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映画祭で世界を知ろう!

2009年9月29日

 「フランス映画の秘宝」と題した映画祭が29日に始まりました。この秋はフランスのほか、ドイツ、チェコ、カナダ、キューバ、ブラジルの映画祭が都内各所で目白押しです。そこで、各国の映画やアニメーションに詳しい3氏に、その楽しみ方を聞きました。

■未公開やアニメ、貴重な機会

 「外国映画の魅力は、日本にいながらにしてその国の生活が見られること」と話すのは、11月に開かれる映画祭「東京フィルメックス」のプログラム・ディレクター市山尚三さん(46)。特に見たいのは「キューバ映画祭」の「ルシア」と「ある官僚の死」という。上映される12本は、革命後のキューバを見つめるラインアップだ。

 「フランス映画の秘宝」は、映画の伝統と文法が息づくクラシック作品が中心。「ドイツ映画祭」は13人の監督によるオムニバス映画「ドイツ2009」など近作がそろう。「各国の映画に精通した人たちが作品を選んでいるので、そうそう外れはない。それぞれに見どころがある」と市山さん。

 チェコとカナダはアニメーション映画の特集だ。アニメーション作家の山村浩二さん(45)によると、両国には国営のアニメーションスタジオがあり、時間的・予算的におおらかな環境から生まれた作家性の強い作品が多いという。「チェコアニメ傑作選」では、社会主義体制の下で培われた人形アニメーションの伝統を堪能できる。

 「カナダ・アニメーション・フェスティバル」でのお薦めは、元カナダ国立映画制作庁のマーケティング担当エレーヌ・タンゲによるセレクション。山村さんは「『線と色の即興詩』など映像や音を重視する作品が多いので、物語を追うのではなくアニメーションが持つリズムを感じてほしい」と話す。

 映画評論家の柳下(やなした)毅一郎さん(45)は「音楽が好きなら『ブラジル映画祭』で音楽ドキュメンタリーを、文学が好きなら『キューバ映画祭』でガルシア・マルケスがシナリオにかかわった映画を見るというように、自分でとっかかりを作ることが大事」という。

 これらの映画祭は、シネマコンプレックス(複合映画館)に代表される大型資本からこぼれ落ちた作品の受け皿にもなっている。柳下さんは「この貴重な機会を逃せば一生見られないかもしれないという『出会いの厳しさ』をかみしめてほしい」と力を込める。

 話題作や超大作だけが映画ではない。新たなものの見方や多様性を求めて、気になる映画祭へぜひ。暗闇に浮かぶスクリーンに、世界とつながるヒントがあるかもしれない。(福アニー)

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