、DVDなどを販売するバンダイナムコホールディングス(本社・東京)によると、ガンプラは、実物に忠実なシリーズだけでも、80年の発売から今年3月末までに累計3億9450万個が売れた。国内外の関連商品の年間売り上げも400億〜500億円台で、同社の売り上げの1割を超える。

 同社の担当者は「30周年をきっかけに、ガンダム世代が久しぶりにガンプラやDVDなどを手にする動きが出てきた」と期待を寄せる。

 象徴的な存在が、東京・お台場の都立潮風公園に期間限定で出現した高さ18メートルのガンダムの立像。同社などによる30周年記念行事の一環で、8月末まで無料公開されている。11日から24日夜までの来場者は83万7千人で、すでに期間中の目標150万人の5割を超えた。

 ほかに国内3カ所にある実物大模型にも注目が集まり始めている。「那須ハイランドパーク」(栃木県那須町)は、肩から上の全長約5メートルの部分モデル。肩に乗って記念撮影できる趣向で18日に公開を始めた。「入園者の半数以上が利用する人気の展示物。夏休みに入って親子連れが楽しむ姿が増えている」

 「おもちゃのまち バンダイミュージアム」(同県壬生町)も、千葉県松戸市から07年に移設された全長約5メートルの胸像に加え、今年4月に関連コーナーを増設。最初期のガンプラや合金製ロボット、LSIゲームといった「おもちゃとしての広がりを見せる展示」でアピールする。 

 経済効果は他業種に広がる。日本旅行(本社・東京)は、お台場の立像を見る公式ツアーを企画。ホテルの部屋や風呂からは、雄姿を望める。目標の1千人に対して1500人分が売れ、2千人に目標を上方修正した。「久々のヒット商品。ホテルの確保に追われている」

 日清食品(同・大阪)もガンプラ史上最小の380分の1の模型付き「カップヌードル」を8月31日から限定販売する。東京広報部は「ファンは購買層とぴったり合う。コラボで売り上げも相乗効果を狙いたい」。

 メ〜テレ以外のテレビ局も見逃さない。シリーズ未放送のNHKが衛星第2で特別番組を5夜連続で放送する。CS放送のスカイパーフェクTVも劇場映画全13作などを放送する「ガンダム30周年祭り」を展開中だ。

 バンダイナムコの担当者は「企業もマスコミも、現場の第一線でガンダム世代が活躍するようになり、共同事業が進みやすくなった成果ではないか」とみている。(岡本洋太郎)

     ◇

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの内田俊宏エコノミストの話 急激な景気後退局面を迎え、消費の切り口は低価格か大人のこだわりに絞られているなか、その両面を兼ね備えたガンダムが時代にはまった。ガンダム世代が80年代の安定成長を懐かしみつつ、子どもと一緒に楽しめることも大きい。「大人買い」をしても、家族でテーマパークで遊ぶことに比べれば出費は知れている。少子化の流れや休日の高速料金の上限千円などの景気対策にも合致し、夏休みの家族旅行やレジャーで人気を集めているのだろう。

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