「私たちにも懐かしい思い出がたくさん詰まっています」と開発チームのスタッフ。手前が初代の「人生ゲーム」=東京都葛飾区立石7丁目のタカラトミー
ルーレットを回してマス目を進む、タカラトミー(東京都葛飾区)のボードゲーム「人生ゲーム」が日本で発売40年を迎えた。ドル札を模した紙幣のやりとり、株への巨額の投資……。億万長者を夢見て、波瀾(はらん)万丈の人生が疑似体験できると、子どもから大人まで幅広い支持を集めてきた。現在は6代目(スタンダード版)。企画版を含めると、総出荷総数は1200万台を超えたという。
「ゲーム盤を囲みながら、親子や友だち同士でワイワイ楽しめるのが最大の強み。まさにロングセラー」と同社の担当者は話す。
原型は1960年、米国で開発された「THE GAME OF LIFE」だ。世界21言語に翻訳され、日本版は68年9月に発売。「人生、山あり谷あり……」。そんな宣伝がテレビコマーシャルに流れた。
この年、日本のGNP(国民総生産)が世界2位になった。大阪万博を2年後にひかえ、列島が高度成長に沸いていた。それまで盤上のゲームといえば、いかに早くゴールをめざすかという「すごろく」のイメージが日本人には強かった。「サイコロの代わりのルーレットが画期的でした」と開発チーム。「ヨットを買う」「牧場の後継ぎになる」などのマス目に書かれた指示も、米国の生活へのあこがれを感じさせた。
初代と2代目は米国版の翻訳だったが、83年発売の3代目から日本独自の内容になる。アイドル歌手など当世風の職種も登場。世相を反映し、転職できるルール改正も盛り込んだ。マス目には「お世話になった人たちにお歳暮をおくる」など日本風の指示も登場した。
11年ぶりに刷新された6代目は今年6月に発売。9歳以上としてきた対象年齢を文字を大きくするなどして6歳まで下げた。「不況の影響か、中高年世代が自宅で家族そろって遊ぶケースが最近多いのでは」とタカラトミー。
企画版の人気も根強い。「謎の白覆面男から気合を入れられる」のコピーが入った「アントニオ猪木版」や「東京へ来てうどんのツユが濃くてショック」の「関西版」など約40種。今年は「自分だけの人生」を盛り込んだオーダーメード版も登場した。
庶民文化研究家の町田忍さん(58)=目黒区在住=は「移り変わる世相を反映し、1マス1マスに庶民の夢が詰まっている。わかりやすいテーマで、老若男女だれでも参加できるのが日本人の気質に合っているのでしょう」と分析している。(小泉信一)
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■マス目に書かれた代表的な言葉
・初代(1968年発売)
「火星から使者がきた」
「羊がとなりの家のランを食った」
・2代目(80年発売)
南極観光旅行に参加する
エベレスト登山成功
・3代目(83年発売)
ノーベル賞を受賞する
先祖代々の土地を売る
・4代目(90年発売)
ミス(ミスター)ワールドに選ばれる
リハウスでリフレッシュ
・5代目(97年発売)
カラオケでストレス解消
インターネットで自分のホームページを作る
・6代目(08年発売)
恋人と三ツ星レストランに行く
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