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楳図かずおのドキュメンタリー 「ハウス」建設が核

2009年11月16日

写真ヘビの口の形に開いた玄関でポーズをとる楳図かずお。おなかの下にヘビの目が!=東京・吉祥寺、小原撮影

 「へび少女」「まことちゃん」など、恐怖と笑いを自在に操るマンガ家・楳図かずおに2年間密着したドキュメンタリー映画「グワシ! 楳図かずおです」が、23日から東京・下北沢のトリウッドで公開される。景観を巡る訴訟で話題になった「まことちゃんハウス」建設が映画の核。楳図の情熱が生んだ家は、怖い! そして楽しい!

 システムエンジニアで「楳図かずお公式サイト」スタッフの伊藤弘二が監督、撮影、編集をこなした。訴訟の経過は字幕で説明する程度で後景に置き、更地に家が建ち友人らにお披露目するパーティーまでを追う。楳図が自ら作詞・作曲・振り付けした「まことちゃんダンス」を猛練習する様子や、カセットテープを聴いて5カ国語学習に打ち込む姿などもとらえた。

 「この家は僕の作品。パーツ一つ一つが今まで描いたマンガを基にしていて、家はその総合体になっている」。吹き抜けのリビングで楳図は取材に答えた。「誰にとっても家は自分の作品のはず。居住性だけでなく家の『美術性』を大事にすれば、日本の街も面白くなるのに」

 外壁は赤白シマシマ、門扉に「グワシ」マーク、玄関の靴脱ぎ場はクワッと開いた蛇の口。リビングの大きなステンドグラスは14歳の時の作品「森の兄妹」のキャラクターをあしらった。原図を入念に手直しする姿が映画に登場する。「兄妹の隣の継母が意地悪そうで、でも美しい。そこが気に入ってます」

 楳図が一時代を築いた恐怖マンガにも、「美しさ」が欠かせないという。「うっとりするほどきれいなものが、おぞましいものに鮮やかに変化する。その落差が恐怖を倍増させる」

 95年に「14歳」を完結させて以来、腱鞘炎(けんしょうえん)を理由にマンガは休筆中だ。「もう描かないと思います。切れ目なく連載を続けて、体のこと無視して無理やり続けてきたので、『もういいわ』という感じですね」(小原篤)

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