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漫画の性描写規制案を継続審議に 東京都議会委決定

2010年3月19日

 漫画などに登場する18歳未満のキャラクターの性描写を規制する「東京都青少年健全育成条例」の改正案について、都議会の総務委員会は19日、継続審査とすることを決めた。規制の基準のあいまいさを問題にする民主党などが、議論の不足を理由に継続審査を求め、他会派も同意した。30日の本会議で正式に決まる。改正案は同委員会で議論が続き、6月の都議会で可否が採決される見通しだ。

 改正案は、18歳未満の登場人物による強姦(ごうかん)など反社会的な性描写がある作品を「不健全図書」に指定し、都内での青少年(18歳未満)への販売や閲覧などを禁じる内容。

 改正案を巡っては、漫画家や出版界が「表現の自由を侵すことになる」「創作活動が制限される」と反発。一方、PTA団体は「目をふさぎたくなるような漫画が流通している」として、都議会各会派に可決するよう要請していた。

     ◇

 漫画キャラクターなどの性描写を規制する条例改正案の可否が、都議会で先送りされたのは、規制の基準のあいまいさに批判が集まったからだ。今後、この基準を明確にする作業が始まるが、何を規制の対象にするのかを巡っては、さらに議論になりそうだ。

 「改正案の新たな規定を十分に議論する必要がある。保護者や作家、学識者らの意見も聞かなければならない」。19日の都議会総務委員会で、改正案に慎重な民主党議員はこう述べ、継続審査を求めた。同党では有識者の声を聴くなどした結果、当初は可決に前向きな意見が有力だった。しかし、出版界や漫画家から反対の声が届き、「これらの声は無視できない」(幹部)との判断に傾いた。

 同じ都政野党の生活者ネットワーク・みらいは「改正案はあいまいで、表現の自由を損なうのではないかと、多くの懸念が寄せられている」、共産党は「表現の自由の萎縮(いしゅく)につながりかねない」として継続審査に同調した。

 改正案に賛成の自民、公明両党は、都議会で過半数を占める野党会派の足並みがそろったため、最終的に譲歩した。自民は「継続審査は理解できないが、今後、改正を円滑に進めるためにやむを得ない」との考えで、公明は「審議を継続して一日も早い成立をめざす」とした。

 今回、最も問題になったのは、規制する基準があいまいな点だ。新たに作った18歳未満の「非実在青少年」という概念を、実際の漫画のキャラクターにどう当てはめるのかなどがはっきりとしなかった。あいまいな基準が拡大解釈されれば、「表現の自由を侵す可能性がある」との指摘が漫画家からあがった。

 6月都議会に向けて、都側は明確な基準を「施行規則」などの中で示す考えだが、どこからを規制の対象とすべきかを巡って、議会だけでなく漫画家、出版界などを巻き込んで議論になることは確実だ。

 石原慎太郎都知事は19日の記者会見で、「色んな人の意見も聞き、誤解も解くことで、きちっとした条例に収れんされていくことが好ましい」と述べた。(岡雄一郎)

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