06年に亡くなったマンガ評論家米沢嘉博さんの膨大な蔵書を、遺族から寄贈・寄託された母校の明治大学が、夏にも「米沢嘉博記念図書館」を開設することになった。一般にも公開する。貴重な資料も多いとみられ、マンガ文化の研究や継承に活用されそうだ。
あらゆるジャンルのマンガに精通した米沢さんは「存在そのものがマンガ図書館」と言われた。何十万人も参加する同人誌即売会「コミックマーケット」の準備会代表を四半世紀にわたって務め、大きく育てたことでも知られる。
準備にかかわる森川嘉一郎・同大准教授は「カストリ雑誌や、国会図書館にない同人誌やマンガも含め十数万冊はある」とみる。
同大は東京・駿河台キャンパス近くの7階建てビル全部を図書館にする。延べ床面積は約800平方メートル。将来は、マンガ、アニメ、ゲームの複合的な研究・展示施設「東京国際マンガ図書館」(仮称)に発展させる予定だ。
森川准教授は「マンガやゲームは個人のコレクションが多く、散逸しやすい。現代文化の研究に欠かせないこれらの資料を集約する意味は大きい」と話している。